2017年10月16日

【AVC】シーンカット閾値(いきち)の怪

↓1)改稿.2017/10/16...20171016...

> シーンカット閾値(いきち)とは、Iフレームをどこで入れるかの識別度合いの値です
> AVCの場合、デフォルトは(40)です


 ‥さて、このシーンカット閾値(40)の振る舞いが
 「参照距離」×「最大連続Bフレーム数」の値次第で変わるのをご存じでしょうか?

 参照距離が変わると、Iフレームの総数も変動します

 参照距離が伸びる程に
 Iフレームは数を減らし、代わりにPフレームが増加します
 (オープンGOPでは関係無いように思われます‥未確認)

 Pフレームが増加すると
 Bフレーム参照の遅延が減るのかなと‥不思議に思うところですが
 不思議と、動きの質が向上します


 ‥素人解釈の思い込みだと
 「参照距離が伸びるとBフレームの方が多くなるはずだ」

 実際、多くなるブロックもありますが、Pフレームもしっかり抽出するので
 アニメに思いがちな2コマ撮り3コマ撮りの図式でキッチリ算出されるわけでは無いようです


> 4フレームなら色味重視(Iフレーム数が多い)
> 5フレームなら色味と動きのバランス重視
> 6フレームを越えると画質が赤っぽく劣化を始める(アニメ3コマ撮り作品はさほど気にならない)


 ‥で
 どのぐらいの差が起こるのかというと
 風速8〜12mの風が、時折吹いた後の枝の揺れの残像が正しく再現されるかされないか
 という‥葉と葉の揺れの頂点をきちんと検出するかどうかです(実写)

 Bフレームに割り当てるビットレートが足りないと、正しく再現されません
 その点Pフレームに検知があって、ビットレートが十分だと正しくなります

 ‥この傾向は
 一枚ごとの画像比較では、どうにも識別できないので、動画にて確認するしかありません


> さらに、言うと‥動き探査範囲の値が低いと、シーンの細部検知と画質に劣化影響するようです
> レート制御先行探査フレーム数の考慮も欠かせません


 ‥まぁざっくり、秒間24フレームの映像なら

 シーンカット閾値(40)に対して
 レート制御先行探査フレーム数(65)‥あまり長いと音声の再現性で処理遅延が出る感じかなと
 動き探査範囲(32)‥Uneven Multi-Hexagon、11(Full RD)

 参照距離(5)
 最大連続Bフレーム数(4)
 適応的Bフレーム挿入:完全‥が限度一杯といったところでしょうか



1-1)1

> *記事を書いた後で思いついたテクニック


 ‥ちなみに
 参照距離(6)
 最大連続Bフレーム数(5)
 で、エンコードすると、今度は、さらにIフレームが減り、Pフレームも減る
 ここに来てようやくBフレーム重視になる感覚だが、シーン変更の検知の底にも程度はあるだろう

 ‥でもまぁ、Iフレームも減り、Pフレームも減っては、画質劣化の影響は免れないので


 参照距離(6)
 最大連続Bフレーム数(4)でのエンコードをやってみた‥

 (ずらしてエンコしてみるのも有りかなと)


 ‥最大連続Bフレーム数が同じにあるので、予想通り
 参照距離(5)
 最大連続Bフレーム数(4)のパターンと同様になり、それぞれのフレーム総数に変化は無かった

 ‥ただ、不可解にも
 Pフレームのビットレートが232kバイト分、IフレームとBフレームに回されたのだが
 増えた分の総量が240kバイトと多めで、且つ、ファイル自体の容量が1975バイト減った

 ‥どうにも、数字の辻褄が合わない(バグだな)‥

 動きの再現性としては、参照距離(6)の方がより正確らしい
 最大連続Bフレーム数(4)のままなので
 5フレーム間隔で記録されると思いきや、6フレームだった


 ‥色味については、さっぱり違いがわからない(気のせいぐらいの感覚)
 動きについても、気になっていた枝ぶり以外にも
 ビットレートの取捨選択の見映えが、まばらに起きているかもわからない

 (対象サンプル:ウルトラマン第1話)


> メリットととしては
> 意外にも、最後まで頑固に残っていたブロッキングの印象が随分とやわらいだ


 ‥参照とするデータが増えたからだと思われる
 (その分のエンコード時間が六分程度増えた)

 ‥まぁ、細かいところの微差うんぬんより
 まずはブロッキングの印象がやわらぐなら、テクニックとしての甲斐ありと
posted by 木田舎滝ゆる里 at 23:11 | Comment(0) | エンコードが始まらない | 更新情報をチェックする
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