【勝手句帳】245 30-8-10,11,14 其の5静岡新聞掲載分から

↓3)向宜詠吟.2018/08/25

｜遠き日に友より頂く半夏生白き葉に見る友の面影　　　　　焼津市・｢菩提樹｣小川短歌会支部（8-11）

｜友未だ笑んで枯れざるハンゲショウ 歯の白き掛けたるアイツらし

　

＞　‥いつだったか、アイツからもらったハンゲショウが
＞　未だに咲く意味とやらにようやくにして気が付いた

　　ハンゲショウの葉は白掛かる
　　葉が白い→歯が白い→笑顔

　　‥まったくもって、アイツらしいや‥

＞　今となっちゃ、忘れ形見みたいな書き残しだよなぁ


　（こちとらも一つ、誰かに仕掛けておきたくなってきたじゃねぇかよ、べらぼうめぇ）

1-3)1

｜友逝きて喪屋ひつそりと雨紫陽花　　　　　　静岡市・あけぼの句会（8-14）

｜儚きや雨ひつそりと喪に紫陽花 穿つ慟哭 むせぶひねもす

　＊儚い（はかない）、穿つ（うがつ）、慟哭（どうこく）

＞　‥雨の時節に向き合う喪は、とにかく湿っぽくなりがちでいけねぇや
＞　献花が「紫陽花」だと尚いけねぇ
＞　終日（ひねもす）、こっちまでもらい泣きしちまうよ


　　（献花ぐらいパッとしたのにしとけってんだい）

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｜ともがらの煙のなき荼毘蝉時雨　　　　　　　静岡市・葵句会（8-14）

｜荼毘に付す今まさに消ゆ蝉時雨 ここが汀と祈る冥福

　＊ともがら‥なかま。／荼毘に付す（だびにふす）‥火葬にする。／汀（みぎわ）

＞　‥ああ、ついに火葬か
＞　これでほんとにお別れ‥というか、この世から消えるんだなぁ
＞　あとはもう、冥福を祈るだけだなぁ


　‥でも、冥福って何だろうなぁ？
　‥俺たちは一体なにを信じて、葬儀に「祈り」を盛るんだろうか？

1-3)2

｜送り火や闇の深さのなほ探し　　　　　　　　静岡市・葵句会（8-14）

｜送り火や闇の深きへとぼとぼと 言葉呑みたる切なさ辛さ

　＊辛さ（つらさ）

＞　‥海への送り火が、闇の深きへ運ばれて行く
＞　そのゆらりとした足取りは、如何にも、肩を落としてとぼとぼと黄泉に帰る様子だなぁ

　　俺だって、毎度毎度のこの手のシチューエーションに切なさがこみ上げてくる
　　どうしてこんな風習があるのかに疑問も募るが
　　忘れまいとしての事だってぐらいの空気は読むよ

　　でも、辛いよなぁ


＞　死んだら死んだで、この手の行儀に何処までも付き合うのだろうか？


　　‥重すぎるよなぁ
　　（それって絶対に成仏できてない人向けだよなぁ、そうとしか思えないよなぁ）

　　‥他人の成仏のことなんか、ちっとも判りゃしないのに
　　この手の行事は、「概ね成仏は難しい」とした解釈をし続けるんだよ

　　まるで、成仏のできない様を哀れんでる一方で、期待しちゃってるもんなぁ
　　（死んだらお終いもありだけど、お終いに無いのもありってな空気だよ）

　　‥成仏できないなら、できなかったで、又戻ってくれば好いなんて空気だからなぁ
　　そんなの「生まれ変わってこい」の解釈違いだろうよ、きっと


＞　その者の「生まれ変わり」を願ってやっとらん弔いなんか、無味！糞！矛盾！勘違い！

1-3)3

｜暑き朝夫の墓石に頭から冷たき水一杯かけやる　　　　　　焼津市・｢菩提樹｣小川短歌会支部（8-11）

｜灼盆や墓石に水をザップりと 見えぬ成仏ならばこそ

　＊灼盆（しゃくぼん）

＞　‥まったく暑い一日一日だよ
＞　これだけ暑いと盆だろうと、やって来やしないだろうからさ
＞　まずは、墓石にバケツで一気にザッパとやっちまったよ
＞　成仏してくれてんならそれでヨシ、しきれてないなら尚更だからなぁ


　　（火事に焼かれて死んだ口なら尚更だからなぁ）

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｜月光は母を下界に導かむ初盆の夜に月下美人咲く　　　　　　　　　　　　　掛川市・葛の会（8-11）

｜月光は母を下界に導きぬ 初盆咲きの月下美人‥

＞　‥お盆近くに月下美人を用意しておいたところ
＞　母の初盆のタイミングで咲いたんです
＞　月光りに誘われて母が帰ってきたんだぁなんて、はっとした驚きもしましたが
＞　タイミングの良さに、少々考えてしまいました
＞　一晩で咲いて散る花をお盆時に添えていたなんて、どうにもこちらの健康に差し支える話ですから‥

　　‥朝起きたら散っていた（居なくなっていた）という趣は
　　どうにも、亡くなっていた当時を思い出してしまいますからねぇ



＞　うた詠み終わります、ありがとうございました。