2017年12月09日

【エンコードレシピ】はじめ人間ギャートルズ(DVD)

↓8)記稿.2017/12/09

> ‥いきなりですが、BDやらDVDのコピーガードを外すと「違法」とか何とか?
> その一方で、エンコードもしたことが無いと、その手の現場では「使えねー」とか何とか?
> 社会全体でどうにも怪しい雰囲気が蔓延しておりますが
> 現場でさえ、より良いエンコードレシピがあったら教えて欲しいのが本音かと


 ※ 先にお断りしておきますが
 DVDの中身を吸い出してデータ加工できる段階にするまでの説明を省きます


 ‥ということで、ネタに取り上げてみようと今回思ったのが
 はじめ人間ギャートルズ(DVD)(1974'10-1976'3)ということです

 ‥このタイトルのDVD映像には、人工的なノイズか付加されていて
 見るのに耐えがたい残念な内容に成っちまっております
 昭和当時の「ブラウン管風味ノイズ和え」なんてせんでええのに‥
 (これも又、コピー対策の一環なんでしょうかね??)


> その忌まわしき「ブラウン管風味ノイズ和え」の緩和に成功したので公開します


 (緩和と言うよりは、ほぼ相殺です)
 (無論、ウォッシュリンク前提です)


 使用ツール:AviUtl(動画エンコード)
 必須プラグイン:DirectShow File Reader、L-SMASH Works r921
         x264guiEx(拡張x264出力(GUI)Ex)

 ※ 音声エンコードには、XMedia Recodeで、後から合わせるのがお手軽です



1-8)1

Hajime Ningen_wave file reader.png


 ‥まず、wave file readerの設定をDVDのドットサイズに指定して読み込ませます
 740x480(3:2)29.970フレーム毎秒

 ↑これを今回は↓
 740x540(4:3)29.970フレーム毎秒に置き換えます

 テレビ放送の方式の関係で、収録されてあるデータはざっくり秒間30フレームです
 秒間24フレーム化しないで、そのままで処理させます
 (スクロールでのカクカクがかなり残念に思えるので無理しません)



1-8)2

Hajime Ningen_L-SMASH Works.png


 ‥次に、L-SMASH Works r921です
 音声関係は、当方では扱わない設定なので適当になっています
 ポイントは、video scaler「Bicubic spline」
       Dummy colorspace「RGB」
       AVS bit-depth「16」
 です。

 ※ 今さらに気がついたんですけど
 Dummy framerateは30の方が楽だったんだろうか‥
 逐一29.970フレーム毎秒で読み込ませていました(あしからず)



1-8)3

 ‥システム設定の
 キャッシュフレーム数を「65」
 YUY2フィルタモードはチェックしません
 LergeAddressAwareを有効にするを「チェック」します

 ‥LergeAddressAwareをチェックして有効にすると
 AviUtlの内部メモリーが2GBから4GBに増加されるので
 多少はエンコード速度が有利になるように思いますが、実際の差がどうかは分かりません
 (セキュリティチェックが上がるせいか、ファイル指定がタブからのみに限定されます)

 ※設定し直したなら、逐一AviUtlを再起動させます(再起動しないと設定が正しく反映しません)



1-8)4

Hajime Ningen_ツールウインドウ.png

Hajime Ningen_YUY2フィルタ各種一覧.png

Hajime Ningen_ビデオフィルタ順序00.png


 ‥標準装備のYUY2系フィルタの設定です
 まず、当方推奨のウォッシュリンク、アニメレベル1を使用します


> 「ギャートルズ」といったらとにかく「肉」です
> 「マンモス肉」がおいしそうに見えないのではお話になりません
> そこを狙ってさらに色を調整しました


 ‥フィルムの保管状態がそっくりそのまま丸わかりになりますが
 ‥その辺の手入れ処理まではされてはいません(あしからず)


> 肝になるのが、ノイズ除去(時間軸)フィルタです


 これを当てると、ケースによってはデータ量の削減効果が大きいようです
 でもあまり大きな値を用いると、得体の知れない縦ノイズが虫のように大発生します
 基本的にどうなっているのか知らんのですが、青から赤への位相反転でもやってるんでしょうかね??
 ノイズの緩和に成功すれば、データの圧縮効率も上がると言うことです


 ギャートルズの映像では、面白いほど黄金比が効くようでして

 {ぼかし:ノイズ除去:シャープ}={49:79:128}(黄金比)の設定を採用しました

 ‥「下限値と上限値」は0−1024のままいじりません
 ノイズを等しく消し去るのに最大幅を外しては、ノイズ誤差は整いません

 ‥「範囲」に関しては、色々と試してみました
 この辺までは黄金比云々には成っていません


> 二つの除去フィルターのしきい値の値が面白い


 ‥なぜか177の辺りで、ノイズがやわらぐんで、そのまま用いることにしたんですが
 128を中心にすると、128+49=177です
 なにか、法則でもあるんでしょうかね??

 ‥元々は人工的なノイズにあるわけですから
 何らかのパターンとして、逆算のツボを辿れば、減衰可能というのは分かりますけどね



1-8)5

Hajime Ningen_x264guiEx001.png

Hajime Ningen_x264guiEx002.png

Hajime Ningen_x264guiEx003.png

Hajime Ningen_x264guiEx004.png


 ‥ようやくメインのx264guiEx(拡張x264出力(GUI)Ex)です
 品質16.6は
 実写のウルトラマンのブルーブロッキングノイズパターンが適度になったのを流用しています
 これ以上に値を小さくしても、64GBのUSBメモリーに収まらないのではお話になりません
 全部で77話もあるので、この辺かなと判断しました

 ‥「Slower」×「Multi-Hexagon」×「Full RD」とやたらと時間掛かりそうですが
 G2020のCPUで一話あたり100分平均でした(まぁ許容かなと)


> 一番のポイントは、動き探索範囲「60」です


 ‥video scaler「Bicubic spline」の正確さと最大QP変動幅「3」が肝でして
 64までの画質の違いが妙実に現れます(やり過ぎだなんてとんでもない)
 64と32、60と30‥倍数になる数値の関係だとノイズパターンが似かよります

 64と32の場合は、輪郭はクッキリです(64の方がさらに強調されます)
 60と30の場合は、不思議なことに誤差とノイズがダブるのか、ノイズがほぼ相殺されます
 ただし、64と32のパターンに比べれば、幾分ぼやけているような風合いです

 ‥輪郭がハッキリするにしても
 ノイズの輪郭も目立つので長時間見ていると疲れてきます
 どうせなら疲れの来ない方が良いに決まっています
 ということで、「60」を採用しました

 概ね、「ブラウン管風味ノイズ和え」として許容できる程度まで消し去ることに成功しました
 (ノイズレベルは、ほぼトリニトロン管で見る再放送ぐらいの印象かなと‥見たこと無いけど)


 ‥どうにもこのようなパターンが生ずる要因は、二進数の計算上の特徴に思われます
 とにかく計算の余りのパターンが関係しているように思われます
 (よくよく観察すると、他でも数値設定での素数との絡みがノイズパターンに関係するようです)


> 参照距離「6」に対して、最大Bフレーム数「3」というのも特徴的です


 ‥3コマ撮りが前提の作品と言うことでこうしました
 参照距離を伸ばすことで、ノイズ減衰効果が上がります
 (※はじめからノイズが目立たない映像なら、ここまでする必要はありません)

 3コマ撮りが前提と言うことなら、最大Bフレーム数「2」だろう‥ということですが
 テレビ放送秒間30コマという関係上、4コマ連続が多くの割合を占めるようです
 ‥その影響が大きいのか
 Bフレーム3コマ連続の割合が、平均75%程度以上とまとまりの良い内容にありました
 (というメリットから、Bピラミッドを盛り込みました)


> あと、忘れずに拡張設定のLW48モードを「チェック」します



1-8)6

 ‥音声は、XMedia Recodeを使用して
 コピー移動‥再エンコードして得た映像と同期合体させます

 ‥で、77話総計、54.2 GBを得ました



1-8)7

 ‥USBメモリーに収めた後、テレビ画面で視聴するわけですが
 パナソニックのビエラの安いバージョンで


> シアターモード、色温度まん中に設定すると
> なぜかパソコン画面とほぼ同じになります


 (以前の2PASSエンコードの頃とはかなり傾向が異なる‥なぜ?)

 当然、テレビ画面ですから「くし形フィルター」と言ったノイズ除去チップてんこ盛りっすから
 多少のブロッキングノイズなら、さらに緩和されちまいます


 ‥まぁ、DVDやBDから直に再エンコードする場合は
 さほどに目立つようなブロッキングノイズは出ませんけどね

 ちなみに

 ギャートルズのこれのエンコードレシピで言うと
 背景は気にならないけど、キャラのセル部分だけにノイズがしつこく残っており
 それが、テレビ画面で見るといともあっさりと抜けてしまいます

 「ブラウン管風味ノイズ和え」なんてどこにあるのかまったく判断付かなくなります
 ‥まぁ強いて言うなら、トリニトロン管ぐらいのブラウン管特有ノイズは出るかもね



1-8)8

 ‥確認視聴を始めると
 肉カット・もぐもぐカット・団らんカットが意外に少ないことに気がつきます
 狩りの比率にしても、マンモスより猪です

 そして

 原始人ですから、たくましく育つのが流れですが
 情緒不安定なる要素を巧みに駆使して、現代社会風味に味付けがされています
 突然、弱気になったり、やる気を無くしたり、投げ出してみたりと
 ‥どちらかというと
 バリバリの狩り暮らしと言うよりは、生きものあるあるバラエティに富んでいます

 (まったく以て、肉のイメージしか無かったというのが不思議でしょうがない)


 ‥さらに、ギャートルズといったら「さる酒」です
 しかし子供心にハッキリと覚えているのは、「あんなのは酒では無い」と思ったことでした
 そうです、あれはギャグとしての演出なのに、其を理解できずにスルーしたのです

 (そのせいか‥「さる酒」って何だろうと、二度手間の空想をしていたように思います)

 ‥何だろうも糞もありません
 描いて見せているまんまの‥猿の「もぐもぐぺっ」なんですな
posted by 木田舎滝ゆる里 at 23:48 | Comment(0) | エンコードが始まらない | 更新情報をチェックする
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