【勝手句帳】202 30-3-9,10,13 其の3静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2018/03/17

｜雪吊りや松美しく囚われて　　　　　　　　　焼津市・豊田句会（3-9）

｜松に雪 姫うつくしく囚われて 兼六園の灯す雪吊

　＊雪吊（ゆきつり）

＞　‥兼六園でも冬場ライトアップである
＞　雪吊りの姿が、如何にも囚われの姫と言わんばかりで
＞　幻想的に思えたよ（雪吊りと言ったらやっぱり兼六園だなぁ）

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｜春寒し唇にある傷一つ　　　　　　　　　　　掛川市・甘藍・鴟尾の会（3-9）

｜春すぎて唇にある恋一つ 遠ざかりにけらし彼の花や

　＊けらし‥ここでは、「けり」＋「らし」の短縮形の意。

＞　‥最近、新しい恋に目覚めちゃいました（もうメロメロで夢中です♪）
＞　以前に好きだった人への想いは、いつの間にやらどこへやら・・
＞　きっと、あの恋心は
＞　春が過ぎて花が散るように遠ざかってしまったのでしょうネ

　（‥結局、恋心とは旬だと思います）
　（特に、お目当てにうんざりして気移りするパターンと言うわけでもありませんから）

1-6)1

｜焼き立てのフランスパンの音ぬくし　　　　　静岡市・青葉句会（3-10）

｜焼き立てのフランスパンの音ぬくし カリカリふわふわ時間よ止まれ

＞　焼き立てのフランスパンの外カリカリ内ふわふわが大好きです♪
＞　でも、時間が経つほどにこの食感が半減してしまうのがどうにも納得できかねます
＞　‥いっそうのこと時間が止まってしまえば良いのに‥
＞　もとい、フランスパンの時間だけ止まってくれたら好いのに

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｜電話口体ほてりてうわのそら　　　　　　　　島田市・新俳句連盟県支部茶の花句会（3-9）

｜電話鳴るほてる肢体は取組中 どうにも出れば盛り下がり

＞　‥只今、旦那とのセックス中
＞　電話が鳴っちゃってまーす

＞　ねぇ、あなたどうする？
＞　めんどくせぇ、出ちまえよ（ちぃ）

＞　‥（ルルルルル）俺にも掛かってきた、マジかよ

　　３０分経過

＞　すっかり気分が盛り下がってしまったので
＞　以後、取り組みの際には、携帯端末のスイッチはOFFがお約束になりました


　　（でもそれだと、地震速報とか受け取れませーん）
　　（識別取捨モードが欲しい！是非！）

　※　あるかどうかなど知らんがな

1-6)2

｜風の子の声とおくから跳ねてくる　　　　　　島田市・新俳句連盟県支部茶の花句会（3-9）

｜風ぬくみ声とおくから跳ねてくる 鳥も童もうきうき廻る

＞　‥春らしい陽気が続き
＞　なにやら、元気の好い声がとびこんでくるなぁ
＞　鳥も子等も、気持ちよさそうにはね回って
＞　聞こえ来る声に、こっちまで駆けずりたくなるよ

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｜人影の暮れてなほあり春の海　　　　　　　　沼津市・潮音みどり句会（3-9）

｜人影の暮れてなほあり春の海 徒然のこゑ打ち寄する際

　＊徒然（つれづれ）、際（きわ）

＞　‥春の陽気に誘われてか
＞　人影が、暮れた暗がりの春の渚にまだ残っている

　　何を語り合っているのだろうか？

＞　よく見れば、所々から声が打ち寄せてくる
＞　ああ、これが春の海なんだなぁ
＞　（いろんな人のお喋りを聞きたくて、海も、春が来るのを待っていたんだなぁ）

1-6)3

｜踏ん張って抜くるビル街春疾風　　　　　　　沼津市・潮音みどり句会（3-9）

｜踏ん張って抜くるビル街春疾風 乱るる景気ありつけば凪ぎ

　＊疾風（はやて）

＞　‥格差景気に踏ん張って、どうにか持ち堪えてこれからというのに

＞　　日経相場に怪しい気配が・・
＞　　でも春闘ベースは、安倍自民支持寄りにも悪くない

　　しかし

＞　安倍政権は倒閣果てるだろうから、どちらに転ぶかなんて分からない
＞　まぁ倒閣しようと今が底と思えば、どんぐりの背比べ景気だろうけど‥

　　‥今踏ん張れてるんだから‥

＞　たぶん、持ち堪えられるはずだとは思うけど
＞　財務省が、どこまで曝かれて、消費税打ち止めになるかだよなぁ
＞　つまり、うちらの景気としては、今は嵐の前の静けさってところか‥（何だかなぁ）

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｜立て掛けしままなる琴や春灯　　　　　　　　沼津市・潮音みどり句会（3-9）

｜立て掛けしままなる琴や夕座敷 商い閉づる淋しき音色

＞　‥「はぁ」すっかり用無しになりましたわ
＞　夕方だというのに、立てかけっぱなしの琴が痛々しいですなぁ
＞　少し前まではまだ鳴らせてたのに（‥ほんに、淋しい限りどゑす）

1-6)4

｜交番の巡査留守がちシクラメン　　　　　　　掛川市・甘藍・鴟尾の会（3-9）

｜交番の巡査留守がちシクラメン 普段の買い物通り路

＞　‥ここの交番、私が通る度に、いつも居ないのよねぇ
＞　シクラメンなんて並べちゃって、普段なにしてるのかしら？
＞　（シクラメンとお話しできたら、さぞや丸わかりなのにぃ）

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｜汐風や自転車ロード日脚伸ぶ　　　　　　　　浜松市・雄踏俳句会（3-9）

｜汐風や自転車ロード日脚伸ぶ 夕日をペースにいざなわれ

＞　‥トライアスロン目指してのトレーニングがてら
＞　午後に海沿いを自転車で走るのを日課にしているが
＞　気持ち良い汐風と、春の夕日に見とれてて、ついつい遠出になってしまったな
＞　（帰り道も合わせると、距離が倍々だぁ）

1-6)5

｜春の雨公園むくっとあくびする　　　　　　　静岡市・新俳句連盟県支部茶の花句会（3-13）

｜春来れば公園むくっとあくびせり そのうちくしゃみ鼻水と‥

＞　‥春が来るとあくびが出ちゃうよなぁ
＞　昔ならそのまま呑気に春を気持ちよく過ごせていたのに
＞　今じゃすっかり、→くしゃみ→鼻水と続く始末だからなぁ
＞　公園のベンチでまったりなんて、恐ろしくてとても無理
＞　（好いよなぁ、花粉症に無い人たちって、羨ましい）

1-6)6

｜話し込み慌てて帰る寒落暉　　　　　　　　　静岡市・はいくぴあエイト（3-10）

｜話し込み慌てて帰る春の暮れ 久しき人を後にコール音

　＊落暉（らっき）、後（あと）

＞　‥街中で久しい顔に出合った
＞　ついつい話が積もり、気がついてみればもうこんな時間
＞　すっかり日長の暮れに、お互い、大慌てで帰途についた
＞　‥さよならを交わした後に‥
＞　家に電話をしているのが、なぜか愉しく思えた

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｜草萌や遅き目覚めの大欠伸　　　　　　　　　沼津市・千本プラザ俳句教室（3-13）

｜草萌えや遅き目覚めの大欠伸 パジャマで新聞日曜日

　＊大欠伸（おおあくび）

＞　‥なにが平和でしあわせかって？

　　それはだな

＞　春先の日曜日にのんびりと起きてきて
＞　大欠伸しながらモーニングコーヒーを待ちつつ
＞　パジャマのまま新聞片手にくつろげる事だよ

＞　‥失われた二十年を振り返ると、つくづくそう思うよ
＞　（贅沢言わないから、戻って来て欲しいなぁ、今日も明日も皆で普通だった平凡漬けのあの頃）




＞　うた詠み終わります、ありがとうございました。