2017年09月14日

【勝手句帳】144 29-9-8/9-9/9-12 静岡新聞掲載分から

↓7)向宜詠吟.2017/09/14

|木の虚に吸い込まれゆく時雨      焼津市・豊田句会(9-8)

|地下茎に吸い込まれゆく今朝の梅雨 膨らむ四片青に赤に


 *虚(うろ)、四片(よひら)

> ‥梅雨か‥梅雨と言えばアジサイだな
> 雨が降るたびに地下茎から吸い込んで、青に赤に花が膨らみ出すのは
> 雨への感謝の気持ちの表れなのだろう
> (人の雨との暮らし向きも、そのぐらい容易かったらいいのに)


|樹の虚に吸い込まれゆく梅雨の明け 鳴きだすぞ盛夏語らむ


> 樹齢を経れば、洞(うろ)の一つぐらい抱えているものだが
> 梅雨の明けという奴は、そんな老樹らに吸い込まれて果てた感がしないでもない
> その勢いで以て、夏を乗り切ろうと緑に勢いが付くのだ
> ‥梅雨の明けと同時に鳴き出す蝉の声は、まさに樹々の夏を謳歌せり代弁たる盛夏宣言だなぁ



1-7)1

|改札に紺のあさがほ無人駅        沼津市・潮音波光句会(9-9)

|改札にあさがほ駅長無人駅 猫に劣らぬ夏のほほゑみ


> さほど田舎でもないが、無人駅は無人駅である
> ‥そうではあるが、改札に朝顔が添えられていると
> 何気なく、斯様な鬱積感から解放されるものだな
> 猫のように年中とは行かないまでも、朝顔なら、夏の涼としては十分な駅長ぶりだよね




|土用入鰻の煙り客の列          藤枝市・時ヶ谷明句会(9-8)

|土用だな煙る蒲焼き客の列 絶えてしまえば鰻ぞ遠し


 *煙る(けぶる)

> 「今日は土用か」‥蒲焼きの煙る匂いが立ち込めている
> それにしても随分と列んでいるな‥ここはそんなにも評判なのか?‥
> 完売してしまえば、この行列が消えて、店の味が手に入らなくなるように
> 鰻そのものが絶えてしまえば、益々以て、口にできなくなりかねないのに
> よくもまぁ、食欲の方が勝るものだな


 ‥といっても土用にしか口にしない人もいるわけで
 ‥土用にケチをつけても意味が無いなぁ
 ‥でも、その土用パワーが、鰻を絶滅危惧種に追いやった‥とも言えるし‥(やはり複雑だな)



1-7)2

|黒揚羽光を放ち垣越ゆる         富士市・富士かりがね句会(9-8)

|黒揚羽 影濃き午後の垣越ゆる 夏の色気ぞ八方日和


 *揚羽蝶(アゲハチョウ)

> 「‥おや」あのカップル暗がりに入ったぞ(しかも女の方はなかなかの・・・)
> これはもう‥冷やかし程度に覗いてみるしかねぇよな‥
> 夏の色気ってのは、どうしてこうも八方日和なんかね?
> (おおぅ、予想通りや‥くぅう‥俺も青姦でやれる相手が欲しいっすよ)




|神木の闇につつまれ虫すだく       静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句ひろば」(9-9)

|神木に集く夕闇虫の声 語らう宵に諸々の秋


 *集く(すだく)

> 木々も立派に成ると、その下には茂みが広がっているものだ
> (人とて変わらぬ、神なら尚更よ)
> 夕闇も濃くなれば、その茂みには、益々虫が集まってくる
> もう秋か‥虫が鳴き始めたのか、好い音色だ‥
> 少しばかり涼しくなっただけでも、こうも語らうことが増えるのだな
> 人それぞれの秋もまた訪れる‥よろこびもあれば、愚痴もあろう
> まさに虫の声よのう、その相手ともなると、誰だろうと一入(ひとしお)じゃて



1-7)3

|海向かうバスは空席秋隣         静岡市・はいくぴあエイト(9-12)

|海向かうバスは空席秋隣 置き土産にはちと寂しけれ


> ‥夏シーズンももう終わりか
> 気がつけば、海に向かうバスには空席がガッツリだ
> これが秋隣ということか‥なるほど‥
> それにしては、ちと寂しい置き土産よのぅ




|初秋の浜に転がる異国の瓶        静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句ひろば」(9-9)

|初秋の浜に転がる異国の瓶 拾う気持ちぞ説教づら


> ‥どれ、人混みの引いた初秋の浜でも散歩とするか
> おや、見慣れぬ空き瓶が転がっておるのう
> これは異国の製品のようだな、誰かが持ち込んでポイ捨てしたか
> ポイ捨てされたものが、おらが浜にまで流れ着いたかだな
> ‥実にけしからん、斯様にも海を穢すとは、呆れるばかりよ
> ‥しかしまぁ、それもこの世の形よ
> ‥甘い顔もあれば、怪訝な顔もあると言うことよの
> 厳しすぎても、逆に、甘い顔ばかりの輩も増え出すと‥
> (この辺の塩梅が実に難しい)
> ‥して、おらは今、どっちの顔かな?‥
> 拾わずにスルーをしては、甘い顔と同じよ、ならば拾わずば成るまい
> 己に恥じぬように生きるのだ‥今はそういう顔をしている‥自分に嘘は付けまい



1-7)4

|新涼や富士を望める観覧車        富士市・富士かりがね句会(9-8)

|清き丘まわる新涼 観覧車 沿線からの夢かつて


> 沿線から見えた観覧車には、そりゃ夢を抱いたものさ
> 秋になると、やはりというか見映えが増すんだよ
> もちろん観覧車からの眺めだよ
> 夕暮れ時に眺めると、これまたなぜかしみじみとするんだよね
> (‥ああ、向ヶ丘遊園でのあの頃が懐かしい)




|シャーガール展出て緑陰の顔となる    袋井市・高南句会(9-9)

|‥ああ夢か‥未だ緑陰シャガール展 足ぞ浮き立つ月の夜


> 都心に近いところでの暮らしともなると
> 無駄に目にすることになるのがシャガール展だな
> 無料だしするから、ついつい足を伸ばして見るんだけど
> なんか不思議な世界なんだよね、インパクトだけはある
> 思い浮かべるだけでも、青、碧、月、恋人だな‥
> ‥そして、風に吹かれるままに夜を彷徨うのだ‥
> 日の当たるところに出ると、それが如何に幻想だったかを思い知るのさ



1-7)5

|山宿や霧濃き中に灯の点る        焼津市・豊田句会(9-8)

|そろそろと霧濃き距離に小屋灯り 疲れた足にあと一息と


> 霧の中を歩いてきた。周りが見えないと山道はさらにしんどさを増すのだな
> そろそろと思っていると、どうにか小屋灯りが見え始めた
> この霧での灯りだからな、もうすぐそこだ‥(やれやれだ)




|山小屋の静寂仰ぐ天の川        静岡市・木蘭吟社(9-8)

|一転やもたらす明かり天の川 更けに目が覚め静寂を呑む


> あんなにも霧がかっていたのに、夜更けに目が覚めると天の川が覗いていた
> これはすごいインパクトだ、諦めていただけに感激だッ



1-7)6

|甲板を磨き上ぐれば天高し        富士市・富士かりがね句会(9-8)

|甲板をすっかり磨き天高し 日々奮闘し息つく合間


 *甲板(かんぱん、デッキ)

> 甲板を磨き上げてみる秋の空は実に清々しい
> これが、日々奮闘に忙しないささやかな息抜きの時間ということか
> (‥奮闘せずにいると、ここまで清々しく感じ入らないところが、どうにももどかしいけどね)



1-7)7

|挑戦に終わりはあらず天高し       富士市・富士かりがね句会(9-8)

|挑戦は失敗続き秋の夢 脱却できぬ資本主義


> ‥挑戦に終わりは無い、なぜなら大半の多くが失敗続きだからだ
> 秋の実りのような成功を味わうなんて、まだまだ先さね
> そもそもにして、多くの失敗の要因は、資本主義の欠陥にある
> 急かされてばかりで成功できることなんて、万に一つも無い
> 成功していることとしたら、そりゃ、吸い上げることぐらいだろうよ
> 吸い上げる側としては、手仕舞いできないって話さ‥(実に馬鹿げている)




円高の為替レートや盆休み        静岡市・はいくぴあエイト(9-12)

|ミサイルの円高相場や盆休み 日米共にリスク有りでも‥


> ‥北朝鮮のミサイル性能が段違いに上がって
> 日米共にリスクを抱える段階に至った
> なのに、為替市場の回答としては、アメリカに分が悪いらしい
> つまり、攻撃対象が始めからアメリカだったと言うことになる
> 「じゃ何?」‥今時の日本の防衛装備って、すべからくアメリカ様御用達だったわけか‥
> それで、ミサイルを打ち落とせるように改憲を進めて、アメリカ様の号令があれば即従うと‥
> 始めからミサイルの敵対射程がアメリカだったのに、心配性もこじつけだったらしい‥
> (‥同盟責任とか言ってもねぇ、自ら打ち落とせない大国と同盟してたのか?と思うばかりだな)


 ‥アメリカが守ってくれるなんて万に一つも無いと
 ‥防衛兵器の販売先としての秘守義務を負っただけの同盟だったと
 ‥そしてそれが役に立たないほどの投資が、敵対国に向けられていたと(両建て)
 ‥益々以て、日本国民に兵器を買わせる為に




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 17:59 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする
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