2018年08月23日

【勝手句帳】243 30-8-10,11,14 其の3静岡新聞掲載分から

↓4)向宜詠吟.2018/08/23

梅雨明けを待たずに家いえの風鈴薫風を呼ぶを競い       三島市・銀杏樹の会(8-11)

|家々の涼のライブや音さやか 片陰を行く風鈴通り


> ‥風鈴の音が片陰に続く風情に溢れた通りに出くわした
> 家々から聞こえてくるそれは、きっと毎日がライブに思える程だった


 ‥人によっては、騒音レベルになりかねないだろうが
 江戸時代ならどうだろうか?
 娯楽も少なかったのだから、風鈴を皆で飾り立ててた村もあったかも知れないなぁ
 (そんな村にはさぞや気持ちの好い風が、毎日のように爽いでいたかもなぁ)

 *爽ぐ(そよぐ)‥創作当て字。




|海越しの風を枕に夏座敷          静岡市・葵句会(8-14)

|夏座敷全開海や間々寝入り 手伝い西瓜 釣りに夕焼け


 *間々(まま)、西瓜(すいか)

> ‥俺んちからは海が見える
> 縁側廊下の窓&障子を開け放てば、即、海全開の夏座敷に早変わりだ

  まぁ、好い風が入ってくると無駄に眠たくなる
  (夏休みの過ごし方としては、少々勿体ない)

> ‥そんな風に油断して寝入っていると、爺ちゃんが畑に誘いに来る
> やることと言えば、主に草むしりと水やりだ
> その後のご褒美がお気に入りと言えばお気に入りだが
> 外に出掛ける前の腹ごしらえでもある
> 仕事を手伝った後の散策には、遊びほうけているだけのダメダメ感がやって来ない

  散策と言っても、俺のお気に入りは釣りだ
  夕焼けを釣りに出掛けるのだ



1-4)1

百幹の風得し水辺雲の峰         富士宮市・湧本部句会(8-10)

緑陰の間に合わなくて水辺かな それも足りずと雲の峰に乞う


> ‥暑い最中、わざわざ緑の多い公園にまで足を伸ばすのは涼むためだが
> それでも足りないとなれば水辺がセットの緑陰をあたるしかない

  それでも足りなくなると

> どうしたって、雲の峰を眺めながら、雨降りを期待するしかない

  (ほんと死にそうなぐらいに暑いなぁ)




|エアコンに命預ける熱帯夜       静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句のひろば」(8-10)

|クーラーに命預けし全昼夜 十万ぽっちで命得


> ‥あまりの24時間真夏日にクーラーを新調した
> 電気代込みで十万円ぽっちなら十分に命得(いのちどく)だよ

 (ちょいと入院する羽目になるのと概ね同じだからなぁ)


 ‥ちなみに
 除湿 < 温風 < 冷風
 エアコンの中でも、クーラー機能が一番に金食い虫だッ

 ‥お盆明け頃(2018)の一時的な秋の涼しさは、なんと湿度が激低
 60%を超えていたのが40%以下だった(気温は30度前後)
 (除湿で十分OK!)



1-4)2

花びらの水の流れ忘れな草がかえらぬ初恋を想い出させる      三島市・銀杏樹の会(8-11)

|流れ着く勿忘草の恋心 馳せたる想い未だに秘めり


> ‥初恋は、なぜ上手くゆかず、さらにそのまま引きずる落ちが多いのだろう?

  (恋のテンションがスローだったから)

> たしかに、新しき恋ありきと割り切るのも良いだろう
> でも、恋多き人とは所詮違うのだ

  ‥そうやって、秘めたる想いのまま
  勿忘草(わすれなぐさ)のような恋心で、時を凌いできたのだなぁ


 ‥こんな気持ちを新しい恋の相手に語ろうなら、きっと機嫌を損ねるに違いない
  そう思えば、どうしたって昔を押し殺して生きてゆかざるを得ない
   それが嫌で、初恋はずっと、駄々をこねるようにそこに在り続いたのだろう

 ‥たしかに、初恋を語れぬ相手など、愛を語る上での役不足でしかない‥
  そう思えばこそ、初恋を上書きしてくれる相手を求めて已(や)まないでもいたのだろう


 ‥でも私は気が付いた、初恋を上書きして良いのは誰かじゃない、私だ!‥




半分のキャベツを四日で食べ終えて家族の多き頃なつかしむ    静岡市・笑桜短歌クラブ(8-11)

|四日掛け半玉キャベツ使い終え わが家の賑はひ懐かしけれ


> ‥子が巣立ち、夫が他界し、今や自分だけの食事を作る日々だ
> 半玉キャベツを食べきるのに、じつに四日も掛かる
> ああ、存分に腕を振るえた、家族揃って賑やかだったかつてが懐かしいなぁ



1-4)3

|詰め将棋解く短夜を寝そびれて     静岡市・SBS学苑パルシェ校「すんぷ俳句のひろば」(8-10)

|詰め将棋短夜解けて寝そびれて 詰まれし玉の気持ちかな


> ‥将棋に才が無かろうと、詰め将棋はハマると面白い
> うっかり寝そびれて夜が明けてしまおうなら
> その日はずっと詰まれた玉(ぎょく)の気持ちにもなる

 (今は昼の方が長い時節だってのに、ほんとやっちゃたよなぁ‥ふぁあ、眠い)




|尾形船エビの天ぷら頬張りて東京湾の景色たのしむ          三島市・銀杏樹の会(8-11)

|尾形船エビの天ぷら頬張りて東京湾にゴジラ現る

|遊覧船スマホかざしきオタク汗 芦ノ湖上空使徒来たり


|オタク汗 エヴァとスマホと旅歩き 箱根境のポイント探し


 *エヴァンゲリオン箱根補完計画ARスタンプラリー

> ‥箱根の特定座標でスマホをかざすと
> そこには、エヴァの名シーンがリアル再現!
> あとは、ご当地限定エヴァ関連商品をGETして帰るなり

  ‥当時は画期的に思えた愉快げな企画でも
  今じゃすっかり、有り体の沢山ありすぎて身動きできねぇ企画だからなぁ
  ダメだよオタクの汗は全力でコミケの為にあるようなもんなんだから
  どうせなら、ご当地コミケでもやらかしてくれれば好いのに

  ‥ご当地コミケで、該当作品の二次創作がオンパレードで並ぶと
  そこは絶対的な描き手の戦場と化する(テンションも違ってくると)

  猛烈なオタクともなると、買いそろえざるを得ない衝動に勝てるか否かだろう


  ‥さらに、普通のコミケとは違って
  そこにいる奴らは皆、該当作品のファンなので、違う何かが期待されるだろう

  ‥限定グッズ販売なんてやらかせば、徹夜組の登場もあるだろう
  声優の握手会なんてのでも、徹夜組ありだろう

  ‥毎年やらかしては、タイトル数だけに無理があるので、○周年記念単位あたりが妥当か‥



1-4)4

山開きひねもす靄る富士全容        沼津市・波光句会(8-14)

|山開きひねもすガスり富士見えず 見えぬは景色富士ぞ足下


 *靄(もや)、ひねもす(終日)

> ‥富士山の全容を見るだけなら麓からの景色でも十分だ
> では、なぜ登るのか?

  ‥富士登坂中にガスが立ち込めるとそれがよく解る

  富士登山の最中のガスともなると、富士山が見えなくなったのではない
  景色が見えなくなったのだ、富士山は今や足下にある

  だから

  見たかったのは、山頂からの眺めという事になる
  ‥もとい、登坂中の景色だ


> さて、これを人生に置き換えてみよう

  ガスの掛かった景色が一番に詰まらない!
  それはなんだ?

  それは、晴れきらない日常(見通しの利かない毎日)だ

  されど、なんだろうと生きる上での大地を踏みしている(それが人生だ)
  では、晴れきらない理由とはなんだ?

  それは、ガスってんのに山頂を目指そうとしている愚かさだよ

  ‥山頂にこそ極上の幸せがあると思い込んでいるからだ‥

  ‥幸せにはすでに至っている
  それが人生という道程だよ(はじめにあるべき解釈だ)

  登りだして山頂が見えなくなるのは自然の成り行きだ
  (暴走にも、自らの不遇を嘆くなんてのは二の次にしておけ)
  不足しているとしたら、それは、楽しむべき景色だ

  ‥その景色が見えてこないと言うだけで
  いつの間にか、それは山頂にしかないと思い込んでいる
  だから、山頂を目指すことしか頭に無い

  ぶっちゃけて言えば

> 人生に山頂なんかねぇ、ずっと登坂さ
> なのに勘違いを起こしていては、愉しめるわけがない

  人生における景色を愉しみたかったら
  そりゃ、見方を変えざるを得ない訳だよ
  ‥自らの見方の不自由こそを嘆け(境遇の責になんぞにするべからず)



> うた詠み終わります、ありがとうございました。
posted by 木田舎滝ゆる里 at 22:13 | Comment(0) | 名句にポン/2018後半 | 更新情報をチェックする
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