↓9)向宜詠吟.2017/11/19
|轟きて宙をひび割る稲光 牧之原市・相良田沼塾俳句部(11-14)
|命とは無常をうがつビッグバン 現象こそは汝なり
> 人生は無常だ
> 汝らの目の前で起きていることはすべて汝ら自身による
> とくに、自身の日常ほどにそう思えるものは無い
ならば、うがて
> 汝を閉ざす空気に、うがてるだけの熱意を発揮してみれば良い
> 尚うまく行かずとも、原因は汝に基づく
> うがて、うがて、うがて
> ‥それ程ならば現象に現れるだろうか‥
あなたを創造しているのはあなた自身である
> それこそが無常下での公平と言えるだろうよ
> ならば全部だせ、燃やせ、尽きろ、余力など有り得ん
> その先にあなたがやって来よう
1-9)1
|大地みな夕焼けてごらんなさい 島田市・主流社句会(11-10)
|夕焼けはどきどき降らす花咲爺 今も仲人あの日の夕日
> 夕焼けを見ていると、心に花が咲くよ
> つい嬉しくなって、告白もしちゃうよ
> ‥思えば、あの時のあの夕日が僕らの仲人だったんだよなぁ
|黄昏は恋に帳を引っぱりぬ 「どうしてかしら‥なみだの味は‥」
*黄昏(たそがれ)、帳(とばり)
> ‥黄昏って、どうしてこうも物寂しさを誘うのかしら
> まるで、先行き怪しい今の恋路に帳を引っぱろうって些末そのものなのよね
> ‥それにしても、どうしてうまく行かなくなったのかしら‥
> (このままじゃ‥またぼっちに戻っちゃう)
|波音の消え満天の星月夜 袋井市・高南句会(11-11)
|波音の去れる満天星月夜 どうにも寄せるあの人恋し
> ‥ああ‥
> なんて、波音までが消えたように静かな夜なのかしら
> その上には満天の星々が輝いていて
> 見上げれば見上げる程に、あの人と過ごした時が思い起こされるばかりなのよネ(涙が出ちゃう)
1-9)2
|杜鵑草親子の手こぎボートかな 富士宮市・早蕨句会(11-10)
|初夏の影親子の手こぎボートかな ホトトギスやら耳こゆ釣竿
*耳こゆ(きこゆ)
*杜鵑草(ほととぎす)‥という草花がある。草を略す表記もするらしい‥(なんとも紛らわしい)
杜鵑・霍公鳥・郭公・時鳥・子規・杜宇・不如帰・沓手鳥・蜀魂・鵊などと異名の多いのが
鳥の方のホトトギスである。
‥このネタの場合、「草」だと、どうにも変換ミスにしか思えないぞ‥
> 湖にボートの影が見えるよ(親子のようだ)
> 周りの森からは、初夏らしくホトトギスやら聞こえている
> ‥なんとものんびりと糸を垂らして居るなぁ
|爽涼や白樺の影湖に置き 藤枝市・桑の実俳句会(11-11)
|夏冷ます白樺の影と湖と 海よりずっとセレブな空気
> ‥「おほほほほ」、さぁ来たわよ
> 白樺の影麗しの湖の世界よ
> やっぱり、夏は潮くさい海の風より、断然、マイナスイオンに溢れた森の空気よ
> このスカッとした空気こそが、わたくしのような上を目指すレディには欠かせないのよね
*上を目指すレディ‥他者を等しく見下して如何なる状況下にあろうとこき使うことに長けた女党。
1-9)3
|古里の味あふれ出し母心 伊豆市・川柳ともしび吟社(11-14)
|古里の味を慕えば母の顔 今やすっかり店頭パッケージ
> 昔は、淋しくなると母の味が恋しくなるのがホームシックぽさだったが
> ‥今はどうなのだろう‥
> すっかり店頭パッケージだからね
> 味に対する懐かしさがその程度だと、それはそれで
> ‥顔の思い浮かばない思い出と言うことになる‥
> 思い浮かべても、商品のロゴぐらいということかな
つまり
> その辺りのホームシック表現が、脳内で摩耗しちまっているので
> ついつい画面の前でポチッと押したり、レジに並ぶのが癒やしとばかりに
> すり替わっているのかもな
|子の知らぬ寂しさに在り遠花火 藤枝市・桑の実俳句会(11-11)
|寂しさに家族欲しきや遠花火 語らうおもいで得ずに生き
> ‥お一人様で過ごしていると、たまに思い煩う事がある
> それが世間様のイベントだ(とくに花火の音)
> やはりというか、たまにはピーチクパーチクが傍に有っても好いかなと思わせられる
> ‥しかし、その程度だ‥
> それで家庭が欲しいとか、「失礼」としか思えない
> ‥その結果‥
> それの思い煩いが、歳を重ねるごとに甚だしくなった
> (なんという誤算、なんという残念‥)
1-9)4
|炎天に立てば自画像ぽつねんと 牧之原市・相良田沼塾俳句部(11-14)
|炎天に立てば吾の葬式ぽつねんと イメージ来たで無理をせず
(あーあ、また炎天下での体育かよ)
> ‥あのう先生、ぼく、
> 「今日、自分の葬式のイメージがしてるんで、見学しときます」
> ほう、そうか、そうか、「それじゃ日向で見学な♪」
> 今日の暑さはさすがにしんどいからな
> 無理の無い形で倒れることがあれば、皆も休める先生も休める
> 十分な休憩をするのに、ちょうど良い口実が出来る
> 死なない程度に、お互いで凌ぎ合うのが連帯感って奴だからな
> 「それってつまり、適当なところで演技しろって事ですか?」
> そういうグレーゾーンは、自分で判断するように
|逆風に耐えてフォローの吹く待つ 静岡市・しみず川柳かすが(11-11)
|いじめとか援護の風は死の後ぞ 犠牲の規模で改め提議
> ‥いじめとか、ネットリンチとか
> そういう社会問題が浮上する頃には、随分と生け贄が散乱した後なんだよな
> 社会的に表面化させないと「明日は我が身」って危機感が、口を走らせるわけだな
> (とくに道徳観からという程ではない)
> それはそれで、上としては「我が身の椅子の問題」でもあると思い込んでいる
(なにしろ、揚げ足を取ってその椅子に座ってりゃそれの心理に嵌まるだろうよ)
> で、結局は
> どうにも自助努力の空気が漂うだけで、根本的な解決には至らない
> ‥そりゃそうだろう‥
> 「力こそ正義」「偏見こそ快楽」「なにごとも勢いと空気」「責任はお前のモノ」の嗜好だからな
(社会の上からして、そのパターンだからこその競争社会構造なんだぜッ)
1-9)5
|水をくれ言わんばかりの朝顔が 牧之原市・相良田沼塾俳句部(11-14)
|水をくれ言わんばかりの朝顔が 朝帰りのくせに涼し顔
> ‥旦那が朝帰りしたのよ、随分とした朝顔よね
> その上、涼しい顔して「おい、水」って、何様のつもりかしら‥(ぷんぷん)
|九割が見た目で決める初対面 伊豆市・川柳ともしび吟社(11-14)
|九割が見た目で決める初対面 誰かに似てれば想いがち
> ‥写真なんて嘘しか映ってないのに
> 初対面だろうと見た目優先なのよね
> そもそも初対面の印象なんて、過去の産物よね
> 肝心なのはこれからなのに、過去の産物の面影に酔いしれちゃうのよ
> ‥私もそうだけどさ、「脳」って馬鹿よね
> 真新しさを求めていながら、どうしていつも、昔に馴染んだ顔似を探してるのかしら
「慣れや親しみなんてのは、積み重なってあるだけなのに‥」
> ‥だから、いつもそこでは‥
> 出来上がりのお総菜のような恋にうつつを抜かしてばかりのパターン脳との「格闘なのよっ!」
1-9)6
|としより農夫稲田に立つと光る 島田市・主流社句会(11-10)
|手塩にかけし稲田に立てば爺光る 稲から感謝発しをり
> ‥「おやまぁ」、爺さん輝いてるよ
> 稲の実りと太陽の光彩の加減で、バック感「最高!」
> こりゃ、稲から感謝されとるって感じだわ
> おらだって、こうして見ると、二度惚れしちまうよ
> (だって、それだけ頑張ってきたんだもん)
|稲雀ずっと戦後であり続け 袋井市・高南句会(11-11)
|稲雀減反呪縛であり続け 耕作放棄の些末かな
> ‥家が建つ度に、田んぼは数を減らしてきた
> 時代の流れとは言え、ここのところ燕を見かけ無くなったからなぁ
> 稲雀もそのうち見かけなくなっちまうかも知れないな
> それもこれも減反のせいだろうよ
> ‥あれのお陰で継がせることもままならず、継ぐ者の数を減らし
> 耕作放棄が目立つ顛末に至ったのだ
> ‥ならば‥
> 減反政策は、鳥獣保護法違反で訴えられてもおかしくないッ!
(なんてことを農家がメンタン切ってもアホなだけだけどよ)
1-9)7
|広々と人影もなし刈田道 静岡市・木蘭吟社(11-10)
|人恋し鳥影も無く刈田道 五里も進めばお囃子の音
*五里‥2500m程度の距離。一里(500m)
> ‥(おや)、どうしたことだろう
> 見事に刈田が続いているだけで、人影が見当たらない
「どうしちまったんだこの里は??」
> そんなことを思い始めると、辺りに鳥影も見ないのだ‥
> ほんと、どうしちまったんだこの里は??
‥五里程歩くと正体が聴こえてきた‥
> 「なんだ、今日はお祭りだったのか」‥お囃子の音が聴こえて来て、納得したさね
|古式の舞過疎地にぎわう秋祭 静岡市・木蘭吟社(11-10)
|後継を託して清し秋祭り 静岡市・木蘭吟社(11-10)
|古式の舞過疎地に灯る秋祭り 受け継ぐ神楽鈴の音清し
> ‥寂れた土地柄だろうと
> 粛々と受け継がれて来た舞さえあればまだまだよ
> 若手に受け継がれた神楽鈴を聴けば、古よりの祝い風が吹くようじゃて
1-9)8
|爽やかや歩むにかろき日和下駄 藤枝市・桑の実俳句会(11-11)
|爽やかや歩むにかろき日課下駄 風情が風情を呼ぶのかな
> ここのところ下駄を履き出して、履いての散歩を日課にしておる
> このカランコロンとした肌向きだしの響きが、夏を過ぎて爽やかになった朝に心地よい
> 「う〜ん」、風情も形から入ると周りにも風情を呼ぶのかなぁ
|拭く手止め秋の風聴く職場の朝 袋井市・高南句会(11-11)
|掃く手止め澄みし青空今しばし 紅葉の吐息耳こゆるような
> ‥ふと、見上げれば
> 澄んだ青空が広がっておりまして、そのまま掃く手を休めてしまいました
> 周りにも気を向けて、視線を動かしてみれば
> 周りの紅葉の吐息が聞こえてくる程に、秋の静けさにうつつを抜かしてしまうところでしたよ
> (今度、ご一緒して、ゆっくりでもしたいものですね♪)
1-9)9
|冨士見上げつつ秋風に踏み出せり 富士宮市・早蕨句会(11-10)
|すすき野路帰りマントの踏み出せり 朝日を連れに峠越すわし
*わし(儂、鷲)
> ‥「う〜む」、爽やかで良き朝だ
> 商い旅ももう帰り旅かと思うといささか残念だが、今年はごきげんだよ
> 懐の上がりも上々だし、意気揚々とマントを翻せるというものだな
> ‥「さて」朝日を連れに、芒の続く先の峠を越すとするかのう
|身に入むや師と吟行の夢に覚め SBS学苑パルシェ教室俳句(11-11)
|身に入むや師と吟行の旅を終え 月並みかもね私のご縁
*身に入む(みにしむ)‥秋の諸々が身に沁みる気持ちを、意味含みさせた趣の季語。
> ‥詠みの師と仲間幾人かで
> 詠み修行旅気取りで、日程長めの秋の観光を楽しんできました
> ‥そこで思ったんですけどね‥
> 旅栄えが無いというか、上達してないというか
> 普段の詠みと大して差が伺えないんです‥(私たち全員がですよ)
> どうにもそう思っちゃいまして、自分の人生のご縁が月並みに思えてきたんです
> (どこかにブレイクスルー落ちていないかなぁ‥)
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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