↓7)向宜詠吟.2018/03/27
|元旦や澪引く船のゆったりと 掛川市・遊史句会(3-23)
|夕凪て澪曳く船のゆったりと 往き交う浦の景ぞ憶づらむ
*澪(みお)、曳く(ひく)、景(かげ)
*憶じる(とじるーとづ)‥ファイルをセーブして閉じるの意。
転じて、思い入れ深い風情を心に留める意。
> ‥夏場の夕凪どきの浦を往き来する船は
> 不思議と、ゆったりと澪を曳くように見えるものだよ
> 何というのか、光景そのものが夏バテしているというか、うなだれているというか
> 兎に角、人の暮らしの息づかいが、生き映されているようで印象的だなぁ
|正直な鏡に向かいて意志強き我を作りし眉ペンシルに 掛川市・風の会短歌会(3-24)
|舞台前 鏡にさがす役の顔 意志彫り込んでいざ登場
> ‥舞台前の化粧という奴は
> 役の顔を彫り込んでいく作業ということにございます
> ですから
> 役の顔をその鏡の中でよくさがしておかないようでは、いつまで経っても一流には上がれません
> 「さぁ、参りましょうか」
1-7)1
|余命より早き訃報や寒戻る 藤枝市・桑の実俳句会(3-23)
|語るよりまずは一杯 寒の酒 火を噴く濃度 手拍子鳴らす
> ‥寒い雪国では、吹雪けば吹雪くほどに無口が板に付いてきます
> なにしろ心配ですからねぇ
> とはいえ、その気持ちをべたに口にして繰り返していても、ヤボというものです
そこで登場したのが酒です
> それもとびっきりに、火を噴きそうなぐらい度数の高い奴です
> 物好きにもこれが温まると言わんばかりに
> 語るよりまずはこいつを一杯
> 気がつけば、心配ごとなんかどこ吹く風で
> 手拍子に唄声のドンチャンが始まり、冬の夜を温めるのです
(質素な時代の頃の息抜きと言えば、概ねそんな感じだったんだけどなぁ)
|春暁や薄ぼんやりと鐘の音 掛川市・遊史句会(3-23)
|春暁や薄らぼんやり雪落下 大判小判に酔う寝顔
> ‥春が近づく朝は、起きられないほどに夢うつつなのが心地よい
そんな薄らぼんやりだから
屋根から雪の塊が落ちた音がしても、まだまだ夢の中
> ‥地蔵様の置き土産、大判小判のザックザックに脳内変換されたんだろうな
> 起き出して、外に、どかさなければならない雪の塊を前に
> ふと、うろ覚えにも、思い出しながらにやけたよ
> (きっと、夢を見ながらうつつの顔も、にやけてたんだろうなぁ)
‥もっとも、夢の中では、煙のような大判小判ににやけたわけだけど
うつつのにやけでは、自分にはお地蔵さまが付いて居てくださるんだって処がポイント
(夢とは言え、有り難いことだからなぁ)
1-7)2
|寒き夜温かき部屋にて見る夢は戦後みじめな自分の姿 掛川市・風の会短歌会(3-24)
|寒き夜の温き部屋にて見る夢は未だ終戦みじめな自分
*温い(ぬくい)
> ‥どうしてだろうな、七十年以上も昔のことなのに
> あれから復興どころか、色々あって、それなりの暮らしをしているのに
> 冬の寒い日になると、未だに終戦の頃のみじめな自分の有り様の夢を見るよ
> 自分で自分に擦り込んでいるようなそんな夢だよ
あの頃の記憶だけが、まるで自分のすべてであるかのように止まってる
> そんなことは無いとは思うんだけど、どうしてそこが中心なんだろう??
> 他のことなんかどうでも良かったって言わんばかりなんだからなぁ
> (自分でも自分がよく分からなくなるよ)
|思い出はひとりごとです捨てましょう 静岡市・たかね川柳会(3-23)
|思い出はひとりごとです時経てば 殻を破るは本音の熱さ
> ‥どんなにツラい人生も
> ‥どんなにたのしかった人生も
> 時間が経てば立つほどに、ただのひとりごとへと風化が始まる
> ツラかったことがトラウマとなり心に堀を築いている
> たのしかったことがこだわりとなり心に壁を築いている
ぶっちゃけ、どちらも、なんの足しにもなっちゃいない
> そこからの殻を破らないと、若さも強さを明るさも保てない
> 本音では、なにを求めていたのだろうか?
> 本音では、なにを築きたかったのだろうか?
本音の熱さは、コツコツと積み重ねていかないと顔にならない
> ただ闇雲に、おいしい話に飛びついては行ったり来たりの繰り返しだったなら
> 自分の本音にはおろそかで、なにも積み上がっていない些末がそこにある
(‥代わりに積み上がっちまったのが、トラウマやらカビ臭いこだわりと言うことだな)
(老けちまってからそれらをどうにかするってのは、そりゃ険しいだろうよ)
1-7)3
|七草を刻むリズムは母の詩 静岡市・たかね川柳会(3-23)
|七草を朝に刻むや粥の香 踊らぬ野草味 正座の味よ
> ‥う〜ん、どうにも七草粥って、正座の味よね
> 野草の味わいだけで、ちっともそそらない
> (朝から気合入れても、残されたりすると、それだけ損した気分になるだけよね‥)
|七草をすする朝にも肉卵 淡白ちがう蛋白の汁
|七草に教えを込めぬ母の味 ひと工夫にて伝統改ざん
> ‥「あれ?」七草粥なのに、肉の味も卵も入ってる??
> 質素を体に取り入れて、体調を整えようという行事だったと思ったけど
> これじゃ、たんぱく違いでいつもと変わらないなぁ
> うちの母は、伝統を改ざんした七草粥を仕込みました!(まぁいいか)
1-7)4
|冬枯れの庭木の中にりんと立ち寒さにめげず紅梅の咲く 牧之原市・田沼塾短歌会(3-24)
|篭もり尽く 庭先に「おや」梅ほっこり 先駆けたるや凛と立つ様
*凛(りん)
> ‥今冬の寒さにすっかり出不精になってしまった
> 庭に出ることも忘れがちの有り様のところ
> 梅が咲いて顔を覗かせているのに気がついた
> ‥いつの間に‥
> 梅はしっかりと春を付げていたよ
> 私の方が庭の隅に居るみたいで恥ずかしい限りだなぁ
> (寒がってばかり居ないで、庭の梅の凛と立つ様を見習わなくては)
|おあおあと油にはねて蕗の薹鍋にほろ苦き春をころがす 牧之原市・田沼塾短歌会(3-24)
|まみれても青さ忘るな蕗の薹 天ぷら皿で語れ山里
*蕗の薹(ふきのとう)
> ‥蕗の薹を天ぷらにすると野性味が飛んで食べやすくはなる
> しかしそれでは蕗の薹を味わったとは言えない
独特の「青さ」は、残っていてなんぼであろう
> ‥天ぷらなどと言うハイカラな油にまみれようと
> お前は山里育ちなんだからな、訛りを恥ずかしいなどと思ってちゃいかん
> 天ぷら皿の上でも、堂々と、山里に生きたままを味合わせてやれよ
1-7)5
|石蓴掻く婆の声消す汽笛かな 沼津市・潮音みどり句会(3-23)
|石蓴掻く婆の声消す遠汽笛 世間話も手もヨーソロー
*石蓴(あおさ)。遠汽笛(とおきてき)、ヨーソロー‥進路そのまま。
> ‥アオサを掻いているところに
> 遠くに見える船が汽笛を立てて通過していく
> 一時的に、婆ちゃんの声がさえぎられて聞こえなくなろうと
> そんなことぐらいで、中断なんかするものでもねぇ
> 世間話と掻く手は、それぐらいでは止まらないのだ
(ずっとお喋りしっぱなしで、気がついたら終わる仕事なんか、他になかなか無い)
(‥裏返すと、一人きりでなんか、やってられっか‥ってぐらい地味な仕事だけんどな)
|柵の無き土手に伸ばす手つくしんぼ 清水町・清流句会(3-23)
|「おいしいの?」ばあばに習う土筆摘み 見れば見るほど不思議なしっぽ
*土筆(つくし)
> ‥「これを食べるの?」
> 土筆を見れば見るほど、食べ物には見えてこない
> お婆ちゃんが大丈夫と言うから見よう見まねで摘んではみるが、納得できない
> 出来上がった土筆料理を見ても、その印象はさほど変わらない
> それどころか、益々もって、何かのシッポを見ているような料理だなぁ
1-7)6
|枯草を嘗めつつ走る野焼きの火の棚引く煙のどけくも見ゆ 掛川市・葛の会(3-24)
|うそぶけば野火に追わるる四方より 燻されておるこの国の春
*嘗める(なめる)、燻す(いぶす)
> ‥「公文書改ざん」
> どうにも官僚という人種は、うそぶくことが日常らしい
> 諸外国との駆け引きには必要な才覚だろうとも
> 国民までを騙しては、なにを国益と為しているかに疑問が募る
‥国民を騙して、税金を毟り取ってきた‥
> 結局はそれに集約されるばかりなら、そりゃ、四面楚歌だ
> 野火に追われて、逃げ場無しの有り様って事になる
> ‥この国の将来を思えば
> 国民の怒りに火が付いて、全体に燻されることになるのは当然の流れさ
|松毬を春一番が追い回す 清水町・清流句会(3-23)
|「安政麻金」春一番が追い回す 改ざんまだ有る不支持の眼
*松毬(まつまり)‥松ぼっくり。[秋]
*安政麻金(あせいあきん)‥とくに、安倍政権では麻生金融相が内堀の意。
> 今年は「春一番」と言える風が吹かなかったなぁ
> ‥いや待てよ‥
> 公文書改ざんによる国民の怒りという風は吹いたよ
ところがどうよ
> 安倍総理はへらへら顔にも逃げ腰だし、麻生金融相は血がのぼって佐川投げてるし
> この人達の狼狽ぶりはなかなかの演技で、本心からの動揺にしか見えてこない
> ‥だから、改ざんはまだ有る‥
> 国民の眼には、そうにしか映ってないのに
> どこまで‥突き通す‥つもりなんだろうね
> (そんな死に体で「9条改正」とか、国民を舐めているにも程がある)
‥ぶっちゃけ、将来的な教科書では
「安政麻金の変」とでも盛られて、恒久的に恥をさらすんだろうなぁ
決して、「佐川崩れ」とした小者の扱いで終わるわけが無い!
‥ちなみに
資本主義と言う表現も
民主主義という表現も今や正しくない
「王財民政」と表すべきが、世界の社会構造の実態だ
‥少し前までは、発行権を握った勢力が
自らの特権をひた隠しに、資本主義を誇張し、民主主義とを分けてきたが
今や、貴族と交わり王家と血筋になり
結果的に、王族が発行権を取り戻しているような状勢だ
「王族が財布(金塊権)を握っていれさえすれば、誰がどんな政をしようが問題ない」
‥王族間の多数決が、世界の投資状況を形作るのだ
国民にはお財布までは握らせないけど、それ以外はご自由に
それが「王財民政」と言うことである
> この体制に不満を持つ者は、能力主義を柱に実力行使をモットーにする
‥所謂、軍事色という奴だ
「金庫を管理するには、守衛が必要でしょう」との見解だが
さてさて、本音がどちらに向いているかなど、言わずもがなだろう
(一般には十分すぎる金庫力は健在だ)
(世界の王族とて、今やバラバラでは無い‥ほぼ親戚関係にあるそうだ)
(まぁ、中には変わり者も居れば、きかんぼも居るそうだ)
1-7)7
|演習の砲弾響く焼野かな 沼津市・潮音みどり句会(3-23)
|富士噴火来たれば割れむ窓かるく演習超えのツンザク音
> ‥自衛隊の演習(爆風)による共振は、嫌でも麓の地域にまだ届くわけだが
> 天候次第では、かなりビックリすることもある
> これが富士山のドカーンだったとして妄想を始めると
> ドカーンの規模次第では、窓ガラスが割れるのは必至だと思う
対策としては、シールシートを貼るという事になると思うけど
見映えや日当たりの加減にも変化が伴うので、素直にする気にはならない
> ‥とりあえず
> 噴火のレベル毎における共振の度合いを地域別に公表して欲しいところだ
> 場合によっては、インフラ車両の窓ガラスでさえ只では済まないレベルもあるかも知れない
‥とはいえ
桜島の例を思う限りにおいては、共振絡みの深刻度はさほど高く無さそうに思っちゃうわけだよ
(桜島と富士山の場合の差というのも気になるところだ)
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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