↓8)向宜詠吟.2017/11/28
|IoT 泣かせるための家電かも 顔文字仕込む愉快犯の影
> ‥IoTとわざわざ大小まぜて書く表記が、絵文字に見えてしかたない
> 泣きっ面に蜂さながらのこれの絵文字は、まさにネット家電からのハッキング沙汰の印象だ
> どう見たって確信犯‥もとい、人でなしの愉快犯からのメッセージだよなぁ
|稜線を茜に釣瓶落としかな 掛川市・句会あさかぜ(11-24)
↓
|稜線を一重に釣瓶落としかな
|平原を一気に釣瓶落としかな
↓
|太平を一気に釣瓶落としかな 黒船報は一矢の誤算
> ‥1853年、江戸の太平に黒船が現れた
> 以降‥日の本の国は、世界レベルの陰謀に巻き込まれて行く
> 「維新」などと威勢良く表しても、所詮は、列強従属の時代の始まりだった
> ‥自由で新しき時代の幕開けなどと‥
> 看板背負わされてるのが坂本龍馬ということだが、「とんだ一矢の誤算ぜよ」
|「雲赤な」日の落ちるたび口にして「赤ね」と訛る「雲茜」かな
> ‥辞書には、かような解説が無いのに
> なぜか多くの国民が、夕焼けのことを「あかね(茜空)」との表現が絶えない
> 国事としては、夜明けのことを「明(あか)」と表現する慣習が有った
> それに対してなぜか夕暮れについては触れられる事が無い
‥どう考えたって、おかしい、怪しいのだ‥
> まぁ昔の暮らしに電気は無かったので
> 朝早く起きて、夕暮れはさっさと引っ込むのが流れだったが、現代は逆だ
> つまり、遺伝的に「明(あか)」の感性が、夕暮れの「赤(あか)」に変わった
ところが、昏くなって行くのに「明(あか)」は不適切だった
> そこで「赤な」という魂よりの響きが口を衝いて出る
> だが、基本的に訛(なま)って口に出るので「赤ね」という余韻に変わる
> 意味としては「赤いね」「赤いな」という至極単純な言葉の発声だ
しかし、当然、辞書には認知されない要素なので、「茜」あたりを当て字にしたくなる
それにしても、実際に色づいているのは空ではなく雲である
だから、その辺を鑑みるに「茜空」よりは「雲茜」と表現するのが適当なのだろう
‥まぁ、どちらにしても季語としては不向きの風景と言える
でもまぁ、雲が多くあるのは夏の趣だし
「雲茜(くもあかね)」なら(晩夏〜初秋頃)としても良いのでは?
1-8)1
|赤とんぼまだ強き陽に線ひきて飛び交う朱色清か秋色 静岡市・長田寿短歌同好会(11-25)
|赤とんぼ線引くほどに虫を食み 稲田の上は関ヶ原かな
> 稲刈りがどうして和気藹藹とできるかって言うと、それこそが赤蜻蛉さまのお陰よ
‥考えても見た前‥
> 赤蜻蛉があれだけ移動すること無く、産まれた田んぼ周辺を縄張りにして蚊やらを食(は)むのだ
> 相当な数の藪蚊が居るって事だよ
> それを赤蜻蛉さまが退治してくれるから、蚊に悩まされることも無く稲刈りが出来るのだ
‥もし、赤蜻蛉さまが居なかったら‥
> 日の本の民は、藪蚊のお陰で稲刈りコンプレックスを抱え続け
> 勤勉さを均等に培わなかったかもしれないのだ
> まさに、稲田の上は太平の世を切り開かんとした関ヶ原よ
‥日本人の暮らしに於いて、赤蜻蛉さまこそ、正義のお手本だった
まさに、稲田を飛び交う赤蜻蛉さまのお姿こそ赤備えの輝き
されど、お役目を終えれば、途端にそのお姿をお隠しになる
武田信玄然り、井伊直政然り、真田幸村然り(‥なーんてな)
1-8)2
|ほおずきを破れぬように種を出す幼きころと変わらぬ音色 沼津市・椎の木短歌会(11-25)
|草笛のマニアを見たり鬼灯に 薄くなるほどきわまりの音
> ‥ぶっちゃけ、鬼灯遊びのなにが好いのかさっぱりだった
> しかし、草笛マニアとしての視点なら、まぁ、ありかもと思ったよ
> まずは草笛から入らないと、ちっとも栄えないのが鬼灯遊びだったと
> (鬼灯だけを売り込もうとの慣習に、なんの意味もねぇ)
|散歩の歩少しく延ばす体育の日 静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句のひろば」(11-24)
|散歩の歩少しくのばし秋の影 こどもの頃は日が暮れるまで
> 散歩の距離をすこしばかりのばしてみた
> そしたら、秋の日の傾き加減で、影までのびていた
> そんなことは、すっかり忘れていたよ
> ‥そう言えば、こどもの頃は、その伸びゆく影が見えなくなるまで遊んでも居たっけ
1-8)3
|警備員ミラーの陰に残暑かな 掛川市・句会あさかぜ(11-24)
|警備員ミラーの陰に残暑かな 工事車両の少なそう
> ‥交通誘導の警備員が、カーブミラーの辺りで立ち尽くしている
> 残暑で暑い中、工事車両の行き来も少なく張り合いがないのか‥気だるげだ
> まぁこちらとしては、工事車両の少ないのに越したことはない
|病みて臥す窓辺にうつる夕月の光り幽けし秋風流れ 沼津市・椎の木短歌会(11-25)
|病みて臥す窓辺にうつる夕月の光り幽けき寡黙な看護 ちょい手直し
|病みて臥す窓辺に看護月明かり この向き合いぞいたわりの距離
> ‥寝込むほどに臥(ふ)すざまにもなると、嫌でも独りで居る時間が長くなる
> べったりと付き添われるのも御免だが、さっぱり過ぎるのも切ないところで
> 月明かりの度合いが、なぜか一番に落ち着く
> なるほど、月明かりこそが、他者をいたわる上でのベストな距離感と言うことか
> (しかし、分かったような分からないような‥)
1-8)4
|四たび行かむ三十一文字に想い馳せ思い浮かぶは出雲路の空 静岡市・長田寿短歌同好会(11-25)
|始まりは八重垣にあり神の留守 三十一文字や出雲への旅
*三十一文字(みそひともじ)
> 短歌の始まりはスサノオだと言うし
> 国中の長(神)が出雲に集まるようになったのは、オオクニヌシからのようだし
> ‥歌詠みにとっての夏と秋の出雲への旅は、感慨深いんだよな
|器用なりし九十の兄菩提寺に竹の箒を贈り続けぬ 静岡市・長田寿短歌同好会(11-25)
|器用なる九十の兄菩提寺に竹の箒を贈り続けつ 指摘
*ネタの間違い含みを注釈すると
(器用だった九十の兄が、もはや菩提寺に手製の竹箒を贈ることはない)
‥助動詞「ぬ」には、完了の他に、打消しの「ず」の連体形があり
‥過去助動詞「き」の連体形が「し」だとの理解を欠いている
‥さらに、意図的な流れがある場合の完了なら「つ」を盛るのが古文法の理解(下二段に接続)
ということで、まどろっこしい助詞を盛らずに構成するのも心掛けのうちである。
|九十の兄の寄進や竹箒 手製の器用未だ菩提寺
> うちの兄は、九十歳になっても未だ菩提寺に竹箒を寄進し続けています
> しかもそれらは全部、兄のお手製なんですよ
(もちろん、当の菩提寺では重宝されているという事です)
> ‥こんな兄を持って、今や感心を通り越して、すっかり自慢です
1-8)5
|帰路急ぐ夕餉の匂ひ秋深し 静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句のひろば」(11-24)
|帰路急ぐ夕餉の匂い秋カレー 秋刀魚と鉢合い首傾ぐ
> 帰路を急いでいると、夕餉の仕度だろうか‥カレーの匂いがしてきた
> さらに、焼き秋刀魚の匂いも別の方から漂ってきたよ
> ‥そこでふと思った‥
> カレーに秋刀魚のトッピングも、秋刀魚煮込みのカレーも
> どちらもお目に掛かった試しが無い
> (そもそもにして、秋刀魚の鍋自体お目に掛かった試しが無い)
1-8)6
|一枝に多福にぎはふ萩の花 沼津市・潮音みどり句会(11-24)
|一叢に多福をかさねこぼれ萩 散りぬるゆえの振り返る日々
> ‥こぼれ萩には
> 一叢(一村)の多福の印象を思わせる風情がある
> あのように時が移ろうなら、申し分ないはずだが
> 今時点のよろこびもさることながら、昔を懐かしむ事の方がなぜか多い
> 散ると言うことは、増えるということの移ろいという事でもあるのだからなぁ
(一つひとつの時を手にして、見比べることのできるゆとりを「福」とでも言うのだろう)
‥桜と比べてどうかって?
包まれた色彩の中に居ると見えにくいことでも
外から全体を見渡すと見えて来ることもある
同じ散るでも、萩(はぎ)と桜では、そこの見えて伝わる視野が違うと言うことだろう
‥また、人は
桜の散りゆく姿に様々な出来事を投影するものだ
どちらかと言えば、それらは、個人的な事柄(関わり)の方が多い
‥村一つになってのとか、家族一つになってのといった単位風情で語るなら
萩の印象の方がまさるという所だろうか
|激動を生き抜きし顔敬老日 富士宮市・湧本部句会(11-24)
|激動を等しく刻み秋の谷 さらに万変雪の底とは
> ‥近頃の秋は春ほどの安定感がない
> 残暑が続いているかと思いきや、いつの間にか一面の秋模様だったりする上に
> 突然の低気圧の乱入で、途端に一面の雪に見舞われたりと大慌てだ
> ‥秋の谷ともなれば、尚のこと激動で‥
> 目の前に広がっていた紅葉をよそに、雪の底にだって埋まるのだ
↓
|激動を等しく刻みかのバブル さらに万変アベノドンゾコ
> 昭和バブルが弾けて以来、失われた20年をさらに積み重ねて
> アベノミクスならぬ、とうとうアベノドンゾコが到来した
> 国民にほぼ等しくもたらされた負の連鎖の総決算の正体が
> 「アベノドンゾコ」にあると言わずして、なんと問おう
|送電の鉄塔の果て秋深し 静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句のひろば」(11-24)
|日没の木の黒々と秋深し 静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句のひろば」(11-24)
|山崎の果ては足早秋の闇 もりかけ疑惑に雪ぞ散らつく
> お山の大将のわがままによる、もりかけスルー確立選挙だったかと思いきや
> かような左団扇の秋は足早に幕を閉じ
> いつの間にやら、雪が散らつき始めたとは驚きだ
> (梅雨にすましときゃ良かろうに、このまま行くと雹の吹雪が来るかもよ)
1-8)7
|前向きに生くる余生や秋高し 掛川市・句会あさかぜ(11-24)
|前向きに生くる余生の秋のはず 後ろ向きすぎ年金額
> ‥自分は平凡だから、年金だけを信じて頑張ってきた
> そんな人は多いだろう
> そんな前向きも、いよいよ以て年金生活に突入すると
> 年々と先細ってしまい、前向きどころではなくなってしまう
> どうしてこうも年金額は年々後退していくのだろう‥
> まるで戦時下の配給米だよ(ウソ×やっつけの空気そのままさね)
|汗流し腰を痛めて作るイモ猪に荒らさる一夜の内に 静岡市・長田寿短歌同好会(11-25)
|老いの汗腰の痛みを押して尚 手掛けし芋は猪の跡
> 年金だけでは安心出来ねぇし、先祖からの畑を草ぼうぼうにするわけにも行かねぇし
> 畑に種を蒔いたからには、蒔いたなりの糧を得んことには続かねぇ
> だから、腰の痛みに耐えてずく出したってのに
> 「猪め‥とんでもねぇだ」
> 「お前らもそうじゃよ、そこのシロアリ!」
1-8)8
|揚花火火の粉の滝となりにけり 掛川市・句会あさかぜ(11-24)
|筒花火火の粉の滝に辰の影 見せるは気合終えるは筋目
> 筒花火の噴火山を抱える職人の影が、火の粉の滝の中で辰(立つ)に見える
> ‥あすこまで気合が入っていると‥
> 火が付いてるだけに、格好良さに浮かれて、終わりたくない気持ちも募るだろうよ
でもまぁ、火薬の量に限りが有る分、筋目はやって来る
> ‥花火だからこそ、その塩梅に無理は出ない
> しかしどうか、世の中には、筋目を判断できずに「気合万歳」だよ
> 気合格好良さに浮かれての、分別(ふんべつ)の付かないやらかしが多すぎる
(筋目を確かにしてこそ、気合の大きさに沿って、龍の貫禄にも見えるという事よのう)
|筋目が疎かならまずは疑え
|陽の入りが日毎に早くなってきてチョッピリ侘しい冬隣かな 沼津市・椎の木短歌会(11-25)
|日の入りの日毎に早くなりにけりチョッピリ侘しき冬隣 手直し
|断捨離を思い切れぬは戦中の物資不足に育てられしか 沼津市・椎の木短歌会(11-25)
|ブーム終えはやくて侘し冬隣 買わずに済ます断捨離の風
> ‥近頃は如何なる流行りも長続きしない
> 商いにおいてはどうにも一年を通じて冬隣だ
> 短い春でもありぁ、御の字さ
‥そりゃそうだろう‥
> 昔は商いの趣向に珍しさが手伝っていたが
> 今や、かような好奇心は、育ちの良いところの若い連中だけだよ
> あとは、年配組のマニアが追いかけるぐらいさ
> ‥要するに‥
> 老若男女そろって、買う前から、欲しい空気を断捨離するんだから当然さ
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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