2017年10月28日

【勝手句帳】156 29-10-20/10-21/10-24 其の2静岡新聞掲載分から

↓7)向宜詠吟.2017/10/28

|蝉しぐれ今日が始まる半       焼津市・浜風句会(10-24)

|鬼しぐれ妻が別人未だ十七時 残業悪の帰足が重い

 *十七時(五時・ごじ)、帰足(きそく)
  鬼時雨(おにしぐれ)‥主に、女房がガミガミくどくど‥まくしたてる様。


> ‥ああ、もう終業か(家に帰りたくない)
> さて、今日はどこで時間を潰そうかなぁ(たいへん何だよなこの残業無き時代の時間消化って)
> 残業カットの流れと、空いた時間での育児要請が却って妻を鬼時雨にしてくれてるし
> お陰で、恋愛感情しおしおよ‥

 (はぁ、世の中ってほんと旦那をダメに演出してくれるよな)

> そんなに家事のあれこれに完璧さを注文付けるならさぁ
> 始めからオメエ一人で苦労しろっての‥男手をなんだと思ってる
> (お前だって始めは、ずぶの素人だったんだろうがッ)
> 猫の手以上人間以下に扱うなよ(今は企業に対してだってそういうのをブラックって言う時代だぞ)



1-7)1

|梅筵あちこち妻のよく動き        焼津市・浜風句会(10-24)

|梅筵あちこち妻のよく動き 育パパすれど‥妻鬼しぐれ‥


 *梅筵(うめむしろ)‥梅干し漬けの準備作業の日干しの様子。

> ‥うちの妻ってほんとまめったいんです
> でもね、なにかと手伝うと鬼軍曹ですわ
> 子育て・家事のことになるともう凄い剣幕で、だったら全部オメエでやれっての
> 昭和のオヤジがどうして、家庭でああだったかという空気読んでの回答ですよね
> 自分の城を明け渡す気が無いなら、始めから欧米化気取りで援軍頼むなよっ!


 ‥そのくせ
 「お願いします」の言葉を使えないのがパターンなんだぜ
 (‥まぁ、男にしても、そこは似たようなもんだけどな)

 でも

 昭和のオヤジたちは、そこを家電という味付けで、妻の手間を減らしては居たな
 しかし今の時代はオギャーと産まれた時点でそろっている‥なんの味付けにも見えてこない
 (‥だから、負担の分配と言うことになった)


 アトムが動く程の科学力に至ったならいたったで、今度は仕事が無くなる時代だ


 手塚治虫の時代から、その辺の思考が甘かったので
 昭和のオヤジらは、夢見がちにも一本気に頑張りすぎちまった嫌いはあるよね

 稼げるとか稼げないとかで、概ねイライラしているのが女の感情なんだろうけどさ
 未だに稼ぎとゆとりの釣り合いの云々ってのは、思考不足のアトム的未来と同じだから
 ハッキリ言って、競争主義(分け前のピンハネは大賛成)なだけだよね
 (だからこそ、願った通りに社会的混乱の多い時代だよ)‥鏡似性

 「この目の前の男を選んだのはなんだったんだよ、おい?」

 ‥随分と人格破綻だよな
 結婚当時は平和主義‥
 子供が産まれると、途端に鬼軍曹に変身するのは、男からしてみれば詐欺同然だ!
 男の暴力をDVなどと横文字使っても、女だって同じじゃねぇか!

 「見守ることのできない母づら妻づらなんか‥最厄だ!」



1-7)2

|赤蜻蛉思ひ出させる故郷を        焼津市・浜風句会(10-24)

|赤蜻蛉思ひ出させる故郷を 4K画面の量販店


> ‥都会で赤蜻蛉を見るとしたら、家電量販店の店頭だ
> 今じゃすっかり高画質になったものだ
> 4K画面の赤蜻蛉を見てたら泣けてきたよ
> ‥どうしてこうなった‥
> 「兎にも角にも、鬼時雨が鳴り止まないことにはどうにもならネェ」



1-7)3

|振り向けばいつしか虹の消えてゐて    焼津市・浜風句会(10-24)

|振り向けばいつしか虹の消えてゐて 鬼が棲む家帰宅困難


> ‥ああ畜生、吾が子の可愛い盛りに俺はなにをやっているんだ
> しかし、帰宅が恐い‥恐いというかどうでもいいことで鬱に成りたくない(それこそお終いだ)
> 子供と共に母も成長するってんなら、男だって同じだろう
> そこの包容力の無い姿をガミガミ見せつけやがって、何様だよ!
> そんな姿を子供の前でも、平気で晒せる方が教育上の異常だ!鬼め!
> 「どうして女はあんなに変貌できるんだよ、さっさとクソして寝てくれよ」



|こほろぎやようやく灯りの消えてゐて やつと入れる俺の城だよ


> ‥どうやら寝てくれたようだな(灯りが消えている)
> コオロギの音が‥どうにも、やかましい夏が去ったことを教えてくれているようだ
> ここは確かに俺の城のはずなのに、今じゃすっかりジャックの豆の木だ
> 鬼が居ない留守にしか出入りができねぇような残念な城だよ



1-7)4

|月光や研ぎ澄まされし雨後の空      沼津市・きさらぎ句会(10-21)

|月下美人研ぎ澄まされていざ覚悟 返り討ちなど有り得ぬ無勢


> おやおや、一人相手に大勢でとり囲んじまって、あの方は相当に強いんだねぇ‥
> それにしてもあの人数‥ありゃ、どうにも、返り討ちなんて無理だよ
> まぁ折角だし、ちょっくら見物と行きましょうかね
> (‥もう少し月明かりがあると顔が見えるんだけどな)



1-7)5

|白南風や沖まで白き波頭         沼津市・潮音みどり句会(10-24)

|白南風やベランダ越しに大漁旗 見えて繰り出す漁港まで


 *波頭(なみがしら)、白南風(しらはえ)、黒南風(くろはえ)

> 梅雨も明けて良い天気だ、ベランダからの海の眺めが心地好い
> 「お、あれはなんだ!?」、大漁旗じゃないか
> これは、漁港にまで足を伸ばして水揚げぶりを見学に行かないと



|黒南風やベランダ越しにデカの影 見えて逃げ出すアジト背に


> 「やべえ‥」兄貴、デカらしき奴らがうろついてますよ
> 「なに!」確かに、あの顔には見覚えがある‥
> (こりゃ雲行きが怪しくなってきたぞ)



|白南風やバックミラーに奴の影 見えてアクセル百年目


> 「おや、あの影は‥」おい後ろを見てみろ、あれ怪しくないか?
> 「やれやれ、やっこさん漸くのお出ましのようですね」すぐに追いますか?
> 「そうだな‥まだ気づかれていないようだし先回りしよう」他のメンバーにも連絡だ



1-7)6

|キャンプ場家では見せぬ子等の顔     藤枝市・時ヶ谷明句会(10-21)

|秋キャンプ家では見せぬ妻の顔 皿は紙だし洗い場余所の


> 妻の別の一面を確認したくなり、こっそりバイトしてカネを工面した
> それで、家族での秋キャンプを催した(場所が変われば、なんとやらだろう)
> 使い慣れた家の中とは違い‥勝手が変わるからな
> 俺に投げかけるガミガミとした言葉のポイントもズレるはずさ
> ‥結果分かったのは‥
> 男が城を構えたい願望を女の視点に置き換えると、やはり家という大きさが適当らしい
> 男にしても、「城」=「スイートホーム」の意味だからな
> ‥しかし、母の城は‥
> 「城」=「大本営」ってことらしいな
> 大本営を手に入れたと認識すると、女王にとってオスはただの捨て駒に格下げになると‥??


 (女の方が、男より脳の容積比が小さい分、爬虫類脳へのアクセス比も高めとかな)
 (つまり、興奮やストレスによる負荷と共に、攻撃的になりやすいのでは??)


 ‥思えば、あらゆる自然の生態系は雌が核だからな‥
 男社会とかあれこれ言わしめても、結局の本質は変わらない
 ‥いや待てよ‥
 外国じゃ旦那が財布を握るのはめずらしくない
 そこを考えれば、日本の基盤は女社会だよな‥(なぜか日本では女房が財布を握るのだから)
 欧米が武士社会の本質を理解できていない時代からの名残で、男社会呼ばわりしてるだけだろう


 ‥欧米の方が男女平等とか自慢げでも、本質は怪しいわけだし‥


 ‥基本は女が核だから
 聡明な日本民族の間では、女の側が敢えて男を立ててバランスを確保してきたと
 それを見た外人どもが、男尊女卑などとのレッテルを貼ったと‥
 貼られたら貼られたで、愚かにも昔からこうだったからとして思い込み
 (まんまと罠に嵌まって)
 日本男児が図に乗って、日本撫子も被害妄想増大になったのが明治以降と‥


 ‥で、戦後になると
 イチャイチャ主義こそが家庭の夫婦のあるべき姿なんて思い込まされてるからな
 それって上手く行かなくなるとただのストレス大の出来レースだよ

 (実際、世界的にもそのまんまが実態だし)
 (イチャイチャ主義がモットーだろうと、幸せになってる割合なんてちょっぴりじゃねぇか‥)

 ‥だって競争社会なんだぜ‥
 不公平にも利益をピンハネして経営側が手にするのをOKしちゃってるわけだからな
 それで、男子には王子様願望なんてねぇのに、女子にはお姫様願望大なんだからな
 今じゃ‥それがセーラームーン以降からエスカレートしていて「戦える姫様」だよ


 ‥社会全体での物理的な仕組みで言うと
 平和主義を乱したい勢いの戦国願望丸出しって事なんだろうし

 それでは生きられないと騒ぐにしても
 彼氏や旦那を罵る前に、自分の中の矛盾と社会のおかしさについて、顧みるべきだが‥

 「お願いします」が言えない有り様では、まず無理!

 ‥選挙でも、「戦っています」表現に安堵しちまう程度だもん
 {欧米化}={心から頭を垂れて協力を仰がない人たちの園}だからね



1-7)7

|夾竹桃毒を孕みて紅濃ゆし        焼津市・浜風句会(10-24)

|夾竹桃毒を孕みて紅濃ゆし 理想の妻は合歓のかぐわし


 *夾竹桃(ちょうちくとう)‥葉は竹に似て、花が桃の花に似ている。
 *合歓(ねむ)‥花の香りが桃の花の香りに似ている。参考

> ‥竹を割ったような性格で、且つ、桃の花の容姿
> でも、おもしろきにその花木には毒が含まれている
> まさに戦える姫様の様相だ
> ‥どうにも、そんな女に変貌してしまった女房を前に思うのは
> やはり、同じ桃に似ているなら包む空気が似ている方を選びたい
> なぜなら、ぼくが平和主義だからだ
> ぼくはそこが気に入られたのではなかったのかい??
> 少しぐらいの平和ボケはお互い様だろうに(なして今更クズ視されなぁならんのか‥)




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 20:44 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする
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