2018年06月18日

【勝手句帳】222 30-6-1,2,5 其の2静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2018/06/17

|大凧をぐいぐい攫う五月         浜松市・いたや句会(6-5)

|大凧をぐいぐい攫う五月 抗う日々の如くに夢など


 *攫う(さらう)

> こどもの日にちなんで揚げる大凧行事は
> そりゃ、未来への希望を育むのも目的だろう

 ‥しかしどうか‥

> 五月の風に攫われる大凧を引き戻すという抗いは
> そっくりそのままに私たちの暮らしぶりそのものだ

  そして今や

> 世間には、かつてほどに、夢に小躍るような空気は無い
> そりゃそうだろう
> 好景気などと囃したてられたって、吹き飛ばされ兼ねない競争社会だもんな
> 今の暮らしを維持するだけで手一杯だもんな
> (どこに夢を馳せろって言うんだい、ほとほと、すべての行事が頓痴気に見えらぁな)


 ‥名誉心ハラスメント頓痴気社会が!!!‥




遠州灘真赤に浮ぶ大夕焼          浜松市・いたや句会(6-5)

青春はまつ赤に誓う大夕焼 至らぬ吾を克服したき


> ‥まぁ人それぞれだろうけど
> 思春期にもなれば、大きな夕焼けとの対峙に、己のちっぽけさを思わずには居られまい
> そう思ったなら、克服したくなって当然だろうなぁ


 (尤も、具体的な目標が無かったなら、探すところからやり直さないとならないからなぁ)

 ‥ぶっちゃけた話、その段階で凡人だよ‥
 今更になって目標を探すようじゃ、目標を得ていた奴らに追いつけるわけが無い
 世間のそんな凡人に向けられたまなざしが、ブラックになるのも流れだったろうね

 (だって、目標を持っていた奴らは、給与の待遇に差があって当然だって頭だからな)

 待遇差を得る為には、それこそ競争ありきの勝者の優越感こそが褒美だよ
 其を手に入れる為には、どうにも他人の事なんて後まわしのズボラになるしかないさ

 上から「見ぬ振り×後まわし×ズボラ」という次第にもなれば、後追う側も真似し出すだけだよ
 結果として、競争による悪食へのデフレスパイラルが発生するわけさね

 (そこには、青春の太陽と向き合った初初らしさなんかねぇ)


 ‥賞与ハラスメント頓痴気社会が!!!‥



1-6)1

|一日を雑に使はず今年竹         富士宮市・湧本部句会(6-1)

|一日を雑に使うな今年竹 残業ダメの空気に沿えよ


 *今年竹(ことしだけ)‥その年の筍から伸びてる最中のやつ。[夏]

> ‥残業は、決して公平ではない
> 部署ごとでの残業の質を問えば問うほどに、その必要性は必ずしも会社寄りとは限らない
> 研究開発部門で言えば、個人的な好奇心からの追求要素は否定できないし
> 販売企画部で言えば、売上の評価において成果をより主張できる立場にある
> そういう細かい所を見ていくと
> 就業時間内に用をなるべく済ますという姿勢はフェアー精神の源だ

  しかし

> 事業の性格にも拠る
> 正義の味方も定時で切り上げなどと言っていてはふざけている
> 正義の味方の定時とは、現場の発生時間以外には有り得ない
> 命に絡む仕事ほどそういう性格を帯びている

  法律の文言に据え置ける世界とできない世界とがある

> 大体、どうして、会社側の裁量領域にまで政治が口を挟む必要があるだろうか?

  ‥それはそれだけ、政治の側が、庶民の給与体系に至るまで
  明文化して締め上げないと気が済まないキチガイをやらかしているということだよ


 (自由と言いつつ、自由権を侵害されているということに気が付くべきことだ)


 ‥名ばかり国民主権ハラスメント債務名義すりかえ世界が!!!‥



1-6)2

|耕しの土に鋤き込む日の光         藤枝市・桑の実俳句会(6-1)

|耕しの土に鋤き込む命ほど迷いもろとも身を捧げ逝く


 *鋤(すき)、鋤く(すく)
 *鋤除(じょじょ)‥悪草をすきとる、悪人をほろぼす。
  ジョジョの奇妙な冒険 → 鋤除の奇妙な冒険
 (適切な漢字に変換可能だったという偶然にしては出来すぎているぜィ)
 (‥ということで川柳からの漉きこみを鋤きこみに改めて、川柳ばりを「鋤き歌」とするもヨシ)


> ‥命の多くは弱者側だ

  見よ、肥料の内訳を

> 結局は、安全性の配慮から
> 命の糧には、命が一番というのが‥今や辻褄だ
> そこに科学の入る余地なんて無かったのだ

> そんな鋤き込まれるだけの命には選択権なんか無い
> 迷いもろとも‥問答無用で肥やしにされるのだ
> なんと無慈悲な身の捧げようだろうか

  それに比べたら、人の側には話し合う余地があるのだ
  いいや、話し合ったところで決着など付かないだろう
  誰だって、何処の馬の骨とも判らない言い分になど、鋤き込まれたくなんかない

 (長い物だろうと巻かれたくなかったら、巻かれたくなんか無いのだ)

  仮に鋤き込まれたとしても、丁重に扱われて然るべきが待遇だ
  そこに見られるのは、能力主義では無い、相済まぬ気持ちの終わりなき謝意である

> 同じやり方で同じ安全性のレベルでも
> その辺の謝意の姿勢の有る無しの差が、シンクロすべき未来を引き寄せる事になる

 ‥当然、受け入れ方の仕方によっても、シンクロしてくる未来は違ってくる
 糞のようにしか扱われていないと思ったら、糞のような世界が培われるだけである


 ‥開発ハラスメントふるさと喪失社会が!!!‥





|初蝶の花びらのやう舞ひ遊ぶ        焼津市・矢車俳句会(6-1)

|初蝶や花びらともに舞ひ遊ぶ かつてを偲ぶ亡き子に重ね


> ‥春になると、あの頃の日々を思い出しやすくなるのよね
> お花見の度にはしゃいでいたっけあの子
> 丁度今、あの紋白蝶の飛び回ってる辺りで、花びらと跳ね回っていたのよ‥



1-6)3

食べかけの煎餅みたいな白き月明けのカラスが目掛け飛び行く   焼津市・「菩提樹」小川短歌会支部(6-2)

|食べかけの煎餅みたいな白き月 明けの鴉がほおばりて去り


> ‥魔女が箒で飛んでそうな食べかけの煎餅みたいな白いお月様だなぁ
> しかも今は夜明け時で、明けの鴉がひと鳴きに現れては去って行ったよ
> 昔なら吉凶がどうのとか言ってそうだけど、現代はどうかなぁ‥




また一戸空き家となり竹の秋       浜松市・いたや句会(6-5)

また一戸空き家となり竹の秋 次は吾やも今朝のお隠れ


 *竹の秋‥筍に養分を取られて黄色く変色している竹の叢。(地下茎で繋がっている)[春]

> ‥アラ100超高齢化の時代の最中、お隣さんが今朝逝きよった
> どうにもここ最近‥竹の秋になると身近で多いよなぁ
> 今度は自分の番かもなどと、やぶさかになるよなぁ



1-6)4

|うら庭の大きさくらの花吹雪かすかな風に散り止まぬなり       富士市・富士川短歌会(6-2)

|裏庭の思いの限り花吹雪 旅立つ風に散り止まぬなり


> ‥明日上京、今や実家も消える世情だと聞く
> 自分もどうなるかわからない、順風なら向こうに居着くかも知れないし
> 気持ちとして、揺れ動かないわけが無い
> ‥裏庭のサクラもそんな気持ちを察してか
> 忘れて貰わぬようにと、花吹雪で語りかけているかの様だなぁ




|茶畑に一本のエドヒガン舞う花びらは我が肩に落つ       静岡市・長田寿短歌同好会(6-2)

|エドヒガン舞う花びらは肩に落つ「行ってきます」と茶畑に立つ


> ‥明日、海外への売り込みに出立する
> 生き残るには、もはや自分から動くしか無いのだ
> 茶畑に来てみれば、一本のエドヒガンから‥肩を押すように花びらが肩に落ちた
> 「行ってきます」‥不思議と自然にそう思えた



1-6)5

|葉桜人なつかしき浜松城         浜松市・いたや句会(6-5)

|懐かしき人葉桜かつて里 変わりばえ無く しばし戸惑う


> ‥久しぶりに訪れたかつての里
> 親が転々とした職柄事情の中で、唯一、土地勘を得るに至るほど比較的長く居られた土地だ

> しかしどうだね
> この里は、どうしたことかかつてのままだ
> 記憶の限りで言えば、開発の手が及んだ形跡が感じられない

  これはこれで、新たな門出を模索している側にしてみれば戸惑いである

> しかし‥培った土地勘がそのまま行かせそうなのは、願ってもない次第だなぁ




|空き屋敷静かにゆれる姫女苑        静岡市・中央寿俳句同好会(6-5)

|空き屋敷かつてを偲ぶ姫女苑 されどお前ら何代目かな!?


 *春紫苑(はるじおん)、姫女苑(ひめじょおん)‥キク科ムカシヨモギ属に分類される多年草。

> ‥手頃な物件を求めて歩き回っていると
> かつてに空き家と思い、秘密の遊び場扱いにしていた屋敷が健在だった
> 姫女苑の咲く雰囲気からして当時のままだ

  と言うことは

> ただの空き家に無く、管理されてきたという事になるなぁ
> ‥まるで、私の来るのを待っていたかのような佇まいである
> ‥となれば、早速、不動産に寄って、まずは話を聞くとしよう



1-6)6

ありなしの風にはららぐ茱萸の花夫の形見と日ごと声かく     静岡市・長田寿短歌同好会(6-2)

|ありなしの風にはららぐ恋若葉 日ごと色増す谷間ぞ眩し


 *茱萸(しゅゆ、ぐみ)

> ‥若い娘を見る目の大抵は、恋が前提では無い
> 単に「目の保養」が相場だろう

 (いちいち恋心を煩わせてなどいたら、無駄に怪しくなってくるからな)

> しかしまぁ、お気に入りという意味での
> 気になるあの娘の胸元への妄想は事欠かないという次第だなぁ




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 12:32 | Comment(0) | 名句にポン/2018前半 | 更新情報をチェックする
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