2018年07月22日

【勝手句帳】230 30-7-6,7,10 静岡新聞掲載分から

↓4)向宜詠吟.2018/07/22

焼き上り反り身の鮎に化粧塩        掛川市・南郷桔梗句会(7-10)

|焼き上がる反り身列島「チーン」の音 音を上げたくも片付かぬ汗


> ‥西日本豪雨が去った後は、とにかく空襲の後のようだ
> ただでさえ残骸を片づけなければ、いつもの日常がもどってこないというのに
> 列島がオーブンで反り返るほどの熱さに、まさに焼き上がったような音が上がる

  (でも頑張らないと、それこそ、暮らしが焦げちまうもんなぁ)




流れ作業汗をふく間も無く必至       静岡市・たかね川柳会(7-10)

|流れ作業 太陽刺して脳に無理 けふも汗だく夢が跡


> ‥一軒の泥を片付けるのに、総出の流れ作業だ
> 太陽が照りつける中、すぐに脳が馬鹿になる(フラフラだ)
> 今日も汗だくになって、夢の跡を片付けている

  夢を培った以上に、力を合わせて片付けている事に驚く

> ‥夢の在り方について思い知らされるばかりだな
> 俺ちって、もっと上を目指せたんじゃないかってっさ
> だって、こんな死ぬほどに協力できてるんだぜ


 ‥ゴミが出ないように工夫したくなるし、どんだけゴミの山なんだよ‥


> 誰も彼もが其に無口というのは、どうにも太陽に折檻されてる顔だよなぁ
> ‥地球に甘ったれてたんだろうなぁってさ‥



1-4)1

前に海背に紫陽花の碧深し         静岡市・風の谷句会(7-6)

|紫陽花や背に海原の成田離婚 心に雨ど然りとて碧し


> ‥「ジューンブライド」6月の結婚式と言うのがある
> ちょうど紫陽花の季節だ
> 業界に乗せられたカップルが、成田離婚しちゃう確率も高まった事だろう(統計は知らん)

> でも、当人等は、梅雨晴れとばかりにさっぱりしちゃってんだろうなぁ




|梅雨晴れに傘を迷子にした出逢い      藤枝市・川柳番茶会(7-6)

|梅雨晴れや傘の迷子が遇わす顔 大事にしたき久し友然


 *友然(ゆうぜん)‥友だってお決まりの場所に休息に入って語ること。

> 傘をどこかに置き忘れて、諦めようかと思ったけど
> 梅雨時での話だし、ダメ元で探しに出向いたところ
> 久しぶりの顔に出くわした

  傘はさておき

> これもなにかの縁と思い、お茶に話が弾んだなぁ
> (傘共に大事にしたいことだなぁ)



1-4)2

美しき棚田に並ぶ泥の顔         牧之原市・相良俳句協会(7-6)

水を張る棚田に並ぶ泥の顔 里のまじわり原点回帰


> よくよく考えて見れば
> 軒やら机やらを並べているだけでは、記憶の底にまでモチベーションは生じない
> それこそ泥んこのつき合いぐらいにないとなぁ

 (棚田に共だって田植えをしてみたところ、そんな風に思ったよ)




|悠々と連なる百匹の鯉幟みどりの風をいっぱいのんで         静岡市・しおん短歌会(7-7)

|万集く自適列島こいのぼり みどりの風に謳歌を乗せて


 *集く(すだく)

> ‥鯉のぼりの時節を俯瞰して見ると
> そりゃ列島に万の鯉のぼりが泳いでいるわけだな

> 全国津々浦々で、悠々自適な暮らしぶりが目に浮かんでくる
> みどり吹かす風に、各々の暮らしに謳歌を乗せて泳いでいるんだよなぁ

 (でも、決して億の単位でねぇ、所詮は万程度だよ‥‥はぁ‥‥)



1-4)3

|恵の雨両手広げる夏野菜          静岡市・たかね川柳会(7-10)

|通り雨 両手ひろげる夏野菜 農家の汗にやれやれの声


> ‥ようやくに雨が降ったなぁ
> 通り雨だったけど、やれやれだよ
> 毎日毎日、人力で夏場の野菜に水を撒くのは大変だからなぁ




|闇深くホタル捜して散歩道柿の葉裏に光呼吸す          御前崎市・もくせい短歌会(7-7)

|潜み照る闇の葉裏にホタルおり か光き呼吸と阿吽に候


 *か光き呼吸(かほそきいき)

> ‥夜闇に散歩をしていたら、葉裏に何やら光っているのを見かけたよ
> 近寄ってよく見れば、ホタルだった

  (このような状態もあるのだなぁ)

> そのか光き呼吸を、しみじみと眺めていたよ



1-4)4

|敵だって首から下げている不安       静岡市・たかね川柳会(7-10)

|敵にしろ首に下げたる不安かな 戦上手は危険視達者


> ‥戦国の世という奴は
> 常在戦場の「いくさ上等!」の世界観だった

> 呑気に、百姓仕事に疲れたなどとやらかしている場合ではない
> それこそ日々己の槍を磨かなぁならん

  敵だって同じだろう

> 同じように、不安に駆られている
> 同じように、平和にのんびりしたいと思っている
> 同じように、誰かに頼りたいと思っている

  殿は家臣&民頼みで、家臣&民は殿頼みだった
  ‥ところが‥

> 一番に頼れたのは、危険視達者な奴だった
> 危険視達者な奴ほど、実は、野心家だったりするんだから堪ったもんじゃねぇ
> それでも頼れるものには、なんでもすがった

  だがしかし、なにゆえにすがる必要などあっただろうか?

> ‥なるようにしかならない‥そういう時代だったはずだ
> (諦めを覚って、始めて見えてくる活路も在る)




|草いきれあの日遊んだ工場跡        掛川市・南郷桔梗句会(7-10)

|さ緑や工場の跡にチャッカリと ささやかながら天下草然


 *工場(こうば)、天下草然(てんかそうぜん)

> ‥雑草という奴は
> 気が付くと工場の跡なんかに、チャッカリと生えている
> そのマイペースな細々とした繁茂は、とにかく我がもの顔の天下だなぁ

  (こちらとしても、学ばないとなぁ)

> 細々にこそ、天下草然たる勢いが宿ってるってことだもんなぁ
> あとは夏を得れば良い(されど、ささやかにだ)
> 肥沃さなんて求めちゃいけない(砕石が引き詰められて繁茂し辛いぐらいが丁度良い)




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 16:47 | Comment(0) | 名句にポン/2018後半 | 更新情報をチェックする
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