↓5)向宜詠吟.2017/12/16
|西空の真っ赤に染まる秋夕焼 焼津市・いせぎ会(12-9)
|真っ赤っか君に告白 秋夕焼 つないで帰る手の温もりよ
> ‥告白しました
> 両想いだったのも手伝って、そのまま手をつないで帰りました
> 秋の夕日が真っ赤で、気持ちもまだまだどきどきしてて真っ赤っかで
> 握りしめてる手の温もりも、秋の夕日一面一色でした
|夕映えの枯木に一葉残りたる 掛川市・鴟尾の会(12-9)
|夕日落つ枯木に一葉恋の音 積もり積もりと別れのあの日
> ‥彼女の家が越してってしまったので、概ねそれきりになりました
> 今の時代の通信端末をうらやましく眺めては、あの頃を思い返します
> ‥あの頃の秋と言ったら、そりゃもう
> 夕暮れ時の枯木を見ては「ずしーん」、一葉になった枯木を見ては「ずしーん」
> 落葉が積もり積もる音と共に恋の儚さ‥もとい人生の切なさに埋もれていたように思います
|朝日差す朽木にすがり芽の起きつ 命のドラマ命ぞ土台
> ‥競争社会もとい
> 人間社会の「我が意必勝の心意気」という奴は、実に複雑で悩ましい限りです
> しかし、所詮は、すべてはドラマの土台の扱いです
> そして、命は命にしかすがることが適いません
> ‥科学的なツボを押さえれば、技術化可能だろうとは云え
> 血肉を養う上での代替にしてみたところで、何らかの命からの命への置き換えです
> どちらかというと‥まともに健康を手にしたければ
> より自然のまま(自生×天然)を選ばざるを得ない仕組みにあるようです
> やはり、命は命にしか寄り添えないのです
> ‥ヒトが「美食×安心搾取」を好むように
> 土台にある命を、土台を為す命を‥
> 自分たちの都合に合わせて、うんちく張ればばるほどに、ただモノのように扱いはじめ
> どうにもちっぽけに見下して居がちの姿勢には、我慢できません
> やはり、土台にするにせよ、土台になるにせよ
> そこに如何なる因果があろうとも、自らを以て寄り着いて、差し出して尚在るとする
> 踏ん張りと有り難みが、共に適ってこそに思います
> ‥命を問う上で
> 一つ一つの吐息の儚さに思いを寄せないのでは
> ドラマとは言えないでしょう
> 命同士は、生きる為に並び在っているのであって
> 搾取上位や競争優位を謳歌する為では無いはずです
1-5)1
|こほろぎやいつしか雨の止んでをり 沼津市・潮音水曜句会(12-9)
|こおろぎやいつしか雨の止んでおり 耽美の秋夜どうやら開演
> ‥何気に雨が止んでおり、コオロギが鳴き出していました
> それに聴き入りだすと、今度は、叢雲の間から月が顔を覗かせはじめました
> どうやら、秋夜の開演です
|待宵のコンサート退け影二つ 沼津市・潮音水曜句会(12-9)
|待宵は劇に満ちたり影二つ うなずくしじま寄り添うて吸う
*待宵(まつよい)
> ‥あの人を待つ宵の月は、不思議とロマンに溢れて見えるのです
> そんな月明かりの下で、共に過ごしていると、ついつい口づけを交わしてしまいます
> (まぁ、なんてはしたないのでせう‥うふふ)
1-5)2
|わが料理褒める母鼻白む妻 湖西市・川柳はまかぜ(12-9)
|俺料理、褒める母に白む妻 妻の立場を追いやる腕前
> ‥俺が久しぶりに腕を振るった
> 母は褒め、妻は何やら複雑な顔である
> ‥それはそうだろう‥
> 「嫁より美味い」なんて言われやしないかって、内心そわそわしてるんだからな
‥だからこそ、その手の喧嘩が起こらないように
日本の旦那衆は、ごろりと上座で待つのが習慣になった
今更に核家族化したからってな
その辺の女間の事情に、日本では変化なんか見られないわけだし
女が台所を前提に、頭ごなしに手伝えと言うなら
旦那の給与丸渡しは「おかしな風習だよね」って、言い出さない旦那を相手に
女の側からすすんで一般に問わないのは、どういうことかね??
‥まぁ、しかれど
教育・子育てに無関心と言うことでは、とても褒められた事では無い
「次世代に関心が無い」=「組織で出世しない」=「生活力先細り」
そこのスパイラル算にうんざりを募らせているのが、今時代の女房どもにある
‥しかし、その時、旦那を操縦しようにも‥
さらに自分も未熟の口であったという事実にもうんざりするわけだ
(でも、嫁と姑のバトルと同じで、負けん気だけは強く、無駄に旦那に当たるってわけよ)
それが伝統的亀裂のパターンだって、どうして気がつかないかね??
まずは、財布の問題のお座なりを正すところから始めないとな
(そこで腹を割れない男を選んじまってた時点で、失敗してると心得よ)
※ 江戸時代あたりだと、プライド武士の派閥失墜碌無しは恥として
妻子に黙ったまま斬りかかり‥俺も死ぬの一家心中パターンはざらだったらしい
何の為に帯刀してたかって、まるでそれの為だったりしてな
‥だから、原発対当なんかも同じことよ‥
(大好きな妻子を他の誰かになんぞ渡したくないとばかりの)
国民に放射能を被らせて俺も死ぬの遺伝的形質かもなぁ
‥素直に腹を割れない男を選ぶってのは、その手のオチが雑ざってくるってことさね
1-5)3
|口滑り後の祭りとホゾをかむ 湖西市・川柳はまかぜ(12-9)
|口滑り後の祭りと臍をかむ 波風立たぬ日々こそ望み
*臍をかむ(ほぞをかむ)‥「ほぞ」とは「へそ」のこと。
「穴があったら入りたい」とは、主体側のニュアンスが違うが、それなりに近い意味合い。
> ‥無駄に楽しいことを追いかけていたり(増長)、自慢越しにも悦に浸りがち(傲慢)だと
> その手の個人的趣向から、ついつい、雑多な口の自分が顔を出して
> 余計なことをくっちゃべっていたりする
> 悪意も敵意も無いにしても
> 普段の心の中身のまんまなので、当人の気がつかない事の方が多い
> ‥でもたまに‥
> とっさに気がつく程度のやらかしもある
> そんな時は、言われた相手同様の赤っ恥を思わざるを得ない
‥しかし人は、自分の思考にとやかく言われたくないので
日常の心の中では、油断しまくりの悪態突きまくりだったりする
普段からそんなんでは、波風立たない暮らし向きが望みとか、後の祭りだよ
‥公になればなるほど
不特定多数の知識、教養、常識、生活習慣の差を推し量っての思慮が欠かせない
感情に任せたままの暴言なんて勢いだけだ(どこにも聡さなんか無い)
状況を鑑みて、勢いを取るか、物腰の穏やかさを取るかだよ(概ね、勢いに是は無い)
(この手の恥を嫌えば、一生勉強だよ)
(自由なんてどこにも無い事が即座に理解できるだろうよ)
(ただでさえ、そこに不自由を味わえばこそ、相手を責め立てるにしても逃げ道を残しておくものさ)
(徹底的に、住めないぐらいに悪に仕立ててやろうだなんて、過ぎたることさね)
1-5)4
|電線に黒きさざ波むくの群 三島市・三島市民俳句会(12-12)
|椋の群れ斜陽におびえ残り闇 行く当てなくてずらり電線
> ‥椋鳥(むくどり)が増えるには、それだけの餌があるからだ
> (燕が減る一方で不思議なことだよ)
> とは言え、増えたからって今やそいつ等を匿う(かくまう)だけの森も無い
> だから、昏くなるとより多くの仲間を募って、野ざらしの電線に並ぶってことだな
‥時代が平和になって、肉食化したヒトが
無防備にも個人主義とか、随分と恐いもの知らずになってるって事だな
されど、時代の先行きが不安だから、盛り返すように「絆」とか
幸福を探して来たわりには、野ざらしにも落ちぶれていたってことの証明だよね
(まぁ精々、椋鳥嫌いをせずに、暗闇での過ごし方に学べと言うことだろうね)
|鳥群れる大樹をゆする空っ風 三島市・三島市民俳句会(12-12)
|椋の宿 虎落笛に揺すられて だんまる群れに変わる枝影
> ‥椋鳥の群れが
> こぢんまりとではあるが大きな木を塒(ねぐら)にしているよ
> それにしても今夜は随分と虎落笛(もがりぶえ:強風)だな
> 群れると騒がしい椋鳥だって、すっかり大人しくなっちまってるよ
1-5)5
|ボス猫の手負ひて寒き庭の隅 浜松市・えぼしやま俳句会(12-12)
|ボス猫の影がなにやら枯芒 縄張り消えて甘んじる後手
> ‥おやおや、ボス猫だった奴が
> ひとり淋しくいつもとは違う隅に陣取っているよ
> ということは、縄張り争いに敗れたのかな‥(どうにも枯芒さながらだよなぁ)
|真夏日の風の道すじ猫昼寝 湖西市・川柳今切れ(12-12)
|猫昼寝 風さ味方の季節終え ぬっこり三昧おコタに陣
> ‥夏には涼しい風を求めて、猫は昼寝場所を探し回る(争うこともしょっちゅうだ)
> ‥今や冬場だ
> 風のある場所なんて嫌だとばかりにおコタに集ってくる
> 見ているとこれがまぁ、集えば尚温いとばかりに争わない
> 状況一つでこうも見違えるとは、風を求めたくなる気質って奴の本質を疑っちゃうよね
> (魂の詩人なんて奴は、平和の時代ほど用無しだからな)
‥そして
魂の詩人だからこそ、こう思う
「さっさと平和になってしまえよ、静寂こそが本望さね」
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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