2017年08月01日

【勝手句帳】133 29-7-28 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/08/01

|楽しみがこみ上げてくる朝の靴      袋井市・どまん中川柳

|楽しみがこみ上げてくるおろしたて いのちの産声 耳き入るような


> 何でもそうだけど、おろしたては好いよね
> 新しさの中に産声を耳(き)くような感動がある
> (だから、その感動が裏切られてあったともなると、不愉快甚だしくもなるということだな‥)




|白百合の群生暁に開く          長泉町・ながいずみ俳句会

|白百合の次々開く夜明け前 かんばしきかな風下の道


> ‥その昔なんかは、夜明け前の朝早くの行商の道を通っていますと
> ひっそりと群生している白百合が咲き始めて
> 風下の道沿いに、その咲き立ての芳香が漂ってくることがありました
> 「早起きは三文の得」とは言いますけどね、あれほどのお得に出くわしたことはございませんよ
> 今時の都市環境を見るに‥「随分と貧相になったなぁ」ってほんと思いますよ



1-6)1

|トマト茄子摘みたて野菜籠の中      長泉町・ながいずみ俳句会

|トマト茄子摘みたて野菜籠の中 我慢できず胡瓜をかじり


> そんなに食い意地張ってるって訳でもねぇんだけど
> 夏の摘みとれ野菜が、かごに収まっているのを見ると
> どうにも新鮮な所を齧りたくなっちゃうんだよね
> 胡瓜なんか特にそうで、夏場の摘み採り作業中に毎年一度はやってるよね




|日溜まりやさしい母の膝の上      袋井市・どまん中川柳

|日溜まりのような母の膝の上 やさしさ憶ゆおさなきの頃


> 母親の記憶の中でも一番に印象強く残るのは
> 何と言っても膝の上でのくつろぎだろうね
> 日本の畳に縁側の文化は、その舞台装置として最高だと思うよ
> ‥なのに、ソファーにテレビってなに?
> 何にくつろがんとすべきかの誘導に失敗しているよ(残念)



1-6)2

|寝ころんで浮雲見るや座敷       沼津市・潮音みどり句会

|開け放つ座敷の向こう雲の峰 麦茶風鈴ガリ勉する


> 座敷付き×縁側付き×古里の景色付き、まさに最高物件
> こんだけ用意されてたら、勉強しないって方が嘘になる
> 麦茶に風鈴を用意したら、あとは雲の峰を鑑に邁進するのだッ



1-6)3

|若人に戦時下のこと夏夕べ        長泉町・ながいずみ俳句会

|若人に戦時下のこと夏夕べ 赤紙万歳正直に


> ‥共謀罪騒ぎに、丁度よかれと、戦時下のことを若いもんに語ったよ
> 「どうして、赤紙に万歳してまで戦地に兵隊を送り出していたのか?」
> それこそが、治安維持法なんてのがあったからだよ
> 逆らったら憲兵にしょっ引かれて、牢で拷問死なんてのではやりきれないからな
> その上で、家族までとばっちりが行くのが相場だった‥
> 君たちは、そこをよくよく踏まえていないと、同じことをやらされかねないんだぞ




|おにぎりの緑陰なればこその味      沼津市・潮音みどり句会

万緑やうまさ倍増にぎりめし かみしめるほど眼下の暮らし


> 見晴らしを浴びて外で食べる握り飯は最高だな
> 噛みしめるほどに、眼下での暮らしの有り難みがあふれ出てくる
> 山の頂では暮らせないからな、下界での暮らしがあったればこそだよ




|ステーキに負けし昭和日本人 縄文人はおにぎりやも


> 日本がかの戦争に負けたのは、ステーキに負けたのだ
> そう考えると、縄文が弥生に駆逐されたのも、きっと握り飯に負けたのだろう
> ‥そうすると‥
> より旨いモノを食ってる文化には、勝てやせんのが世の辻褄か




|日本食 世界を席巻風吹けど おかしな事にポチのまま


> 寿司、ラーメン、カレーライス、カツ丼と
> 今や日本食が世界を席巻する時代に至った
> 我が日本国が、大いに胸を張り、世界のリーダーたる時代であろう
> ‥なのにどうよ‥
> 未だに敗戦国という暖簾の下で働いているバイト店員の如しだからな
> (アホらしくて、ニートが続出したって道理さね‥その闇が濃すぎるぜ)



1-6)4

ぐんぐんと天井知らず揚げひばり     焼津市・浜風句会

|ぐんぐんと天井知らず揚げ雲雀 新記録もまた壁のごと


> 将棋界の新星が二十九連勝をやってのけた
> でもまぁ、それもまた壁の内だからな
> 「天井知らず」なんて所詮、見えない壁を感じられない素人意見だからな
> (この世の記録なんて、すべからく限界の押し売りよ)




仰ぎつつ耕す夫の皺深し         焼津市・浜風句会

|皺深き耕す農夫エンジン音 春は上々おらさ殿


> どんなに歳を取ろうともだな、今の時代にゃ耕耘機を始めとした機械が居るからな
> 儂もまだまだエンジンが掛かる内は、安泰の吾が世の春ってなもんだよ
> どら、今日もちょっくら、畑相手に上座からの指示に明け暮れてみるとするかな




|皺深き水撒く農夫仰ぐ日々 ひでりに弱音ぽつり汗だく


> ‥だぁ、さすがに水撒きだけは車両では成り立たねぇから
> 場所によっては、こげな重い水タンクを背負わなならん
> こんなにも雨が降らんのではやっとられんわい
> いつも思うが‥たった一週間の読み間違いの差が大きいのだ‥


 ‥最近話題になってるアシストスーツ
 あれ、水撒き仕様に改造されて売りに出されんかね、欲しいわい
 水を撒く腕も四本ぐらい付いてな(もちろん自動でな)
 目も衰えてるし、カメラAI搭載で、農作物の細かいチェックとか
 害虫らしきが居ないかとかも、チェックしてくれると追い追い助かるけどな
 (あと、それらデータを全国的に収集して、ディープに分析された情報も欲しいのう)

 ‥どうせならあれか

 乗り込むスーツサイズなら、水タンクも大きく出来そうだな
 竹馬で畑を歩くみたいなもんだろうからな‥それなら孫にも自慢できちゃうし‥
 乗りたい奴が集まってくるかも‥でも水撒き前提ともなると怪しいけどな‥
 誰が好き好んで炎天下に繰り出したい言うんや
 ‥爽風機完備じゃ無いと無理やろ‥



1-6)5

冬眠を抜けて満開春を着る        袋井市・どまん中川柳

|冬眠を抜けて満開悩ましく 塀の外での飯をかきこむ


> わい、本日、目出度く出所しました
> さしあたり、冬眠のリスが、いきなり満開の春に放り出されて悩ましい限りですわ
> とりあえず娑婆のメシですわ
> 今後の身の振り方の細かいことなんて全部‥メシ食ってからですわ
> それにしても、殊更にウマくなってんのにこれで世間が不景気ってのも因果なもんでんな
> (わい、ますます生きてく自信おまへんで、どないしよう)




町内を知り尽くしたる夏燕        静岡市・ディサービス小平野俳句会

|町内を知り尽くしたる夏燕 浮気泥棒通り魔の出る


> ということで、もうやけくそですわ
> 今やツバメだって、女だけを漁ってれば好いって響きでも無いってことでしょ
> 塀から出てきて真っ先に考えたのが、オレオレ詐欺の真似事でしたよ
> 同じ悩みを抱えている同士の阿吽ってやつでしてね
> 目的が塀に入ることなんですから、腹の据え方が国会劇場とは違うんです



1-6)6

|夏の海染むる岬の夕陽かな        沼津市・潮音みどり句会

|夕焼けや染まる岬でバーベキュウ 闇に紛れて後片付けね


> ああ、あいつら、こんな夕時にバーベキュウ始めやがった
> 困るんだよね、暗くなってからの浜辺でのバーベキュウ‥
> 照明器具持って無さそうだし
> あれじゃ、明らかにそのまま放置宣言の確信犯だよ
> (監視員としては、海をよごすような態度は見逃せないわけだけど、そこまでの権限も無いし)




|荷くずれを世間ので生きる老い     袋井市・どまん中川柳
|荷くずれを世間の助けで渡る老い     手直し


つまずきて世間のまなこ大炎上 格差の角や断崖絶壁


 *角(かど)

> 今や、世間様の常識と少しでもズレてると途端に炎上の時代だな
> それもこれも、時代の格差が断崖絶壁だからだろう
> ‥なら、始めから謝罪もしない輩が居るのもまんざらではないな‥
> (見よ、時の総理大臣を、もっともその手の筆頭さね)




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 17:28 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする
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