2018年07月29日

【勝手句帳】233 30-7-20,21,24 其の2静岡新聞掲載分から

↓4)向宜詠吟.2018/07/29

くぐり戸にひと花小あじさい      清水町・清流句会(7-24)

|躙り入る奥に一差しさ紫陽花 さあらぬ顔で梅雨の問い掛け


 *躙り口(にじりぐち)

> ‥紫陽花を生ける印象はシンプルに平凡だ
> そんなそのまんまの花瓶に一差しが、小さめながらも置かれていた

  躙り口から入ってきてそれを目にしては、「ひねりがない」と思わざるを得ない

> ‥茶席にもてなしてる方はと言うと
> どうにも然あらぬ顔だよ

 (まるで‥文句があるならお前で考えろと言わんばかりだなぁ)


 ‥ということで捻ってみた
 例えば、雨の日だったら
 紫陽花の花びらを水盆に一毬分バラして散らし
 そこに手頃な大きさの別の枝&毬を剣山に差して配置(足下は散らした花びらを寄せて隠す)




|雨上がる阿弥陀の手より蜘蛛の糸      清水町・清流句会(7-24)

|蜘蛛の糸垂れたるアジサイ通り雨 降らざる梅雨に救いの滴


 *滴(しずく)

> ‥梅雨に雨が降らない‥だからだろうか?
> アジサイに蜘蛛の巣が張っているのを見つけた
> 通り雨のあと、再びそこを通ったら
> 蜘蛛の巣は、雨に壊されて垂れ下がり、滴にまみれていたよ


 (アジサイにとっては救いの滴でも、蜘蛛にしてみればとばっちりだよな)
 (そんなたわいない日常の寸劇風景ほど、印象深く心に残るのはなぜだろうなぁ)



1-4)1

|田に畠に人動き出す梅雨晴間        沼津市・今沢オレンジ句会(7-24)

|田に畠に人動き出す梅雨晴間 合間の阿吽 暮らしの基本


> 都会暮らしでは気が付きにくいことでも
> 片田舎の農村暮らしの中に居ると
> ヒトの動きが天候に合わせているというのがよく解る

  「天には逆らえない」‥そんなイメージだよ

  ‥そんなだからだろうか?
 (お上には逆らえないなんて、思考にあるのかもなぁ)




|薄く入れた珈琲に足す雨の音        浜松市・槙の会(7-21)

|梅雨戻り珈琲に足す独り言 篭もり仕事の失敗続き


> ‥また、降り出してきたか
> 梅雨のこの時期、篭もり仕事のコーヒーブレイクがてら、つい独り言が多くなる
> どうにもアイデアに煮詰まる時節でもあるからなぁ

  (‥砂糖もつい足しちゃうし)



1-4)2

|夕べにはの恋しきかな       静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句のひろば」(7-24)

|夕べにはをめづるだかり 見事な闇も清らかさから


> ‥夕べになると、ヒトが、蛍見たさに押し掛けてくる
> あのねぇ、蛍を見たいなら

  まずは、現地にまで車で乗り込むってのはどうかなぁ?

> 電動だろうと
> 騒音を撒き散らしては、寄りつくモノも寄りつかなくなる‥ぐらいの気遣いが大事だよ


  ‥お互いに、可能性を育てようとの心配りの疎きに、それ以上など訪れない‥
  (良かれ悪しかれ、そういうものだ)




|花十薬何処にも記憶見当たらず       袋井市・高南句会(7-24)

|いつの間に身近のドクダミどこさ去り ドラッグストアさ代わり生え


> ‥気が付けば
> 身の回りの風景からドクダミが引退したかのように姿を見かけない
> その代わりと云っては、やったらとドラッグストアが繁茂しているよ

 (こんな様変わりを目にしているなんて、やはり‥不可解としか思えないのだが‥)



1-4)3

|指先を出発点に天道虫           沼津市・今沢オレンジ句会(7-24)

|指先を出発点に飛ぶ天道 虫から学ぶ夢の俯瞰


> ‥天道虫を指の先に乗せて、空へと放つ
> 目線は次第に遠くを見ているうちに視界から途絶えるわけだが
> そこに残る印象は、タンポポの種飛ばしに似ている
> 下から見上げて居るのに、夢を俯瞰するという印象は、とにかくファンタジーだよ


  私たちは何かと見上げては、夢を俯瞰している
  その先に何があると言う具体的な形が浮かばなくとも、夢を俯瞰するのだ

  ‥考えて見ると不思議なことだよ‥

  (見上げて居るのに、同時に俯瞰を楽しむのだから)




|合歓咲いて待ち望みゐる女子誕生      沼津市・今沢オレンジ句会(7-24)

|合歓ともに望み授かる女の子 この歓びに華になる名を


 *合歓(ねむ)

> ‥庭の(?)合歓も咲いて、女の子が授かった
> これ程によろこばしいことはない
> さて、この歓びに、華になるような名前を考えないとなぁ



1-4)4

|万緑を眼下大吊橋の揺れ          沼津市・今沢オレンジ句会(7-24)

|無駄な距離大吊り橋の炎帝下 凪の往復 修行かと


> ‥さて、三島にできたあの日本一を名乗る大吊り橋だが
> 炎帝下に往復しようなんざ、ほとほと無駄な距離だよなぁ
> おまけに風が凪いでいたりなどと想像するだけで、「修行」を連想しちまうよ


  ‥風が心地よい時間帯をピックアップして、宣伝しないとな
  ‥そのうち「死者の大吊り橋」などと事案が発生しかねないかもよん




|夏みかん何度も落とし幼き手        袋井市・高南句会(7-24)

|幼き手 何度もこぼす夏みかん 拾う根気に迷いを見せず


> 幼子の手に夏みかんはちと大きいようだなぁ
> なんども落としてはすくい上げている
> ‥まぁ泣きもぐずりもせず‥根気のありそうな子だなぁ




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 17:11 | Comment(0) | 名句にポン/2018後半 | 更新情報をチェックする
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