2018年08月18日

【勝手句帳】240 30-8-3,4,7 其の2静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2018/08/18

|暮れ際の空の華やぎ星まつり        焼津市・梶の葉俳句会(8-3)

|黄昏の雅ぶる宙にすきま星 移ろふ紫紺惜しむ瞬き


 *黄昏(たそがれ)、雅ぶる宙(みやぶるそら)、紫紺(しこん)

> 黄昏の移ろい時には、ひときわの雅ぶる宙が現れる
> そこに幾らかの星を見ることもあろう
> されど、見事な紫紺たる夕闇色が観測できるのは
> 地球のゆらぎ‥つまり「おやすみなさい」なんだろうなぁ

  ‥その挨拶に、応える星々もあると言うことだろうなぁ‥




コバルトの風吹いて来し貝風鈴       静岡市・はいくぴあエイト(8-7)

|夏惜しみラピスラズリの闇に寝る 深閑にける天の無窮


 *深閑(しんかん)、無窮(むきゅう)

> ‥夏を惜しんで、星夜の綺麗な里にやって来た
> 期待通りのラピスラズリの闇の如き星空に恵まれた
> そして、静かだった、どこまでもそれは果てしなく瞬いていた

  (素晴らしい休暇をありがとう、Good night)



1-5)1

庭隅に植えし記憶になき花の緋扇あやめが今年も咲きぬ          裾野市・石蕗歌会(8-4)

|「お前誰?」緋扇あやめが庭におり 植いたる記憶に無き孤高


 *緋扇菖蒲(ヒオウギアヤメ)、植う(うう)

> ‥気が付いたときには、わが屋の庭に緋扇菖蒲がお座りになっていた
> 植えた覚えも無いのに、いつから紛れ込んでいたのだろう‥
> ご立派すぎて、なんだか申し訳ないなぁ‥(もといラッキー♪)




|野に咲いて勿忘草とは趣な         静岡市・羽衣俳句会(8-3)

|「一途です」勿忘草のモテんふり 真っ青な笑みの気丈かな


> ‥ワスレナグサって奴は、小さくて青くてかわいい花だ
> ヒトに例えると
> 如何にもモテそうなのに、まったく普通なご様子で
> 一途な空気に誘われて親しもうにも、その元気一杯なご様子に
> なんだか邪魔しちゃ申し訳ないなぁって、気丈にも見えちゃう趣だよ




|雑草にまぎれ十薬背伸びする        沼津市・若草俳句会(8-7)

|ドクダミの背伸びの久し草の中 地場の効用思えば摘めり


 *十薬(ドクダミ

> ‥とんと見かけなくなっていたドクダミを
> 久しぶりに地元の草叢に見つけた
> 「ここで遇ったが100年目」ってな勢いで、煎じて飲むことにしたよ

> ‥なにぶんにも、咲く時季も終盤だったし
> こうも暑い日々が続いてると、地場&野生の効用とやらを試したくなるからねぇ



1-5)2

|ただ一人若葉の森にたたずめば五感にふれる森の息吹よ     沼津市椎の木短歌会7月詠草(8-4)

|佇めば鎮まる森に祈り笛 第六感をいざないし月


> ‥付近の静かな森にて、たたずんでいると
> どこからともなく笛の音が聞こえて来た
> それはとても神秘的な漂いに思えた
> さらに、雲が退き
> 月下の光に晒されて見上げると、祈らずには居られなくなったっけ‥

 (ほんとうは‥付近の小学生らしき笛の練習の下手な音色だったけど)




|紫陽花や本の匂ひと雨の音         静岡市・清風俳句会(8-7)

|梅雨ざれの本の匂いと雨漏り音 すっきりしたきこの先の筋


> ‥梅雨のこの時季、決まってわが家は雨漏りだった
> だから、降れば湿っぽかった
> その湿っぽさが本にまで匂い始めるともうダメだ

 (いい加減に直しても良さそうなのに、さっぱりのままだったけ‥)

> いつしか、本に齧り付いて、周りを忘れちまう事を覚えたさ
> 本の湿っぽさが匂いだした頃合いに
> 不思議と、面白い筋にハマっていたのが思い出されるなぁ



1-5)3

|水郷の風引き売りの風鈴屋         静岡市・清風俳句会(8-7)

|木下闇 風曳き売りのドッコイショ 金魚氷屋ドッコイショ


> ‥ああ、今日も元気一杯の屋台が三軒並んでるよ

  どうしてか、近頃(この夏)

> あすこの木下闇まで屋台を引っぱって来ては居座ってるよな
> 風鈴売りと金魚売りと氷屋だ
> 仲が良いというか、年金暮らしの健康維持なんだろうなぁ

  ‥俺たちは名付けてこう呼んでいる‥

  「三軒そろって『涼ませたいんジャー』ってな♪」




|溢れるを吸い込む初夏のシュークリーム   焼津市・梶の葉俳句会(8-3)

|甘さ立つシュークリームや蓮の夢 浄土うるはし滑らかさ


 *蓮(はす)、滑らか(なめらか)

> ‥シュークリームの印象とは
> 甘美(かんび)、甘雅(かんか)、甘優(かんゆう)
> まさに蓮の夢、浄土に足を踏み入れたが如きかぐわし
> ああ、頬張れば‥そこには涅槃(ねはん)が待っている‥(甘雨尽功)



1-5)4

風鈴の動かぬままの夕べかな        静岡市・はいくぴあエイト(8-7)

|手なづかぬ風と遊べや凪風鈴 沈黙アツき西日の調べ


 *凪(なぎ)

> ‥夕方になると西日がくそ暑いのだが
> そんなMAX暑いときに限って、風が凪ぐんだよなぁ
> その最も暑いときに限って風鈴が止まるのは戴けないにしても

  一つ、気が付いたことがある

> それは、沈黙こそが一番に「くそ熱い!」ってことだよっ


 (本当にアツさを秘めたる奴は寡黙だってことだ) 




明かり風鈴ひとつの宿         静岡市・はいくぴあエイト(8-7)

|風鈴や月が甘味においでやす 旅に真似あり抹茶小豆


> ‥京都の旅先で、甘い物が欲しくなり甘味屋に入った
> ぼくが座ると同時に
> 綺麗な姉ちゃんが、その店においでになったんだ(地元らしい)
> そりゃ、その姉ちゃんが何を注文するかが気になった(地元のオススメだろうし)

  こっちもまだ何にしようか決まってなかったしな、ちら見だったし

> 結局、そういうことで「抹茶小豆」を頼んだっけなぁ



|風鈴や月が甘味におこしやす 旅のよそおい抹茶小豆


> ‥こないだ客にスゲー美人が来たんだよ
> 何を頼むのかなぁって注目してたら、抹茶小豆だったっけ

> ‥それで、お前、珍しく「抹茶小豆」なんだ
> まぁね、嫌われちゃいないかって、無駄に心配になってさ、改めて味のチェックしてるのさ
> でもその客、「おこしやす」なんだろ
> ああ、だからこそだ

> 「ふぅん」そんなに美人だったんか?

> いいや、もはや大して覚えちゃいねぇよ
> 今後もスゲー美人さんが突然に現れても恥ずかしくないようにってな


 (う〜ん、何か違う気がするのだが‥まぁ黙っとこう)



1-5)5

気まま鉄風鈴に陸奥の         静岡市・清風俳句会(8-7)

|陸奥路より鐵風鈴の鳴り響く 南部の一品まほしかる旅


 *陸奥路(むつじ)、鐵(鉄)

> ‥陸奥路に入ってからと言うもの
> 聞こえてくる風鈴の音が、全部、鐵風鈴に思えて仕方がなかった
> そりゃ、南部鐵の一品が欲しくて、わざわざ足を運んできたんだからなぁ




|車窓よりキタキツネ見てカメラ出す北海道は今日も晴天      静岡市・長田寿短歌同好会(8-4)

|夏草やキタキツネ撮る午後一枚 美瑛の旅に涼ありき


 *美瑛(びえい)
 *参考:https://woman.excite.co.jp/blog/sanpo/sid_0465907/
     http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4580177.html

> ‥美瑛の景色を散歩しようとした午後
> 夏草の影に、思わず見つけちゃいました(パシャリ)
> こうもあっさりキタキツネに遇えてしまうとは、スッキリ〜♪




> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 18:21 | Comment(0) | 名句にポン/2018後半 | 更新情報をチェックする
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