2018年04月10日

【勝手句帳】206 30-3-30,31,4-3 其の1静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2018/04/10

|パソコンをよどみなく打つ子の宇宙     浜松市・浜松川柳クラブ(4-3)

|忖度が役人正義にすり替わり 佐川のペースざまあ国会
|改ざんをよどみなく打つ佐川黙「役人失格」堂々恥じず


 *忖度(そんたく)、佐川黙(さがわもく)

> ‥偽装自殺にされちまうほど赤裸々に喋るべしとまでは思わないが
> どうにも、佐川証人の黙秘の事前に
> 忖度も正義みたいな空気が、世間にばらまかれていた点は否めない
> まったく以て、運勢という奴は巧妙にできている

  しかも、英語の翻訳なんたらに始まってるんだからな
  世界的にも、佐川証人の行動の意図の前宣伝になったような流れだし

  そして、其に、藁をも掴んだのが佐川証人だ

> 普通に考えても、公文書改ざんをぬけぬけとやりましたでは、「役人失格」そのものだ
> 其を「ど忘れ」している程度は、どうにも間が抜けている


 (自分の立場を忘れちまうような官僚が、上に居られるなんておかしいだろうが!)
 (役人の基本をなおざりでは、「組織の中は真っ黒けです」と言い切ったも同じよ)


 ‥そんなんでは
 いくらでも‥政権第一に請け負いますよと(国民主権は二の次三の次)
 国民に向かって、「政府×省庁」丸ごと束になって宣戦布告したようなもんだ

 だからこそ、ますます以て許せなくなる(裏を問い詰めたくなる)

 「如何にも、空気を読んで訊かないで下さいネ」
 ‥なんて戦法が通ると思ってんのかよ!!
 ‥役人としての基本を欠いてまでせざるを得ない忖度なんか、ただの悪党だ!!




能面の息を秘めゐる春の闇          SBS学苑パルシェ教室俳句(3-30)

|能面の闇を曝かば朧月 夜桜のがし佐川酔ひなど


 *能面(のうめん)、曝く(あばく)、朧(おぼろ)、

> 証人喚問に呼び出された官僚のツラは、どうにも能面だ
> 嘘が顔に出ないほどに表情が無いと言う訳では無いにしても
> その態度は、ほとほとに能面の如しである

> その能面の下に隠されたツラを晒して貰わないことには
> どうにも朧月夜の煮え切らない夜桜だよ

  それでは

> 能面を見ながら酔えと、権力に呑まれていれば良いと
> 折角の機会を逃して、後悔の煮え湯を飲まされる様なものだ
> 佐川一人に背負わせて、逃げ勝ちしようとしている輩だけが安堵するなど有り得ん


  それとも、官僚は全員「能面ヤクザ」なんですか?

 ‥「国民主権が死んでますよ」と暗に問われて、酒が飲めるか!!!‥



1-6)1

|白木蓮空に一途のこころざし        沼津市・片浜松風句会(3-30)

|白木蓮 空に一魂捧げ散る かのマフラーにあどけなさ残し


 *白木蓮(ハクモクレン)

> ‥今年も又、木蓮が咲き、散り始めている
> その白さを見る度に、かのマフラーを思い出す
> あどけなさを残したまま、お国の為にと‥どこぞの空に果てた兄ちゃん‥




|卒業は九月と決まり征きしまま       静岡市・清風俳句会(3-30)

|卒業は九月と決まり征きしまま もしかしたらの影も見ずまま

|赤で征き白に納まりそれっきり 兵の運否を愛でたがる国


 *運否(うんぷ)

> ‥兄さんは学徒出陣で征ったきり
> いつだったか、手元には白木の箱が形ばかりやって来て、中身は空っぽだった

  私たち家族はそのまま終戦を迎えた

> 死んだはずの人がしょっこりと戻って来た話を耳にする度
> 「もしかしたらと」‥ずっと家族皆でそう思っていた

  ‥でも、期待空しく、噂すら聞かず今に至っている‥

> 赤紙一枚で征かされて、白木の箱で帰ってくる
> 兵の命を、紅白で飾り祝っていたあの時の日本は、本当にキチガイでした‥



1-6)2

|腕捲りして持ち上ぐる桜鯛         沼津市・片浜松風句会(3-30)

|涙して声掻く炎 永遠の寒 焼け野に沈む高架の骸

|涙して声掻く津波 永遠の春 流るる郷を見晴らす残寒


 *永遠(とわ)、骸(むくろ)、郷(さと)、残寒(ざんかん)

> ‥阪神・淡路大震災の火災の痕は衝撃的だった
> ‥東日本大震災の津波は驚愕だった
> 永遠の流れが、そこで切り裂かれたかのように刻み込まれた
> 忘れたくても忘れられない、惨状が、目の前で止まったままだ


 ‥私たちは、身の危険を、ど忘れして息したくてしょうがない
 ‥私たちは、刻まれた惨状を、ど忘れして息したくてしょうがない

 それでは一体なにを以て、そこに街を築かんとしているのだろうか?
 身勝手にも現実から遠ざかり、妄想の中の幸福こそを真実にしたいのはなぜだろうか?

 そんなにも逃げ腰で、貧弱では、かの惨状を受けとめ切れてなんかいないだろう

 そうだ、私たちはいつもそんなだったよ



1-6)3

|一声が心底沁みる迷い道          浜松市・浜松川柳クラブ(4-3)

|一声が心底沁みる東尋坊 人こそ未練 孤に未練なく

|二言に殊更うざい春入社 待遇以外未練なし


> ‥人が何を基準にして生きるかは自由だ
> しかし、それぞれには不思議と気分次第の所がある
> 自分の意志を如何に歩もうと、気分や空気一つでころりと選択が変わるのだ

  それもまた自由なのだろう
  だからこそ、無責任にもなるのだろう
  否、そこでは、物事の二面性がフラクタルに膨らんでいるのだ

  ‥「孤独」一つにしてもそうだ‥

> 自殺の名所東尋坊(とうじんぼう)にやって来て
> 絶望の果てに親切な声を聞けば、途端に孤独に未練なんてないと言わんばかりにすがるだろう
> ‥方や
> 今どきの春入社に同じ事を二度も指摘しようなら、うざそうな顔をするだけで
> 待遇意外に興味が無いと言わんばかりだ
> まったく以て「一人がお気楽」との空気を集団の場にさえ撒き散らして、恥じ入るところが無い


 ‥このような反応は
 とくに誰々だからと言うことでなく、誰しもに見られる反応だ

 反応にあれば、とくに気にすることも無く、恥じ入る必要も無いと思うのが今風なのだろう

 それこそ、どん底を味合わないと、なかなかに公平の意識に注目する処が無い
 しかし、どん底を味わったんだから、俺は正義だなんて‥思い込みもどこかに潜む
 それもまた、公平意識の裏返しなのだろう


 ‥頑張ったんだから報われるのが当然だ‥


 その程度の思考の裏側には、まだまだ幸せには成っていない
 この程度を以て幸せだなんて認めない、少なくても減速など以ての外だ
 ‥とした「幸福になれない症候群」が渦巻いている

 「幸福になれない症候群」にはいくつかのパターンが見られるにしろ
 この手のパターンに潜む大きな錯覚は
 「まだ幸せにはなっていない」として
 現実の小さなよろこびの一つ一つを「ガン無視」している点に尽きる


 まさに、現代社会の豊かさの中に見られる若者の空気である


 ‥そこに起きる差こそ
 ならば具体的に何を手にしたいのか?‥という思考の「ある奴」と「ない奴」の差である
 豊かな時代において、その手の具体的なビジョンを得ることは、逆に困難とも言えるが
 身近なところにあるよろこびに満足を見つけられないようでは、「その先なんて無理!」

 単に

 より大きな価値観に呑まれていたいだけでは、何を得たとしても満足することなど無いだろう
 その様な有り様では、得られないことを以て‥「満足しない脳」を培ってしまっている‥
 満足しすぎると次を求めなくなる消費マインドを打破する商習慣の弊害とも言えるが
 自身の「満足」の方向に自覚が無いようでは、幸せに向かって舵を切らない船頭のままだ

 そんなのはどうしたって

 「波風立たなきゃ幸せ」の世間の横波を避けるのが「幸せ」と言わんばかりだろうよ
 ‥もちろん、その程度では満足出来ないマインドにある状況だ


 ‥なにしろ自由なんだから、自由を駆使しないとな‥
 そこには、「自由を駆使した結果が無いと格好が付かない」とした空気に満ちている
 結果、何かとした思い込みと共にすり替えられてしまうのだ


 ‥今や求められている豊かさの本質とは、「程よさ」である‥


 されど、「程よさ」の解釈ほど曖昧な響きもあるまい
 多くが豊かさを実感できない程の「程よさ」に満ちているとした解釈もあるだろう
 ここでの「程よさ」とは、もちろんその逆を指しているわけだが
 真逆が理解できていれば、ひっくり返すこともできるだろう

 しかし、そのひっくり返しを問えるかはまた別の話だ
 (便利さに新しさばかりを豊かさだと思っているうちは、まだまだだよ、チミっ)


 ‥そしてまた、「程よさの自覚」こそ、孤独からほど遠い‥



1-6)4

|文句愚痴小言噂時が過ぎ         浜松市・川柳社いしころ会(3-30)

|文句愚痴小言噂尽きぬ春 巡り合わせに期待ぞありき

|文句愚痴小言噂募る春 初見の違和感問えじゆえ


> ‥春になると新顔との出会いが多くなる
> 期待に胸踊らせつつも、期待外れに肩を落とす時節でもある

  その時節‥特有の問題とは‥

> 初見をすべてだとして思い込み、実際のところを知ろうとする好奇心にまで至らない点に尽きよう
> もしくは、過去の自分の匂いに惹かれて居たりするのだろう
> 新しきに対する免疫が弱いと言うことからも
> なかなかどうして、お互いをどのように扱うべきかで、及び腰にハマってしまう処だ


 ‥まぁパターンに分けても、人の数だけ違うわけだから
 初見で、相手のどこに違和感を抱いたのかまで精査できる程では無い
 よくて、感じた違和感について気が付けるかどうかぐらいだろう

 ‥でも、実際
 そんな事すら関心が及ばず、仲良くしましょう程度だ‥

 ‥べつに喧嘩を売りに来ているわけではない、にしても
 文句・愚痴・小言・噂なんてのは、その先がお粗末だって程度の白状である
 頭からの仲良し主義だろうと、大抵は、文句・愚痴・小言・噂ばっかりだし‥

 (そんなのうぜえだけだと思うわけだが‥他に反応の仕方がないのかね?)



|文句愚痴小言噂已まぬ春 自分にスロー保ちたく在り


 *已む(やむ)

> 自分のペースを保ちたかったら、群れなきゃ好い
> だから、それをやれない中途の集まりだからこそ、文句・愚痴・小言・噂も多いと言うことだよ
> なら、そんな文句・愚痴・小言・噂を引きずるぐらいなら、スローになっとけよ


 ‥そうは思うも、世間のその辺の実際は、スローペースにてスローを目指すが如しだからなぁ
 ‥取りあえず乗車しておき、見つけてから途中下車なんてのが昭和だったらしい
 ‥平成はと言うと、そんな器用な空気は無い
 ‥思いっきりに文句を垂れて云いたい放題、後のスローより今のスローにある
 ‥だったらまずは、スローに生きられるように改善しろよ(やかましい)


 「何がしたいの?」

 とりあえずスローを投げて、組織を選んだんだろう
 じゃ、戦いたいんだよね、「戦い方わかってる?」
 解らないのに、改善したい側に向かって「まずは教えて下さい」は通らないよね

 お前らのその手の「文句・愚痴・小言・噂」沙汰は、自らの戦の仕方を知らないところに尽きる
 せいぜいテメエがマッタリしてるビジョンしか見えちゃいない程度だ
 それじゃ、お前らが斜めに思ってる腐った上司と同じさね


 ‥具体的な改善のビジョンこそが、戦う上での武器なんだからな‥


 其を用意できても居らずに、お高い給料が貰えるとか、抽選会場じゃあるまいし
 (俺にはどうにも理解できないよ)
 (そこに渦巻いてるのは、やっぱり図々しさだけだよ)


> 人生は抽選だと思っている奴ほど、「合格」=「お高い給料を貰えるのは当然だ」と思っている


 ‥不公平の有り様を差し置いて
 平気な顔して、多少でさえ、カネを受け取れる意味が分かんねぇ!
 (俺の幸福になれない症候群はこっちだからヨ)



1-6)5

|もうきっと春はそこまで来たように木々の葉ずれが心くすぐる       沼津市・萩の会(3-31)

|空売りの春がそこまで来たような相場の崩れ心くすぐる


> ‥空売りとは
> 売り札を借りてきて、高いところで売り、安いところで買い戻して返す手法だ


 (こんなのを考えた輩は、モノを大事になんかしない奴だろうね)
 (全体観を見てはいても、一つ一つを見忘れてる馬鹿だろうよ)


> 相場が下がり出すときに
> 買い戻す人が居るからこそ、買い支えられるのだ‥とか理論付けられている

  何言ってんの

> 上がりで儲けて、下がりでも儲けられるように改悪したんだろう
> 下がりでも儲けられると、それこそ、カネを預け入れたまま現場を振り返らなくても良いからな


  ‥それでもまぁ
  揺らぎのように下がってくる時期があると、手の届くと思ってる心理もあるからなぁ




|熱に臥しまどろむ障子明りかな       静岡市・清風俳句会(3-30)

|熱に臥しまどろむ天井すがり見つ おどろし込まるる釜の夢


 *臥す(ふす)

> ‥ガキの頃に風邪を引いて二度ほど同じ夢を見たことがある
> それは、釜の夢だ
> なんかおどろしい空気があって、世界一級の釜よりもっとデカい釜が煮えてて
> そこに、なんだか人が集まっているのか‥集められているのか‥
> 記憶に乏しいが、そんな場所があるような光景を見たのを覚えている

  ‥今に思えば
  熱にうなされてる波動にシンクロして、斯様な世界を彷徨うのだろうなぁ

 (相場がバブるにしても、それと大した差は無いのだろう)



1-6)6

|限界も壁も自分が決めたもの        浜松市・川柳社いしころ会(3-30)

|ルート次第 人もみじめも限界も 希望の深度 精査せずらむ


> ‥誰しも、思春期を経た以降の人生の予定を
> 自分の願望と運を前提に決め込むところから始めざるを得ない


  それらが、如何に裏付けのない予定にあろうともである


> ‥大半はどうにもならない
> というより、多くは他者との絡みが前提だ
> 当人達に確認しているわけでもないのに、勝手に歯車に組み込んで当てにするのだ

  若しくは、当てにすることなど無い程に無作為かも知れない

 「ああ、そうだ
  確認などしたところで保証にはならないからな」

> ‥でも、だからといって
> そんなあいまいな習癖を、自分の希望に対してまで持ち込む必要は無い
> 自身の希望の有り様ぐらい精査して、諦めざるを得ないならスッパリと

  いずれかを捨てるしかあるまい

> そこから失敗していては、どうしたって
> 人を引きつける力も、運を引き寄せる力も弱いと言うことだろうよ




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 23:27 | Comment(0) | 名句にポン/2018前半 | 更新情報をチェックする
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