2018年06月21日

【勝手句帳】223 30-6-8,9,12 静岡新聞掲載分から

↓7)向宜詠吟.2018/06/21

単線の鉄路音なき昼の里群るる野の花風に揺れゐる        藤枝市・文化協会短歌会(6-9)

|山桜一両伏する峡の駅 たんぽぽ菜花 脇に沿え


 *伏す(ふくす)

> ‥「おや?」ここの秘境駅は、趣がひとあじ違うなぁ
> まず駅周りに並ぶ山桜が好い
> 目を見やる所々に生えてる蒲公英に菜の花のアクセントが好い
> そしてなによりも
> 秘境感をさらに盛る‥一両車両と景色との対比がじつにのんびりとしていて好いなぁ



|早苗田を抜くる一陣ガタゴトと 山峡ゆるりここの遠笛


 *早苗田(さなえだ)、遠笛(とおてき)

> ‥早苗田の間を縫う鉄道というやつは
> 乗って内から見るのと、降りて外から見るのとでは大違いだ

  とくに

> 音の聞こえ方がまったく違ってしまうのだから
> 乗っておしまい、写真でおしまいと云うわけには行かないのだ
> たまには降り立って、その土地々々ならではの列車の放つ音響とやらに浸ってみるのも悪くない
> ‥山間に聞こえる遠笛ほど、ふるさと感を倍増させる艶響(えんきょう)もないからなぁ



1-7)1

のすみれ空青ければ濃く咲けり      焼津市・梶の葉俳句会(6-8)

|山路来て何やらゆかし菫草 木洩れ日と居り いざのたのたと


> ‥「おやおや」山路に来てから、一息つきたくなった処に菫が居るよ
> 木洩れ日の差してくる雰囲気が、随分と穏やかに見えるなぁ
> 「どら」ここらで一休みしてから行くとしようかい



|菫待つ空の青かれ野の濃かれ これより平坦さらば木洩れ日


> ‥「やれやれ」木洩れ日にありつける山路もおしまいだなぁ
> これより先は、ひたすらの平坦が広がるばかりらしい
> 青空が一面に見えて、野の濃さが目立つのも好いんだか‥好くないんだか‥

  「おやおや」

> 菫がたんと咲いて出向かいてくれてたよ(これは失礼)



1-7)2

|富士山とを背にして新茶摘む       静岡市・風の谷句会(6-8)

|新茶摘む背には富士山駿河湾 起伏の眺め織りなす香り


> ‥「おやおや」ここでの茶摘みは、振り返れば、富士山と駿河湾だねぇ
> 是だけの眺めに育つ香りは、さぞや深い香りを漂わせるんだろうなぁ
> (人だって、風光明媚なところで暮らしてりゃ表情が違うからねぇ)




|夕暮れの茶畠に立ち時忘れ         静岡市・いきいき俳句会(6-12)

|暮れなずむ時を吸いこむ茶摘みあと 傾りに一人星いでるまで


 *傾り(なだり)

> ‥茶摘みのあと、たまに
> 暮れなずむ時間を茶畠の中で一人過ごすことがある
> 景色もさることながら、葉やら香りを確認している向きもある
> 一度浸り出すと、星が見えるまでそうしていたりしちゃうんだよなぁ



|逆さ富士 時を忘れて植田暮れ 豊かな稔り願いけるらむ


> ‥植田に逆さ富士が、おらが田の自慢だ
> もっと言うと、夕景での逆さ富士がじつに好い

 (いや別に‥逆さ富士を見ずとも富士山あってこそ何だけどな)

> そういう自慢できる景色があると、無駄に引き込まれちまうと言うか
> 景色に見合っただけの稔りが授かるように祈ってたりするんだよなぁ



1-7)3

|あたためてみたしと思ふ夜もあらむまろきにたまごを抱く冷蔵庫   藤枝市・文化協会短歌会(6-9)

|あたたかく見守りたきや亀ぞ鳴く まろくふくらむ妊婦のお腹


> ‥「おいおいおい」一段とまろくふくらんで来たなぁ

> そろそろか?
> まだまだよ♪

> 「ええー☆」まだかよっ(待ちきれねぇなぁ)
> 「くふふ♪」あなたってば、まるで亀が鳴いたようよ

> 「ははは♪」そりゃ好い、何しろ子宝だからなぁ




湯上りに窓開け放つ立夏かな        沼津市・潮音波光句会(6-8)
|隧道を抜くる潮風立夏かな         沼津市・潮音波光句会(6-8)

|湯上がりに窓開け放つけふの夏 抜くる潮風一杯の泡


 *隧道(すいどう、ずいどう)‥トンネル。

> ‥今年ももう立夏かぁ
> 風呂上がりに窓を開け放つ陽気になったと言うことだな
> ほんじゃまぁ、潮風に吹かれながらの風呂上がりの一杯を解禁としますかぁ

 (昔なら生ビール、少し前は発泡酒、そして今は‥内緒っすよ)



1-7)4

|角乗りの法被の躍る立かな        沼津市・潮音波光句会(6-8)

高し木場の角乗り江戸飛沫 息抜き上手 先祖の器用


 *法被(はっぴ)、飛沫(しぶき)

> ‥ほう、秋も終わりの時節に
> 「木場の角乗り」こんな催しがあるんだ

  江戸の木場衆の粋が今に伝わっていると言うことか

> 江戸のご先祖様達ってのは、仕事の合間の息抜きも息が合って(その上)粋だったんだねぇ
> 疲れ気味の今の私たちからしてみれば、ずっと元気一杯だったって事だよねぇ

 (だって、木場の仕事は「力仕事」その上「角乗り練習」とくれば‥今で言えば「残業ハラスメント」だぜ)




|遅春や知らぬ小花の咲く路傍        静岡市・いきいき俳句会(6-12)

蒲公英や知らぬ路傍に落つる旅 よそ者集う見事さかも


 *遅春(ちしゅん)、路傍(ろぼう)、蒲公英(たんぽぽ)

> ‥蒲公英ってのは、あれだね、所謂よそ者なんだなぁ
> それが何やら空から降りたって
> 春になると、路沿いなんかの殺風景に彩りを添えちまうわけだよ
> よそ者で構成されてるにしては、随分と立派なんだからなぁ
> 今時代の都会人なんか、見習うべきだよ

  翻って思えば

> お江戸の頃ってのは、それこそよそ者の集まりだったんだよなぁ
> どうして今の時代はこうも‥いつの間にかの蒲公英のようにうまく行かないんだろう??



1-7)5

朝練の掛け声高し光る          静岡市・いきいき俳句会(6-12)

|朝練の掛け声高し春の雲 透けくる空に飛球を追いぬ


> ‥野球部の朝は早い
> アイツらどんだけ元気が好いんだよって思ってたけど
> さすがに今どきは、指導の方の体力からして付いてこないらしい

  と言うことはなんだ

> 透けくる空に‥掛け声も、飛球も鳴り響かなくなるということだろうか?
> まぁ、人生の早い時期からスポーツ障害になるほど、部活動の時代でも無いと言うことだろうなぁ


  ‥それにしても
  昔の野球指導は、なんであんなにノックしまくりだったんだ?
  筋肉痛とかまったく無かったのかなぁ?

  ‥タフマンが多かったんだなぁ‥

  どうして今は貧弱になってんだ?‥(やはりこれには、ステビアのせいもあるかもなぁ)




|卒園や遊具に数多の声残し         焼津市・梶の葉俳句会(6-8)

|卒園や遊具に数多の声残し このままのサイズ比 いとおしく


 *数多(あまた)

> ‥今や卒園すると、小学校に‥まともになど遊具は設置されていない
> 昭和40年代の昔に比べると、残念なほどに撤去が進んでいる

  そして

> 突然にやって来る‥遊び場不在と学級カースト‥

 (ものすげー時代落差だなぁ)

> そんなともなると、遊具への懐かしさはどれ程だろうか?
> しかしまぁ、感覚としては、あの頃のサイズ感は捨てがたいだろうよ
> さすがに、大人になってからの滑り台の上とか‥「?」にしかないからなぁ



1-7)6

盤上の棋士十五春爛漫          静岡市・いきいき俳句会(6-12)

雷撃の棋士十五春爛漫 選ぶ昼食まぁ普通


 *爛漫(らんまん)

> ‥藤井棋士に持ち駒を持たせると何が起きるか分からない(どうにも雷撃戦である)
> しかし藤井の昼食ぶりとなると、普通の大人染みたメニュー選びで詰まらなさすぎる
> どうして、そんなところにまで注目が集まるんだろうなぁ

  まるで

> 藤井棋士の登場を、春時の花か何かのように、脳内に刷り込みたいような空気だなぁ




|あげひばりさびしさのなか空たかくあがれよあがれ涯のないあお   藤枝市・文化協会短歌会(6-9)

|さびしさを胸に抱いて出世欲 群るる都会は迷宮ゲーム


 *迷宮(めいきゅう、ダンジョン)

> ‥明治の頃には、故郷に錦を飾るなんて風潮があった
> それが今や何を物語っているかなんて、こちとら知ったこっちゃないが
> 出世なんてやつは、(今も昔も)家柄絡みの出来レースだって話だからな

  はなからハズレた生まれに、育ちにしてみれば、心細さで一杯だろうよ

> ‥それでもモチベーションの高いやつは居るようだ
> そんな奴らがこぞって集まる都会は、どう見たって迷宮ゲームだろうよ


  ‥折角の高学歴で都会に陣取ったて
  所詮は、迷宮に下りて行かざるを得ない仕組みの世の中だからなぁ
  お日様の光なんて夢のまた夢‥「はぁ?」

  そりゃそうだろう

  日の本の国から外に行けって、そりゃ「迷宮の旅」だからなぁ



1-7)7

ものの芽の光を纏ふ雨雫          焼津市・梶の葉俳句会(6-8)

紫陽花や光を纏う雨雫 晴れ出す空をその身に焦がし


 *纏う(まとう)、雫(しずく)

> ‥雨雫を纏う紫陽花の姿は
> 光が差し出すと、ほら、青空がそこにある

  ‥そこだよ、そこ‥

> 上の空なんかじゃない、紫陽花だよ
> 紫陽花そのものに空が描かれているよ
> ああ、まったくなんてロマンチックなんだろう

  紫陽花の花の色は、青は晴れ間、赤は夕晴れ

> 随分と‥雨の去ったあとの空の輝きに、美せられちゃっているんだなぁ




|蟇雨の残り香嗅ぎに出て          長泉町・ながいずみ俳句会(6-12)

|ヒキガエル雨の残り香嗅ぐ夜空 雨乞いがましゲロゲロ唱ふ


 *蟇(ひきがえる、がまがえる)、残り香(のこりが)

> ‥雨が去ったその日の暮れ
> まだ雨が足りないというのだろうか?
> ヒキガエルが、星と共に現れる

> その雨乞いがましい合唱は、次第に大合唱になり
> ついには、夜も更ける

> まぁそんなに頑張っても、右肩上がりで雨は降りやしないさ


 ‥この世の雨は、降るときこそ集中豪雨らしいからな
 ‥忙しいときにだけ人手が欲しいのと同じで、大地には自己中ハラスメントの自覚があるらしい
 ‥キレイが好いからって、右肩上がりをやらかすと、成り立たない土地もでてくると




|杖がわり鍬にやさしや青葉風        静岡市・木蘭吟社(6-12)

|杖がわり鍬をねぎらえ野良に風 雲も頼むわ湿も頼むわ


 *野良(のら)、湿(しめ)

> ‥「あーあ」こうも鍬を杖がわりにする歳になっちまったよ
> 日にさらされて暑くなり出すと、涼しい風が欲しいね
> 風に無くても、雲でも一向に構わん、雨がぱらついてくれても好い
> ほんと頼むわ(まったく以て歳だねぇ)




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 10:40 | Comment(0) | 名句にポン/2018前半 | 更新情報をチェックする
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