2017年08月03日

【勝手句帳】134 29-7-29/8-1 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/08/03

|滴りのしづかに太る岩洞         SBS学苑パルシェ教室俳句(8-1)
石筍やしずかに太り柱へと        チョイ直し



|石筍や幾万年もそこに居り 垂涎のごと弛みなき日々


 *石筍(せきじゅん)‥鍾乳洞にて滴下の果て、床下に成分が沈殿・堆積して生じた筍状の堆積物。
 *垂涎(すいぜん)‥Aあるものを非常に強くほしがること。
 *弛み無い(たゆみない)‥気持ちがゆるまない。とだえる所がない。

> 石筍を見てご覧よ
> あすこまで堆積するのに何万年の月日を経ている
> 人に例えれば、彫刻家が洞穴に籠もり作業を始めて未だに未完と言うことだな
> 完成度を求めて目指すと言うことは、気がついてみればそれぐらいの根気が必要ってことさ
> ‥妥協なんて無い‥
> 否、妥協をする必要も無いのが宇宙の悠久ということのありのままの手本だよね



1-5)1

|せせらぎにそえばあまたの蛍飛ぶ道案内の行灯のあり    藤枝市・文化協会短歌会(7-29)
|せせらぎにそえばあまたの蛍飛ぶ道案内の行灯のごと    チョイ直し



|せせらぎに数多のほたる魅惑飛ぶ 清くあらねば及ばずの夜


> 古里と言えばせせらぎで、せせらぎと言えば蛍よ
> 今年も又、数多(あまた)の蛍が魅惑に飛びよる
> 斯様な夜を迎えるにはな、それこそ清き深きが肝心よ
> でなければ、誰が好き好んで、片田舎で暮らそうなんて思うよ
> ‥客寄せとばかりに開発に競っていた時代もあったが、真逆よの
> そんなんでは、濁るばかりで都会と同じよ
> 清き深きこそが、田舎たる価値よ




久々の梅雨の晴れ間の鳧の声姿見えねど近くに聞こゆ    藤枝市・文化協会短歌会(7-29)


 


|どこからや梅雨の晴れ間に鳧の声 近くのはずに姿の見えね


 *鳧(けり)

> 梅雨の晴れ間に田んぼの様子を見に来て、鳧の声を聞いた
> 辺りを見回してみたが、その姿が見当たらない
> (不思議なこともあるものだな)



1-5)2

|鳴き竜に一拍献じ堂涼し         SBS学苑パルシェ教室俳句(8-1)


 


|鳴き竜に一拍献じ堂涼し 引き締まるこだまに背筋ピン


> 気が向くままに、鳴き龍に一拍献じてみた
> かすかに聞こえてくる反響の見事に、昔の職人の心意気が偲ばれる
> 現代に生き来ても、これほどの粋に出会うことはなかなかに厳しい
> ‥身の引き締まる思いだ‥




|七夕の空碧くして三保の松        SBS学苑パルシェ教室俳句(8-1)

|七夕の空碧くして三保の松 松葉よ風に昇り龍たれ


> 七夕と言えば夜と言うことのようだが、三保の松と言ったら昼さね
> 松葉が風に飛ばされて天に昇ろうなら、空に碧(あお)くが三保の松の七夕という次第だろう
> 天女伝説の発祥の地としては、どうにか盛り上げたいところだなぁ



1-5)3

|白南風や波の打ち寄す白灯台       SBS学苑パルシェ教室俳句(8-1)

岬立つ来たれ白南風海越えて 夏本番の波を待つ俺


 *白南風(しらはえ)

> 俺はサーファーだ
> 梅雨の明ける度に岬に立つのが、夏の恒例になった
> さぁ、来いや白南風よ、お前を流れ見る度に夏本番への期待が高まる
> 今年の夏の波乗りが待ち遠しい




まだみるき茄子や胡瓜や朝の籠      SBS学苑パルシェ教室俳句(8-1)

|まだ見るかトマト胡瓜の朝採れを ごはんまでを待てなさそうに


> 朝採りしてきたトマトやら胡瓜の籠の前で、吾が子が微動だにしないでしげしげと眺めている
> このまま余所見でもしようなら、そのまま頬ばられかねない空気すら漂う
> ‥この子が、こんなにも野菜に興味を見せたことがあっただろうか‥



1-5)4

風の来て着物とあそぶ土用干       SBS学苑パルシェ教室俳句(8-1)

|なで遊べ衣干す風 土用干し 涼しき風やこころゆくまで


> 衣類の土用干しを始めたところ
> 具合の良い風が吹いてきた
> 風に揺れる衣類が、なで遊ばれているようで、風もお役に立ちながら遊びたいみたいだなぁ
> (まぁ、こちらとしては涼めるし助かる)




|南国の海辺の音の貝風鈴         SBS学苑パルシェ教室俳句(8-1)

|南国の潮騒耳こゆ貝風鈴 物足りなくば沖縄に飛べ


> 見栄えにほだされて、買っておいた貝風鈴をつり下げてみたところ
> 風次第と言うことに、かなりの動揺を覚えた
> 風のよく吹く土地になければ、普通の風鈴で十分と言うことの様だ‥(残念)
> ‥こんなだから‥
> 「思う存分に南国を味わいたければ、沖縄に来い」と言われている気がしたよ



1-5)5

炎天に黙して達磨大師めく        SBS学苑パルシェ教室俳句(8-1)

炎上に黙してみても鎮火せず ボケる自由にツッコむ自由


> 昔は、如何なる恥も
> 達磨の如く耐えて過ごしていれば、その内多少はマシになるなんて読みもあっただろうけど‥
> ネット時代の炎上は、そんな生ぬるいものではない
> ボケる自由に、ツッコむ自由の阿吽の如しよ‥
> 今や、炎上してしまったからには
> 其を漫才の如くボケ役に徹して、シメ遂げなければ収まりが付かないのだ


 (有り様をうかがう方としても、ボケの難しさを痛感させられるよ)




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 20:08 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする
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