2018年07月24日

【勝手句帳】231 30-7-13,14,17 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2018/07/24

|敷き藁に数多の西瓜鎮座する五センチほどの黄緑の玉         三島市・銀杏樹の会(7-14)

|鎮座せる万の価の西瓜様 どや顔殺しや贈呈用


> ‥北海道産「でんすけすいか」の高額競り値に、鼻血ブーっす
> 一玉買える金額で、夏日に毎日西瓜が食える(おつりが来る)

  こげな金額で西瓜を買うって、何だろうなぁ??

> どうやら
> まっ黒いスイカなだけに、贈呈用にどや顔しようって腹黒い需要かぁ‥
> ‥尤も、価格が価格なだけに、どや顔キラー間違いなし


 (貰ったら、お礼に一言言ってやろうぜ)

  ‥甘すぎるスイカって、カブトムシが死んじゃうんだよね
  今度は、カブトムシと普通のスイカが好いなぁ

 (あかん、これじゃ農家キラーやん)




雨垂れの音吸ひ込めり濃紫陽花       静岡市・満点句会(7-17)

|イトウ影滝壺の音吸ひ込めり 潜む大物幻のごと


> ‥伝説のイトウは超大物
> そんな影を見ちまっただぁ
> 滝壺の音を吸い込むように消えていっただよぉ



1-6)1

|鳧の巣を残して帰る耕耘機         三島市・古志三島句会(7-13)

|鳧の巣を前にたじたじ耕耘機 威嚇の止まぬこれほどのデモ


 *鳧(けり)

> ‥田んぼを耕し始め出したところ
> なにやら、鳧の奴がまくしたて始めだしたよ
> どうにも巣があるらしい

  なんだか面倒くさいことになったなぁ(どこに巣があるっぺや)

> あ−あ、おらを悪者扱いに
> あーもさっきからデモ騒ぎしよってからに‥
> おらの方がここのヌシだんべ、判ってんだべかや‥




地球儀のくるりと回る梅雨の夜       静岡市・満点句会(7-17)

|地球儀をくるり回せど大豆得ず タレに追い打ち蒲焼き討つかも‥


> ‥あーあ、ウナギ不良だし
> こうも世界中で異常気象だと、タレの方も心配になってくるよなぁ
> 大豆がアウトになったら、ほんと、うちら廃業だからなぁ

  ‥南無阿弥陀仏‥南無阿弥陀仏‥



1-6)2

|黒潮の心変わりかシラス減りバケツ一杯届いたあの日         三島市・銀杏樹の会(7-14)

|黒潮の心変わりもシラスまで 曽てやバケツ分食べたれど


 *曽て(かつて)、シラス‥イワシの稚魚。

> ‥あれも不良、これも不良、シラスまでも不良になっちまったとは
> 黒潮に嫌われちまったのかなぁ

  そりゃ昔はな

> 戦後も復興しだした頃は、まだまだ車大国ほどに無かったから
> 道路事情もまだまだだったし、獲れたら獲れた分が、近隣に出回る量も半端なかったよ
> 冷蔵事情も現代と比較にならないぐらいに悪かったし
> だから漁師仲間なら、バケツで持ち帰るのが当たり前
> 毎朝の食卓に、家族一人に丼一杯に出てくるのがシラスだったっさ

  それでも、あれが贅沢だったとは‥当時に誰も思っちゃいねぇんだなぁ

  だって、豊かになる為にって‥みなで貪るように漁をしてたんだからな
  今で言う中国の根こそぎ漁の有り様と、内心は変わらんよ

> ‥だからかなぁ
> 今から思うとスゲー豊かだったんだってしみじみ思っちゃうよ

  (黒潮にへそを曲げられていたかもしれんなぁ)




|婆の返し千粒梅干さる        三島市・獺祭鹿の子句会(7-13)

|梅筵 千粒返す婆の自慢 背影のダブる味こそ癒やし


 *梅筵(うめむしろ)、背影(せかげ)

> ‥婆ちゃんの梅干し好きの梅干し作りに改めて驚いた
> 気まぐれにも、梅筵の干し梅の数を勘定したら、優に千粒を超えていた

 ‥それを毎年毎年、ひっくり返して干し直しを繰り返してきたのだ‥

> 僕は、梅干し程度と、いつも好き嫌いで食べてただけだったっけ(汗)



1-6)3

|ヴァイオリンの絃ひく音色ささやきて夕映せまる初夏の庭     浜松市・アカシヤ短歌会(7-14)

|初夏の雨後 光降りくるヴァイオリン 振り向き問えば虹に遇う


> ‥今日、虹のような女性に遇った
> それは、初夏の雨上がりの夕時だった
> 雨上がりの雲間から差してくる光に合わせて、ヴァイオリンの音色が聞こえてきた
> 何だろうと振り向いて辺りを見回してみたら、垣根の方から聞こえてくるようだった
> 僕は興味津々にも、その垣根を覗いてやろうと近づいた
> そしたら、垣根越しに見えた奏者は、僕の足音に気づいていたらしく
> 中を覗こうとしていた僕の背後に声を掛けてきた

 「あらぁ、ませたお客人ね
  どう?、良かったら私の演奏もっと聴いてかなくて?
  」




|狛犬の鼻へ若葉の揺れにけり        静岡市・満点句会(7-17)

|若葉陰 狛犬の鼻くすぐりぬ‥‥まさかの風に陰ぞ撓りき


 *狛犬(こまいぬ)、撓る(しなる)

> ‥若葉の枝の影が、うまいこと狛犬の鼻面をくすぐっている
> そろそろくしゃみをしても好いタイミングだなぁ(そう思ったら)
> 鼻面を撫でていた枝の影が、くしゃみに撓ったように、風に吹かれた

  (‥って、まさかぁ☆‥?)



1-6)4

|夏帽子しかと被りて「さあ旅に」      焼津市・いせぎ句会(7-13)

|夏帽子しかと被りて「いざ地獄」片陰切れて括る足取り


> ‥今年の夏の暑さは尋常では無い
> 「2層高気圧」などと、夏のホラー張りのネーミングがされるほどだ
> すでに多くの死者を出している(侮れん敵だ)

  ということで、しっかりと武装していかないと途中でやられかねん

> ‥何と云っても、まずは鉄兜である(もとい夏帽子だ)
> 我が家からは片陰に恵まれているが、それも途中までだ
> そこから先は、腹を括るしかない

  では、出掛けてこよう




|沢がにのはさみ振り立て大急ぎ       三島市・獺祭鹿の子句会(7-13)

|満潮やハサミ振り立て急ぐ汗 夕焼けロマンも星も見ず


> ‥なぁ、後輩
> 満潮になるとハサミを振り立てて急いで帰るのって誰かに似てるよな?

  「え?」

> ‥‥はぁ‥‥シオマネキって
> 夕焼けロマンも星も見ないんだぜ、やっぱ人生の勿体ないだよなぁ‥‥

  「え???(なに、溜息入ってんすか??)」

> そうだ、これからは、定時にキッチリ帰る新人を「シオマネキ」って呼ぶのが好いかもな
> 先輩、今どきにそれを言うなら「シオマネキ化社会」ってネーミングっすよ


  「お前、そんな身も蓋もない言い方すんなッ‥
   働き方改革関連法案成立で、マジどうなるか判んないんだぞ
  ‥ちくそう‥自由且つ民主的に庶民の自由を奪う党の奴らめェ‥
   」
  「略して民奪党(みんだつとう)っすね」

  「いいや、今気が付いたが‥奴らは、脱する方の脱民党(だつみんとう)だ」
  「脱民っすか???‥脱藩の逆っすね」


> そうだ、出世欲にハマるほどに、世間の感覚から遠ざかるのが「脱民」だよ

  「ぶっちゃけて、脱民競争っすからね」

> 豊かさにほだされて、気がつきゃ
> 脱民どもがどや顔で民奪の音頭だ、世の中良くなるわけねぇっての
> そんな脱民した奴らほど、なぜか、うそぶくように坂本龍馬をヨイショしてるのが現実だ


  「そういう先輩も脱民したい派なんすよね?」
  「まぁ半分はそうだろうな」
  「じゃ半分は民奪したいのが本音って事っすよね、自業自得っすよね」
  「改めて問い直すと、ぐうの音も出ない‥(ガクッ)」



1-6)5

|新緑の深き底にて写経かな         沼津市・千本プラザ「俳句教室」(7-17)
ほんのりと夕闇点す月見草         静岡市・満点句会(7-17)

|仏縁の深き底にて月見草 ほんのり覚ゆ俗世の暮らし


> ‥わたくし、御仏の側に脱民してから
> 自分でも結構様になってきたなぁって思うも
> 実はまだまだなんですよね
> お恥ずかしい話で、夜ごと寝静まる頃合いになりますと
> どうしても、俗世の頃が懐かしくて煩悩に浸かってるんですよね‥

 (月見草の色の移り変わりを見てましたら、ほんとそう思いましたもん)




|でき映えを懸念せしこと徒労にて個性がきわだつ壁のあじさい     焼津市・高草短歌会(7-14)

|でき映えやどこ吹く風の狙いかな 個性際立つ壁の紫陽花


> ‥紫陽花ほど
> 酸性とアルカリ性の土壌調整次第で、狙った色に咲かせられる挑戦もない
> と思っていたら、こちらの狙い目なんかどこ吹く風で
> 植えてある壁際の紫陽花どもは
> こちらの想定よりずっと‥個性豊かに咲き上がってやんの‥


 (手間を掛けるってのは、その手間に、期待や予定を煩うだけ損だって常を学んだよ)

 ‥愛情にこちら側の色を添えさせようなんざ、クソッタレって事だからなぁ
 ‥相手にしたのは、命ある生物であって、論に従うばかりの静物に無かった



1-6)6


 トラウマ注意






青空を破りて瀧の落ち来たり        三島市・古志三島句会(7-13)

仰ぐ雨破りて瀧の落ち来たり 壺地獄なる削がるる屋根辺


 *削ぐ(そぐ)、屋根辺(やねべ)

> ‥大雨警報に高を括っていたら
> みるみる雨量が増してきて
> 気が付きゃ、屋根上にまで浸かるほどの瀧壺地獄に慌てたさ




|どこからも川現はるる涼しさよ       三島市・古志三島句会(7-13)

|どこからも川現るる津波絵図 逃げ場の無くて呑まれゆく影


> ‥そもそもだ、アスファルトが「なだらか×滑らか」だからあんなにもスピードが増すんだよ
> 天然の川だって、どっかでぐにゃって曲がってるわけだし、底もばらついている
> ああゆう交通上の不都合こそ、流される上での危険を下げてるって事だよなぁ

  つまりは

> 災害時の避難猶予を検証するなら、土地空間の利用に遊びがあってなんぼだろうよ 

 (空きがあると、すぐに塞いじまうのがヒトの馬鹿さ加減だろうけど)




藻の花の首あげて見る浮世かな       三島市・古志三島句会(7-13)

死んだはず首あげて見る浮世かな 炎の水面 逃げ場ぞ無けれ


 *水面(みなも)

> ‥流されて死んだと思ったのに、なんだか浮き上がった感覚に眼が覚めた
> 見ひらいてあたりを見たら、なにやら水面の向こうがゆらゆらしていた
> 意識がハッキリしてくると、それが、向こうから近づいてくる火災の固まりだって気が付いた
> 逃げようと、改めて見回したら、火災は四方から迫っていた(逃げようが無い)

  ‥また潜るのか‥

  ‥俺は今浮かんでいる‥炎はここに集まってくる‥ここは渦の中心???‥
  (深く潜れば、流れが二層になっているかも知れない)



> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 12:53 | Comment(0) | 名句にポン/2018後半 | 更新情報をチェックする
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