2017年10月27日

【勝手句帳】155 29-10-20/10-21/10-24 其の1静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/10/27

|花火果て覆ふ静寂と漆黒と         静岡市・葵句会(10-21)

|花火果て静と闇とが覆ひ降る なんとぬるま湯帰る人混み


> ‥花火大会が終わったぞ
> この終わったという余韻に浸りたいところだが
> どうにもそんな空気にほど遠いのが、毎度の帰宅者で群がる混雑だ(余韻も糞もねぇ)
> 空く頃を待とうなら終電だ‥するとゴミの山が見えだして、益々‥余韻も糞もねぇ




風キラキラと立っている山の朝       島田市・主流社句会(10-20)

|湧きにける風キラキラとけさの湖畔 スキップ誘ふけふの青空


> うふふ♪、夏のバカンスに湖の畔でキャンプでーす
> キラキラした湖面と気持ちいい風
> 朝から抜群のお天気に「スキップ、スキップ、ランランラン」ですわ♪



1-6)1

|暮れ初めて蜩の声揃ひける         裾野市・寿大学俳句教室(10-20)

|蜩の満つる夕暮れ見晴らして 日々万感やおらが里山


> おらんところの畑は山の斜面にある
> 若い頃は稼ぐのに不利と言うことで、継ぐのも嫌々だったが
> 齢を重ねてみるとどうよ、日々里山の景色が拝めるバッチグーのポジションだべ
> 中でも、夏の蜩(ひぐらし)の夕暮れは最高よ
> 「おらが里山最高ッ!!」




|灯を消してよりこほろぎ声透る      沼津市・潮音波光句会(10-21)

|灯を消してよりこほろぎの声透る ここに宇宙ぞなんと近すぎ


 *透る(とおる)

> さて、寝るべ
> おや、こおろぎが鳴き出しよったで(なんという乙なタイミングよ)
> 「う〜ん」‥こんなにも宇宙が近かったとはな(好い夢見られそうじゃて‥)



1-6)2

|ベランダに角曲がるまで見送りぬ      沼津市・潮音みどり句会(10-24)

|ベランダの洗濯影から見送りぬ どの子も青春日曜日


> ベランダで洗濯物を干していると、次男が部活に出かけて行った
> 続いて長男がバイトに出かけて行った
> ‥どの子も青春真っ盛りだね‥(日曜日があるって青春だよねぇ)




|連山に日の沈みゆく夏野かな        裾野市・寿大学俳句教室(10-20)

|連山に日の沈みゆく蕎麦の花 刈り入れまでの無事を祈らむ


> ‥蕎麦の花が咲き誇っている
> 夕暮れになるとますますふるさと感が倍増だ
> そんな景観の背後にそびえる連山を見ていると
> ついつい刈り入れまでの無事をお願いしちゃうんだよね(夕暮れ時の連山って不思議!)



1-6)3

|山小屋の白露を踏みて御来光        静岡市・わらしな渓流句会(10-20)

|山小屋の白露を踏みて御来光 ここでの夢は光とのハグ


> 山小屋に来ての朝と言ったら、なんたって御来光だよ
> ここまで何しに来たかって‥それこそが光とのハグだよ
> 白露が光るちょい寒の時節だろうと、御来光を拝まない登山なんて有り得んよ




|十六夜杖に従う老の影           静岡市・木蘭吟社(10-24)

|十六夜や杖を頼みに影一つ 米寿の今をしみじみと佇つ


 *佇つ(たつ)、十六夜(いざよい、じゅうろくや)、米寿(べいじゅ)‥88歳。

> ふほほ、今日でもう八十八かえ
> すっかり杖頼みだで、今夜の十六夜はことのほかええのう



1-6)4

|ゆき合いの眺めつつ一人立つ       静岡市・わらしな渓流句会(10-20)

|行き合いの秋空眺めひとりかな 出会いのなくて句作も空振り


> ‥とくに目的が有ったわけでも無く、思いつきの遠出をしてみたが
> やはりというか秋だからとて、そうそうおいしい出会いが待っていたなんてないわけで
> 句作のネタにもなりゃしなかったわ‥
> 秋空が恋人というのは、実につれない彼氏よ(あ、これネタに好いかも♪)




|こほろぎや長き旅路の駅ホーム       沼津市・潮音波光句会(10-21)

|こほろぎや遠路の駅のおもてなし 星月夜の叢のコーラス


 *星月夜(ほしづくよ:ここでは「ほしづくよる」)、叢(むら)

> ‥電車で、遠いところまでやって来た
> 秋だし、お約束のようにコオロギが鳴いている
> まぁ澄み切っていて夜空も綺麗で星月夜である
> ただでコンサートをやってくれちゃっている趣が、たまたまのおでかけなのに
> めちゃもてなされているみたいで気分が良い(コオロギ、ナイスジョブ!)



1-6)5

|待宵や湯呑み片手に窓の辺に        沼津市・潮音波光句会(10-21)

|待宵や湯呑み片手に窓辺へと 月が暗がりどうにも注げず


 *注ぐ(つぐ)
 *待宵(まつよい)‥十五夜の前の晩。
  十三夜(概ね仲秋の名月を指す)→待宵→十五夜(満月)→十六夜だそうです
  ‥基本的に秋頃の月を指すようです。
  ということで、俳句も通になると、「月」「満月」では秋の色合いが物足りないと思うらしい

  「はぁ☆★‥???」、めんどくせい‥2音の「月」でええやん!


> ‥思いつき半分で、窓辺で月見酒を始めようと思ったのだが
> あいにく月が雲に隠れてしまい、酒を注ぐに注げずの我慢大会になっちまいましたよ
> どうにも独りで飲もうだなんてのが気に入られなかったんでしょうかね‥
> (まぁ今宵は待宵だし、明日改めて誰かを誘っての盃での酒とするかな)




|酔ふほどに車座小さく夜の秋        静岡市・青葉句会(10-21)

|酔うほどに車座小さく秋夜酒 お前が注げば俺が注ぎけり


> ‥なんだよなんだよ、もう酔っ払っちまったのかい
> どいつもこいつも弱えなぁ、秋の夜長はこれからだよん
> ‥まぁまぁ、寝倒れちまった奴に吠えてもしゃあんめぇい、ほれ一杯行きなよ
> お、おう、車座が小さくなっちまっても、まだまだ飲むよ(ひうぃく)
> 「とっとと」、じゃ今度は俺が注ごう



1-6)6

|盆の入り稽古見詰める師範席        静岡市・葵句会(10-21)

|盆稽古目からビームや師範席 威厳飛び交う剣道場


> いやぁ‥今日の師範はいつになくキビッとしていらっしゃる
> 目を合わせるだけで、背筋をシャキッとせざるを得ないよ
> 「今年の盆って、なにかあったっけ?」




|師の席に師のゐて円か星月夜        静岡市・葵句会(10-21)

|師の席に師のゐて円か流れ星 かつての日々ぞ今や遠けき


 *円か(まどか)

> ‥思えばあの日が顔を合わせた最後だったっけ
> 師の席が空いたままというのは、実にもの淋しい限りだよ
> ああ、一喝されてた頃が懐かしい




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 21:14 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする
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