2018年01月01日

【勝手句帳】180 29-12-23/12-26 其の2静岡新聞掲載分から

↓8)向宜詠吟.2018/01/01

|境内に「知足」と記さる秋彼岸当たり前なる日々省み        掛川市・葛の会(12-23)

|「足るを知る」創造過程の基本事項 狙いと手順に余裕得じ


> ‥自らの科学力で、宇宙を一から創造できたとしても
> エネルギーが余り有るなんて事は無い
> 必ずや供給不足に陥るのが相場さね
> ‥ならば‥
> 必ずや不足分を我慢しなければならなくなる
> それは単に、特定の物事に好奇心を示さないとした形かも知れない‥
> 宇宙人の姿が地球とは異なっていると思えば、たぶんそういう事情も合わさっているのだろう

  その上で

> エネルギーの公平性に競争原理を導入するとしたら
> 創造側の被創造に対する搾取宣言と言うほかに有り得ない流れだ
> ‥ならば‥
> ただ単に自分好みを貫きたいとした心は、それだけでもかなりの劣悪を孕んでいることになる

> ‥ではどうしたら良いかって?
> お互いに無理の無いペースでの暮らしを宗とすることだろうよ
> そして、自立の根っこを太くすることだ
> 大きなエネルギーを適切に扱うにはそれなりの負荷にだって耐えられないと始まらないのだから

> ‥其を単純に言い表すと、やはり「足るを知る」に集約されるのだ
> とくに、陰謀側の工作趣向と言うことでは無いのだよ





|競争に性善説は成り立たぬ 我が身第一ウソつき多し


> ‥良い暮らしをしたいと思ったら
> 他者を出し抜くことに躊躇はできない
> しかし本質的には安心できる暮らしの方を多くの者らが望んでいるのだ
> 多数決から言っても、他者を出し抜く発想に正義は無いに等しい
> ‥ところがそうでは無いとした空気が漂っている‥
> 見ろ、そこには我が身第一のウソつきが吹き溜まっている
> メディアそのものが競争原理を性善説に仕立て上げている
> それこそが嘘の体制だしな



|やってやる負けん気見せて鷹の餌 挑むべからず離れて集え


> ‥組織の中核からの改革を宗としても
> 結局は、組織に呑み込まれて思ったほどではない
> それでも世界は変わっていると思いたいのだろう
> ‥でもそんなわけが無い‥
> 環境が壊れてはお終いだ、結局のところ深刻化しているよ

> ‥代替を持たぬ猪突猛進なんか、何の意味も無い
> 一番で無くても良い、代替だろうとやっていける自立こそが大切だ
> お互いがそこに目覚めることだよ
> その自立をつぶし合っている自由競争に明日なんか無いのだ

> 競争が無いと切磋琢磨出来ないなんて奴は、ズルを好んで生きているようなものさね
> ‥それはつまり‥
> 上にあるほど価値があるとした考えそのものが
> 他者より良い暮らしがしたいと言うことなんだから
> 不公平の上に立つと宣言したも同然なんだよ

> ‥まぁ公平を重んじる限り
> 無理に「泥に棲めや」なんて、誰も言わないさ
> 口にしているとすれば、たいていが競争大好きの不公平容認(ポチ容認)側さね



1-8)1

|くっきりとヘッドライトや秋の雨       浜松市北区染地台

|くっきりと車のライト秋の雨 横切る闇はそれぞれの鬱


> ‥秋の雨はどこかもの淋しい
> それが夜の闇に車のライトで照り出されようなら
> ますます以てそのすれ違い様の闇に、お互いの鬱を見合うばかりだ
> ‥不思議なもんだな‥
> 車のライトがすれ違うその度に、照り出されるより、闇の中に居た方が安心するのだから




|何者にもなれぬこの身に淋しさが友の振りして傍らにいる        掛川市・葛の会(12-23)

|淋しさもこの身半分秋の連れ 志ゆえ前しか見ざり


> ‥競争で豊かになろうとすると、どうしたって無理をせざるを得ない
> いつの間にか前だけを向いている自分だけを理想と思い始めている
> ‥そんなことはない‥
> 光の当たらなかった部分はいつだって淋しいままさ
> そこへの気持ちが要らないなんてことも無いのだ
> そんな重荷を背負って人生を征こうというのだ
> そんなんでは、秋を迎えても、頬の緩みきらない自分に冷めたままというだけのことだよ


 ‥自分がそれで好いと思っても、家庭の中はなぜかそうでは無い
 ‥前だけを見るのが心強いなんてのは錯覚だよ(それは単に自分の好みや都合というだけでしかない)
 ‥否、弱みだよね。他の視界を知ろうとする余裕を持てないままなんだからさ



 *【解釈】ざり
 ‥一般に、助動詞「ざり」は打ち消し助動詞「ず」と混同視されているようだが
 明らかに、助動詞「む」に首を突っ込んでるような言い回しに用いられている。

 ‥「思わ『ざる』を得ず」‥なんてのはその典型だ
 打ち消し解釈なら「思わない」だけだが、「ざるを‥」と続けば、
 「思う必要も無きことだが、考えておく必要も一理ある(‥必要が無いわけでは無い)」
 ‥いや、もう少し、強い必要性を訴えている感じか


> ここの下の句引っぱりでの「志ゆえ前しか見ざり」なら


 「頑張ろうとして、前しか見ていられないぐらいの日々である」
 ‥だから豊かに秋を迎えようとも、他のことに時間を割けられない淋しさといつも半分半分だよ

 どうしたって、「打ち消し+いろいろ」とした気持ちを言い表さんとしての「ざり」なのだ



1-8)2

|国民が選んだブレーキな車         浜松市西区伊佐地町

|国民のアクセル好きにブレーキ無し 得するつもりがダイブ損


> ‥人類の多くが興奮に飢えている
> 中でも日本人のそれは貪欲に見える
> 勝つことしか頭に無い‥「先手必勝」「攻撃こそ最大の防御」などなど
> どうにもアクセルを踏んだままの人生観だよ
> ブレーキを使いこなさないとほんとはダメなのに
> わかっていても、使いこなそうとはしていない
> だから、負けたとき、負けてるときの悔しさが、勝手に倍増しちゃうってことだよね
> (‥やけくそにもなれば、どうしたって空中ダイブ状態(突撃)になりがちだ)





|横断歩道車を止めて待つ我に駆けぬけ行く子一礼する子         掛川市・葛の会(12-23)

|通学路車を待たせ立つ吾にそのまま行く子一礼する子          手直し1
|横断や一時停止で待つ吾にそのまま行く子一礼する子          手直し2


|利を急いて渡る世間に冬将軍 インチキわがまま溢るるや


> 人類全体で利を急いていては、操作もされ易く
> 冬将軍も登場すると言うことだよ
> なにしろ、全体としてインチキにわがままと言うことだからね
> それが利を急いている有り様だから、その手の鏡似性がシンクロしてくると言うことだよ



1-8)3

一枚の舌さえ持て余す老後          浜松市東区和田町

|何を手にすれば良いのか老いの芸 一枚の舌さえ持て余し


> 生涯現役というのを芸人なんかに当てはめると
> 舌で勝負せざるを得ない訳だが
> 気ままでしかやって来ていないと、当然若い奴らには体力の面で及ばないのだからダメである
> そこでアイデアというか年の功での勝負をするにしても
> 気まま以外もしくは十八番(おはこ)以外の生き様という奴を、試みた例しがない
> そういうタイプに限って、いつも同じことばかりしている
> ‥翻して述べれば‥
> 時代の梯子が外れると、多くの者が自信を持てずに自らを彷徨うと言うことである
> (ならば、好奇心のある内に、新しきに挑むのが「お得」ってことだろうよ)



1-8)4

|夜ごと見るせかるる夢に眼が覚めるのんびり生きているはずなのに    掛川市久保

|毎晩や夢で急かされ眼の覚める のんびり暮らしに問える悩まし


> ‥「のんびり暮らす」と言っても人それぞれで
> 本当の意味で、創造的に時間を活用できないタイプにもなると
> ワンルームに時が過ぎていく
> それこそその場所から、心すら動かしてみようともしない
> ‥人間、一旦それに慣れて飽き出すと‥
> どうにも先祖返りが始まるようである(子供じみたお馬鹿を始めるのだ)

 (高速道路を逆走とか‥そういう流れの一つかも知れないな)

> それでも頑固に飽きることも無いままなら
> 夢の中にて、毎晩のように説教されるしだいらしい


 ‥「ん?」、それって多少の迷惑は、人生にありきってことか??
 宇宙からしてみると、多少の迷惑に支障は無いってことか??
 ヒトの考えすぎってことか??
 (ある程度の手違いは織り込み済みってことで、気にするなってことらしいな)


 ‥ヒトの情報受信性能からして「誤差2%」もあるって代物だからな
 「誤差2%」を宇宙的に見たら、かなり問題有りのポンコツだぞ
 計画側の想定外対応とヒトの側の修正力を試しているとも思える微妙な調整だよな
 (計画側の貪欲さと徹底に向けられた気の長さを思わざるを得ず)




|忘れたい過去だけ残る記憶力         伊豆市貴僧坊

|忘れたい過去だけいつも雪のよう 綺麗だなんて思うまじけれ


> 心の中を渦巻くのは、どちらかといえば嫌な方の思い出だ
> それはまるで、冬模様の雪降る空のように目障りなのだ
> さりとて、綺麗だなどととても思えるしだいでは無い
> 雪のようにちらついて薄ら寒く閉ざされている面持ちだ
> どうして他の楽しきらが、日に照らされて渦巻かないのだろうか?
> ‥思うにそれは‥
> その嫌なことを照らすべきが、汝のテーマと言わんばかりなのだろう
> でも馬鹿だから、どうしたって、嫌いなままで居ようとする
> 「絶対に許さない」とか言い張っている
> でも、「それが私だ」とまでは言い張っていないのだ、言い張っていたいだけなのだ



1-8)5

|ヒマラヤの眼下高々鶴渡る         沼津市香貫来ノ宮

|ヒマラヤを眼下V字鶴渡る        手直し1
|ヒマラヤの頭上高々鶴越ゆる        手直し2


|ヒマラヤを眼下にV字鶴渡る 機内の窓から見送るも陰


> ヒマラヤ越えの航空機の窓から、鶴の渡りが下方に確認できた
> でもすぐに陰で見えなくなってしまった
> ‥もう少し、見ていたかったなぁ



|ヒマラヤの頭上高々鶴越ゆる たくましけれど廃れゆく世


> ヒマラヤの上を今年も鶴が越えて行く
> 渡り鳥の習性とは言え、実にたくましい限りだよ
> どうして変わらずに同じ暮らしぶりを続けられるのだろうか?
> ‥人間なんてどうよ‥
> 続けたくてもかなわぬ夢だったり、気ままにもバラバラになったりだよ
> 同じことに挑み続ける共生という奴は
> それこそヒトにとっては憧れでも、どうにも幻想の所がある
> そもそもにして、一番に続かないのが穏やかさだよ

> ‥鶴にとっての渡りは
> エキサイティングだろうか?、それとも暮らしの必要だろうか?

> 外から見ると、他人のしていることは、随分とエキサイティングに見えたりする
> でも自分のしていることは、地味に見えたままだったりだ
> 自分のしていることの価値を見失っているのだろうな
> ‥まぁ価格にばかり換算し合ってればそうもなるだろうよ(くだらなくも思うよ)

> ‥そもそもにして、価値を見定めてから動いているかどうかだよ(多くが衝動的なんだろうよ)
> ‥競争社会なんて、多くが見切り発車上等だからな(エンスト上等のはずがないのに)



1-8)6

つるべ落し韮山反射炉口四つ         藤枝市末広

|韮山のつるべ落し炉影四つ 怒濤の幕末名残たるまま


 *炉影(ろえい)

> ‥韮山反射炉の志は遺産に等しいのかもしれない
> しかし、それが、どれほどの睨みを利かせたのかは、誰も細かくは知らないのだ
> 思うにそれの活躍にしても、ほんの渡り数年の出来事だったのだろう
> 多くの歴史が斯様な断片の流れゆくままだ
> 幕末ともなれば、尚更だったことだろう
> (つるべ落としに暮れゆく早さに、当時を思い巡らすばかりだなぁ)




|演習の砲音近し冬に入る           富士市厚原

|演習の砲音近し冬に入る つんざく響きこれで予行


> 寒い頃合いにあると、決まって富士の山の方から砲音が響いてくる
> これで予行演習だって言うんだからね、誰が戦争なんか望むってんだい
> (でもまぁ世の中には変わり者も居るわけだからさ、戦争も起こりうる想定なんだろうな)



1-8)7

|季節風はや吹きまくりさつま芋を掘りゐる畑の砂舞ひあがる   掛川市・なでしこ短歌会(12-23)

|芋掘れば砂舞いあがる景気足 芋づる式の稼ぎはどこに


> ‥景気が良いとか言うようだけどさ、年末のムードはしおしおだぜ
> でもまぁ宅配便だけは忙しいらしいからね、芋蔓式の稼ぎのあるところはあるんだろうな
> まったく以て、景気が良さげだろうとも、砂塵の中で芋掘りをしろって次第らしい




先を行く猫は突然振り返り婆と知りてか悠々とゆく       掛川市・なでしこ短歌会(12-23)

|先手行く日本はどこや冬の空 技術の槌に迷う島影


> ‥「う〜ん」最近の技術の更新がさっぱりだ
> 有るような無いような、これが多様化×グローバリゼーションの感覚なのだろうか?
> ドローンと言ったって、誰もが欲しいわけじゃない
> 日本の基礎技術の聞こえは良いけど、ビジネス展開にすぐに結びつくわけじゃない
> 地味でしかないと実感しているのも技術屋の感想なんだろうけど
> 選択支が多くなりすぎて、身動きできなくなっている節もあるだろう
> それが競争での駆け引きだとして二の足を踏んだままなのだろう
> (娯楽をお茶の間の花形に据えてきた20世紀とは、あきらかに異なる空気が21世紀にはある)



1-8)8

|トランプ猪鹿蝶のおもてなし       東伊豆町奈良本

|晋三猪鹿蝶のおもてなし こいこいさせし防衛セール


> ‥日米貿易で儲かっても、米国に防衛装備を発注すると途端に帳消しになる
> トランプ時代にしても表向きはそうにしか見えてこない
> まるで、猪鹿蝶の花を持たされて、こいこいを強要された仕組みだなぁ


 ‥本質的には、安倍政権に発砲を焚きつけて、退陣に追い込みたい策らしいけど
 そのまま第三次大戦に引きずり込みたい空気も渦巻いてるからな




|平成の尻尾戌の初日の出       選者(川柳)

|平成の尻尾へ戌の初日の出 幕閉じるらむポチ外交かも


> ‥平成の区切りが戌年(ポチ外交の区切り?)、世代交代の年が亥年(猪突猛進宣言?)
> これではまるで、ポチ外交を打ち止めにします宣言だ!
> 「マジっすか!?」
> ‥そこまでを誰が考えたんだ(偶然としか思えない)




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 12:39 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする
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