【勝手句帳】194 30-2-16,17,20 其の1静岡新聞掲載分から

↓4)向宜詠吟.2018/02/23

｜天空に月の居座る去年今年　　　　　　　　　焼津市・浜風句会（2-20）

｜去年の月残る鐘の音除夜しじま おわする宙より笑む今年

　＊去年（こぞ）、鐘の音（かねのね）、宙（そら）

＞　‥去年を清めて今年はやって来る
＞　もとい、やって来た

　　「先程までの月と、今在る月に違いはあるだろうか？」

＞　もとい、物事には微笑むタイミングというのがあるのだな
＞　よーく見上げれば、真っ先に微笑むポジションに御座すのがお月さんと言うことだな
＞　‥どうして世間は、去年今年に清まる夜空の主役に萌えないのだろうか？

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｜去年の星残る朝明け赤子泣く　　　　　　　　焼津市・梶の葉俳句会（2-17）

｜去年の星残す年明け冬銀河 吐く息白く見上ぐる今年

＞　‥去年が過ぎました、再び今年が輝いております
＞　「はぁ」それだけの事なのに
＞　年が明けたという星空は、とてつもなく鮮明だ

　　「何をそんなに、魅了されているのだろうか？」

＞　あれな天の川に思いを馳せても、取りあえず‥すぐには何も変わらないのに‥

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｜年迎ふ富士は肩雲靡かせて　　　　　　　　　焼津市・千草句会（2-16）

｜一富士や風靡かせて御来光 ダイヤモンドに胸ぞ高まる

＞　‥今時分の御来光と言ったら
＞　ダイヤモンド富士での初日の出（御来光ダイヤモンド）だろうね
＞　軌道計算的に念願叶うのかどうかも知らないけど
＞　心象風景としては、もとい、初夢として是非とも見てみたい所だよ

　　「でも、どちらの方が確率高いのかなぁ？」

＞　ヒトはなぜか、夢の方が見られる確率が高いように思い込んでいる節がある
＞　‥なぜなんだろうね？‥
＞　物理的に束縛されようと、不老不死なら待ってる方が確実
＞　（でも、富士山の方が先に崩れて無くなってそうかも）
＞　そうでないなら、バーチャル映像を作っちまった方が手っ取り早い
＞　（だったら、どこの山でもある意味一緒）
＞　「果報は寝て待て」とか、一番に確率が低いはずだが‥

＞　‥なのに
＞　その手の空想で日々わくわくできるって、どれだけポジティブなんだよ

1-4)1

｜風花や切り絵のような僧の列　　　　　　　　静岡市・羽衣俳句会（2-16）

｜風花や切り絵のような僧の列 仏事の足音なぜか息災

＞　‥風花が降りしきっている所に僧の列がやって来た
＞　もとい、たまたま仏事ある晴れ間に、風花が降りしきってきたのだ
＞　そこに、中止を知らない僧の列がやって来た
＞　‥その光景はどうにも‥
＞　雪降る中をゆく墨絵のような切り絵のようなまだらとした風景になった
＞　それにしても、今や、仏教も後を継ぐ者が減り行く世界なのに
＞　平然と、欠くところ無く語り継がれている姿を見れば
＞　どうしたって感心せずにはいられない

＞　‥しかし、それはそれで
＞　格差社会の中で、行事だけの仏教に成り下がってるだけの印象だよ

　　「神も仏も、汝を救いたる者だけを掬うのだ」


　（‥どうにも、組織への勧誘行事にあるだけのように思えてしまうなぁ）

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｜少年らグランド整備木の芽晴　　　　　　　　静岡市・羽衣俳句会（2-16）

｜寺小僧雑巾掛けや木の芽待つ 皸の手に水の冷たさ

　＊皸（あかぎれ）

＞　‥カレンダーの無い昔の寺の小僧は
＞　さぞや、木の芽が噴くのを待ちながら
＞　冬のお堂の掃除やら床掃除やらをしていたんだろうな
＞　皸に効く薬も無さそうだからな、そりゃ大変だったろうな
＞　（そういう先祖からの功徳ってやつが、大きいのだろうな）

　　それにしたって

＞　‥他の暮らしぶりと何が違うのだろうか？
＞　やはり、仏縁とやらに秘められたパワーありきと言わんばかりだな

　　日々暮らし向きの生業の汗より、祈りの方が「功徳貯金」が上と言うことか？？

　　まぁ祈りぐらい、作法にこだわらない限り、誰にでもできるからな
　　‥やってみるかみないかだけだからな（気持ちの切り替えの訓練みたいなもんだろうよ）
　　‥でも、その結果、お願い上手（言ってみる上手）になっても意味ないと思うぞ

1-4)2

｜初東風や重なる絵馬の鳴き止まぬ　　　　　　浜松市・白魚火梧桐句会（2-16）

｜初東風や重なる絵馬の鳴き止まぬ 駆けだしておりそれぞれの道

　＊初東風（はつこち）‥ここでの「初」は、旧正月を指している。

＞　‥受験生らが掛けていった絵馬が、風に靡いて音を立てている
＞　如何にも、それぞれの道を歩み出しているかのような吉兆だなぁ

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｜庭の木にふくら雀が成る如く　　　　　　　　掛川市・句会あさかぜ（2-16）

｜庭の木にふくら雀の鈴生りぬ そっと静かに一網撮送

　＊撮送（さっそう）‥撮影した画像をクラウド側に送信すること。

＞　庭の木に春先の孕み雀どもが鈴生りに止まって居る
＞　どら、こいつはシャッターチャンスだわい
＞　一つくくり撮って、ネットにアップするとしよう
＞　（まずは、逃がさんように撮らんとなぁ）

1-4)3

｜当てもなく乗った景色に途中下車　　　　　　浜松市・浜松川柳社いしころ会（2-17）

｜意外にも途中下車かな梅の香 てくてく行けばよその庭

＞　暇つぶしを兼ねて電車に乗ってみた
＞　その途中、梅の匂いがどこからともなく漂っており
＞　梅のある場所が、どうにも気になって途中で降りた
＞　匂いを頼りに道を辿っていくと、残念なことに塀伝いの庭の中からだったよ
＞　（物騒な世の中出しなぁ、格差社会だしなぁ、頼み込んでまでは嫌だからなぁ）

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｜今もある手押しポンプや水温む　　　　　　　静岡市・羽衣俳句会（2-16）

｜今もある手押しポンプや春惜しむ かつての我が家こみあげりけり

＞　‥久しぶりに近くを通った
＞　懐かしくなって、見えるところまで来たところ
＞　昔に使っていた手押しポンプのそのままが目に入った
＞　固定資産処分に売り払ったのに、誰も住んで無さそうなのを見て
＞　どうにもこみ上げてくるモノがあった

＞　‥どうして、親が亡くなったというだけのことで
＞　国に、思い出まで身ぐるみ剥がされなきゃならないのだろうか？
＞　どうにも、やり切れない気持ちで一杯になってしまったよ

1-4)4

｜二三回道を尋ねし風の春　　　　　　　　　　焼津市・梶の葉俳句会（2-17）

｜二〜三回道を尋ねて風光る ようやくめぐる人生の供

　＊供（とも）

＞　‥一度きりの初恋が、恋愛街道のすべてではない
＞　なんだかんだと、誰かしらを好きになるのに制限なんてないし
＞　だから、歯車が合わなくなるなるんてのは良くあることさ
＞　そんなのは、人生の道を何度か尋ねて、お互いに寄り道しながら行くようなものさ

＞　自分らしく歩いていれば、長続きすることもあるだろう
＞　それこそ、自分を信じた道のりとしての念いの強さだろうよ


　‥自分の望まないことには手を出さない
　‥そういう事の積み重ねが大事で
　その上で、多くのことにできれば関心を示せれば、尚良い

　‥関心の及ばないところからのご縁なんて無いからね
　仮に突然湧いてきたとしたら、想定外の自分に向き合うというだけだろうよ

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｜叱ること叱られることもずっと夫婦　　　　　島田市・主流社句会（2-16）

｜叱ること叱らるるも家族だし どちらが上も有りもせぬ仲

＞　‥夫婦という奴は、お互いに漫才だ
＞　それでも、ボケとツッコミの役どころが固定し出すと、行き詰まる

　　そうだよ

＞　夫婦の間に上も下もない
＞　どうして、ボケ役ツッコミ役に分かれる意味があるだろうか？
＞　親がそんなだと家族全体がぎこちなくなっている
＞　（まぁそれが普通とか思っている節も有るようだからな）

｜支え合うともに柱にともに土台 梁を渡すも日々の営み

＞　‥忙しすぎても、日々話すネタなんてマンネリだ
＞　それこそ生業がネタの中心だよ
＞　‥ぶっちゃけそれだけだと‥
＞　土台と柱があるだけで、梁の無い地中海古代遺跡みたいな様相だ

　　まさに、陳腐化の象徴だよ

＞　暮らしの中心は、今ある家族だというのに
＞　洗脳教育を受けた途端に、「古代ギリシャ最高」とか語りだす始末と同じだよ


＞　‥暮らしにおける張りも、建物の梁も
＞　どちらにしたって、架けないことには、頑丈には至らないものだ
＞　ところがどうにも、梁を架けることを覚えると、途端に、梁をメインにしたがるのだ
＞　（暮らし向きの張りにしても同じこと）

＞　‥見ろよ西洋の文化をさぁ
＞　張り中心の文化になっちまってるから、柱に土台が疎かだ
＞　自分も世間も陳腐化しちまうのが流れだよ

＞　‥より儲かる仕事に転職すれば好いとか
＞　どうにも、「梁」だからね
＞　そんな安易な「梁の押し売り状態」では、それらを支える柱に土台なんてあるわけねぇ
＞　その証拠に、革新だけで暮らし向きが成り立つと思い込んでいる節がある


＞　‥基本はあくまで、柱と土台だよ
＞　人が求めるのは、いつだって柱と土台だよ

　　梁になろうとも、柱と土台ありきだからね、立場なんて弱いままさ

＞　暮らし向きの張りにしたって同じこと、気晴らしも気分転換も程ほどの扱いだよ
＞　でも、無さすぎても有りすぎてもギクシャクするのが張りと言うこと
＞　夫婦で居て、子宝に恵まれない行き詰まり＆恵まれすぎる行き詰まりと同じだよ




＞　うた詠み終わります、ありがとうございました。