2017年09月21日

【勝手句帳】145 29-9-15/9-16/9-19 静岡新聞掲載分から

↓10)向宜詠吟.2017/09/21

鉄骨の無言のことば広島忌         長泉町・ながいずみ俳句会(9-16)

|あの鉄骨は二十四時間ヒロシマ忌 核廃絶の祈りと共に


> 原爆ドームの剥き出しの鉄骨は、そのままに24時間、核廃絶への象徴だ
> それにしても、祈りとしての効果はあるのだろうか?
> 否否、無かったらを思うと‥それこそ私たちの核への意識は宙ぶらりんだろう
> 何しろ今はもう、与党(自民党)からして、核の傘に積極的だからな
> ‥実に、迷走している‥
> 迷走に釘を刺す上でも、象徴を据えおくことは、先人の知恵‥もとい「祈り」なのだろうよ




|蜩や寺の裏道欲しいまま          長泉町・ながいずみ俳句会(9-16)

|蜩や寺の裏道欲しいまま 涅槃寂静かなでいる


*蜩(ひぐらし)、涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)

> 僧がどんなに修行を積もうと仏陀に並ぶには、あと二万年、否、勘定できる程には無理があろう
> 毎日のように祈っていようと、まぁそんなもんさ
> ‥ところがどうだ‥
> 寺の裏道で欲しいままに鳴いているだけの蜩を見てみろよ
> そのままに、涅槃寂静を奏でているではないか!!!
> 祈るにせよ、学ぶにせよ、斯様にありたいものだなぁ



1-10)1

八重葎荒ぶる風の通りゆく         三島市・東大場土筆句会(9-16)

|八重葎 過去と未来を掘るユンボ 整地ぞ迫るひと掻きの仕打ち


 *八重葎(やえむぐら)‥@草の固有名詞を指す場合。A象徴的に繁った様を指す場合‥(夏)

> ‥雑草と言えども命だ
> しかし、造成やら整地とも成ると、瞬く間にユンボでひと掻きだ
> まさに雑草は、雑草の扱いのままに置かれる
> それでも私たちは、そんな振る舞いにも、未来が在ると信じて、過去を追い出して掘り返すのだ
> でも、本当のところは、追い出された過去の軋轢を掘り返すばっかりさ
> どうにも人の為そうとする土地活用なんて、すべからく八重葎の扱いだからね



1-10)2

|若竹のみどりさみどりあをみどり潮トンネルさはやかにくぐる    藤枝市・合歓短歌会(9-15)

|暁にみどりさみどりあをみどり さやかをくぐれ明なずむ嶺


 *明か・清か(さやか)‥@はっきりしているさま。あきらか。
 *明なずむ(あかなずむ)‥暮れなずむの転用で‥
  明けそうでなかなか明けない(?)好い塩梅の朝の仄かな暗がり


> 暁より次第に辺りの緑の違いが分かり始める頃合いを狙って尾根道を行くのが好い
> そうすれば、次第に朝日が射してきて
> 一帯の山肌の明なずむ光景からの、明けの場面に出くわせるというものだ
> (朝の空気もうまいし‥それは、何度味わってみても清々しい光景だよ)




宿題の机はみ出す夏休み          牧之原市・静岡白魚火会(9-16)

|絵日記が机押し出す夏休み 宿題あとに嵌まるトラップ


> ‥宿題に絵日記があると言うことは、外に出て元気よく遊べって意味だが
> 結果的に他の宿題の方が、机から押し出される内訳になっている‥
> まったく以て、根性の曲がった教育のお手本のような無理な注文ばっかりさ


 ‥それで、今度は夏休みを削りましょうって流れだってんだから
 ‥今の時代に産まれなくって、ほんと好かったぜ



1-10)3

|炎昼の背に張り付く野良着かな       牧之原市・静岡白魚火会(9-16)

|炎昼の背に張り付く野良着かな ひたすら草抜くこだわればこそ


> それにしても暑いのう、さすがにぶっ倒れそうなぐらいじゃ
> 農作業用にも空調服が欲しいのう
> しかしまぁ、虫やら蚊やら、吸い込むようだと厳しいのう
> 田んぼの草抜きさね、上質の味を目指すのに必要なんだよ
> 「頼むよおい」田んぼの草抜き用にも空調服よろしく頼むわ




白昼をうなだれ眠る合歓の花風鈴の音はまどろみのなか       静岡市・しおん短歌会(9-15)

|白昼にうなだれ眠る疲労感 風鈴耳こゆまどろみのなか


合歓(ねむ)

> せっかくの良い天気の休日だというのに、俺は今、猛烈に睡魔に襲われている
> 近所からきこえてくる風鈴の音が、まるで子守唄だ
> (やばい、この誘惑が実に心地よすぎる)



1-10)4

盆供養バイク僧衣をひるがへし       長泉町・ながいずみ俳句会(9-16)

|盆供養ブレーキ音を翻し そそくさ僧衣にヘルメット風


 *ヘルメット風(へるめっとふう > へるめっとかぜ)

> 今時の盆供養は、坊さんでも「スイ〜」って、バイクでやって来るからな
> 坊主としての風情が無いというか、社会適応が進んでいるというか‥複雑だよね‥
> まぁそもそもは、昔の盆供養とは風合いが違っていると言うことなのだろう
> ‥昔は、村社会だったし、顔ぶれも知れてたし、寺社に皆が集まって、一括だったはず‥
> それが今や、稼がないとならない事情から、有料出張サービスと言うことになっている
> 檀家としては、それが何気にステータスに思えていたわけだが、次第にどうでも良くなりはじめた
> ‥だって、墓を用意するところからして、べらぼうに経費が掛かるんだぜ(それどころじゃないし)




電線に溢れる程のつばくらめいづくにいったか少子化なるか     藤枝市・合歓短歌会(9-15)

|電線に溢れる程のつばくらめ 昭和の影ぞどこさ行っただ‥


> まぁ昭和も戦前の話と言うことなんだろうけど
> その頃の燕の数は、そりゃもの凄かったらしい
> 電線に溢れる程だったってさ、「へ〜」
> (それだけ、餌となる虫の数も、田畑の光景も倍々だったって事だよね)



1-10)5

|ゆうぐれの浜辺に子らと聴きおり風にながるる砂のひびきを    静岡市・しおん短歌会(9-15)

|秋夕濃き 浜辺に子らと聴きなずむ 流るる砂は夏の足跡


> 海シーズンの夏が去り、人気の薄れた秋の浜辺を、近所がてら子らと散歩さ
> 初秋の夕日に寄せくるさざ波が、実に心地よい
> ふと見れば、駆けまわる子らの足跡が波に流されている
> まるで、過ぎ去った夏の賑わいを海が惜しんでいるかのようだなぁ




|時化にのりアサギマダラよ舞ひて来よ夢見て庭に藤ばかまを植ゆ   藤枝市・合歓短歌会(9-15)

|「藤袴、アサギマダラを呼びよせよ」庭に植えたるけふよりの夢


> アサギマダラに遇いたくなって、思いついたのがフジバカマを庭に植えることだった
> 早速植えましたよ
> ‥ここまでしたからには、是が非にでもアサギマダラに訪れて貰いたいなぁ‥



1-10)6

|鳴きそろう甘ゆるごとくからす六羽夕空高く「へ」の字に翔ける   三島市・銀杏樹の会(9-15)

|鳴き交わし初秋越ゆるカラスかな 夕空高く夕闇迫る


> 「う〜む」初秋の夕暮れにカラスかぁ、日本の風景の一つだな
> ポイントは、カラスが夕空のどこを飛んでいるかだよ
> 暮れる塩梅もポイントだな
> (思えば、朝は修羅に見えても、夕には観音なんだなぁ)




|カツレツのキャベツ山盛り涼新た      掛川市・鴟尾の会(9-19)

|カツレツのキャベツ山盛り涼新た シャキッと戻る食欲


> なぜかカツレツのキャベツに食欲がそそられている
> 秋になったと言うことだな
> ‥こんな時‥
> 「カツレツにも食い放題を!」と‥期待するのは、私ばかりでは無いと思う



1-10)7

|老いと辞書言葉の海を泳ぎけり       三島市・東大場土筆句会(9-16)

|秋深し言葉の海を游ぎ行く もみじの深山うつくしの葉々


 *游ぐ(およぐ)、深山(みやま)

> 秋も深まると、言葉の海につかりたくなるものだな
> ‥ということで、早速来ちゃいましたよ‥「もみじの深山」
> やはり、秋に言葉の海と言ったら‥どれだけの美しき風情にひたれるかでせう
> (ああ、まったく以て、その葉の一枚一枚までもが、愛おしい)




踞みても立ちても空と花野かな       掛川市・鴟尾の会(9-19)

|しゃがみても立ちても空と花野かな 乙女心ぞ斯くありたし


 *踞る(うずくまる)、踞む(しゃがむ?、かがむ?)

> しゃがもうと立ち歩こうと、見渡す限りの秋空と花野
> 乙女心ってのは、こうありたいものだよね


 ‥それって、つまりどういうことだ??
 ‥いつも元気爛漫&さわやか&にっこり
 ‥ほうほう‥はっきり言って
 リスクを避けた生き方にハマりちだな
 だからと言って、当たってくだけろは、乙女のイメージとは違うんだよな
 でも、死に場所を決めている保守感は、武士道とあまり差が無いかなと‥


 (男も女もオヤジも乙女も、さして変わらねぇ)
 (質を決めるのはやはり、潔いかどうか、公平かどうかだな)


 ‥春は誰にでも訪れて(公平‥機会、チャンス)
 ‥秋は清々しきと(潔さ‥結果に対して腹を括れと)多くを得ても分け与え、少なくても腐らない

 (ということで、斯くありたしと言うことかな)



1-10)8

|絶唱の樹下に事切れ蝉むくろ        焼津市・矢車俳句会(9-19)

|ローソク棒バブル事切れ蝉むくろ ビットコインぞ紆余曲折


> チャートの右肩上がりの崩壊の様は、まさに蝉の骸だな
> コツコツと土の中で命をつないできた命の輝きが
> 一気に、カクって木から落ちて果てる感じが、まさに、くりそつだよ

> で、最近のトレンドがビットコインらしいけど

> 考えて見れば、手数料が無料で一切掛からないからね
> 小口での小出し勝負に持って来いって事なんだろう
> (わざわざ‥丸まる1ビットコインから始める必要なんてにゃー)
> (それだけに、私利私欲にまみれた想定外の動きも絡むと言うことだな)


 ‥ユーザーが増えた分だけ長期戦に見え(錯覚)
 ‥でも実際は、誰かが出し入れしたときがタイミングの短期集中型の利益確定の動きをくり返す
 ‥手数料タダの賭場だから、ほっときゃ復活を見せるのが魅力だが
 ‥権力介入やらハッキングやらで、あっけなく即死する死臭感が最大のリスク

 (空売りもできちゃうってんだから、そこん所のマイニングが猛烈に怪しすぎる)
 (持ってないのに動かせるのは、ビットコインの精神に相応しいとは思えない)
 (マイニングの特権性が薄れるってもんだろう)


 ‥持ち合わせの無い輩に、レバレッジ付きで、ビットコインを貸しだして
 それをマイニングしてやっては、マイニングする側が格下に回ったって事だから
 そこを理解できずに、マイニングで稼げれば、何でもありってのは、どうにも馬鹿だよね

 (どう考えたって、空売りの方が、稼ぐ意味での効率が高いからな)
 (マイニングで頑張る意味無いっしょ、空売り専の隷属も同然だな)
 (‥ちがーう、マイニングでしこたま確保した側の苦肉の最終商売)


> ‥行き着くところは、結局どこも同じ‥


 手持ちを手放す気なんてそもそも無いから、貸し付けて売らせる
 すると、貸し付けた分だけ下がるのが予想できるから
 それをテコの原理で利用して、相場を荒らす

 ‥売り手が減った(借り手で膨れあがった)時点が折り返しポイント

 だって、ビットコイン程、市場規模のキッチリした枠組みもねぇし‥
 つまり、しこたまコイン確保した奴が、自分で空売り仕掛けて買い戻す劇場(支配の完成形)

 ‥それが解っちゃっているから、パチンコのように出店が並び始めたという事でーす


> あとはもう、資本力の絡んだ出来レースでーす
> 一列に並んで、世情に合わせて、もっともらしいタイミングの無個性化の流れに嵌まりまーす


 (ものの十年で、支配乗っ取りの完成を見たということか?!)
 (そりゃ、パチンコ業界に投資資金回らんでしょう‥縮小の流れに入ったと言うことです)




波けたて一番舟は白子漁          牧之原市・静岡白魚火会(9-16)

|波蹴立てをとこの漁はクロマグロ 大間で生きる大間でわらう


> 漁師としては、波を蹴立てて船を奔らせる自分の姿を思い描いてこそだな
> 勿論、大物狙いだ‥男ならクロマグロ釣りはロマンよ‥
> ということで、大間で生きることを選んだ
> 大間でわらうも、大物を釣り上げてこそよ
> 「何度でも、わらってやるぞ!」



1-10)9

|鳴き交す河鹿のはたと止むしじま      牧之原市・静岡白魚火会(9-16)

|鳴き交す河鹿のはたと止むしじま Jアラートの警報音


 *河鹿(かじか、カジカガエル)

> 庶民が日常のおしゃべりをしている最中に、皆の口がはたと止まった
> Jアラートの警報音が鳴り出したのだ‥


 ‥それにしても、ちゃんと機能するんですね
 それも、権力の都合の良いように!
 (なんでも、自民が、再び選挙戦で勝つ為のミサイル劇場でもあると言うことらしいですから)




|鳴かぬ蝉交へて杜の蝉時雨         焼津市・矢車俳句会(9-19)

|鳴かぬ蝉いざ戦場へ蝉時雨 辞表を出すか命落とすか


 *戦場(いくさば)

> 自衛隊の中ではどうなってるんだろうね?
> 隊員感情の情報封鎖までする必要は無いんじゃないのかな?
> そこの所の本音トークが出来なかったら、それこそ戦争への道だからな
> (本音トーク出来てこその民主主義、日本の侍文化でもある)
> 丸っきり鳴かないで居ては、一気に蝉時雨に放り込まれることにも成りかねない‥
> 個人の権利の防衛うんぬんでできることと云ったら、辞表を出すぐらいだからなぁ
> ‥まぁ、自衛官に収まってるんなら、戦場で命を落とすのも覚悟してるんだろうけど



1-10)10

|流星の滑り落ちゆく山の闇         焼津市・矢車俳句会(9-19)

|流星の滑り落ちきて竜ヶ森「君にあげよう私の命」


> 諸君らはウルトラマン第1話を知っているかね?
> 竜ヶ森上空、ハヤタ隊員乗るビートルに衝突したのが、初代ウルトラマンだった


 ‥おかしいとは思わんかね?
 ‥ウルトラマンならあの程度よけられたはずだと


> しかも、ベムラーを宇宙の墓場に移送中だったのを逃げ出されたと言い訳している
> 宇宙の墓場ってどこだよ?、もしかして地球かよ?
> じゃ、始めから、地球でプロレスごっこがしたかったって事だよね
> エネルギーの問題もあるし、居候するにも、依り代が欲しかったんだろうね


 「私の命を君にあげよう」なんて如何にも正義のヒーローの口ぶりだけど


> ‥自分の命でさえ、えらい安い命の扱いだよ初代ウルトラマンって‥
> しかも第二話では、難民バルタン星人のUFOを20億も眠って乗ってるのに
> 何の躊躇も無く、空の藻屑にしたんだぜ
> どこに正義の味方の顔があるんだよ、思い込みも甚だしい(最悪だ、がっかりだ)


 ‥宇宙のパトロールらしい立場にあるなら
 ちゃんと宇宙の手頃な場所まで導いて面倒見ろよ、少なくとも、地球圏で爆破させんな!


 ‥それにしても、ハヤタ隊員は大物だな
 初っ端から、ビートル1台、S16号1台をお釈迦にしちまったんだからな
 「ボクは不死身ですよなんて」自慢してる場合じゃねぇだろう

 成果主義の世界なら、クビ候補ナンバーワンだよん
 えらい呑気な演出だなって思っちまいました

 ‥そこをツッコむこと無く、生還ぶりを温かく迎える上司が、実に好い!
 (でも、撮影中にタバコばかり吸ってんじゃねぇよ、だから早くに逝っちまったんだな)
 (誰がどう見ても、日本一‥撮影中にタバコを吸った役者‥小林昭二‥なんて不名誉)




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 22:31 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする
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