↓4)向宜詠吟.2018/08/27
|母見舞ふ夕蜩のただ中を 富士宮市・早蕨句会(8-17)
|メイ迷子夕蜩の真っ只中 右往左往にしゃがみ込み
|猫バスの来たる霹靂西日闇 サツキの声が空から降りる
|もろこしを届けて帰る夏の月 不思議はいつも蔭ではにかむ
*蜩(ひぐらし)、真っ只中(まっただなか)、霹靂(へきれき)、西日闇(にしびやみ)
> ‥妹のメイは、採れたてトウモロコシを、入院中のお母さんに届けようとして
> うれしさのあまり先走り、一人で勝手にまいごをやらかしました
> ほんとバカな妹だなぁと思うも、やっぱり妹だし、私お姉ちゃんだから
> でもどうしようもなくて、勢い余って、トトロに泣きついちゃったし
> そんなこんなで猫バスが来てくれてどうにかなったんだよね(ちゃんちゃん)
(‥そういうば、あのトウモロコシお母さん食べてくれたかなぁ?)
(訊きたいけど‥トトロ絡みだし、猫バス絡みだもんね)
1-4)1
|帰宅児へ冷し麦茶をまづ一杯 沼津市・潮音みどり句会(8-17)
|「郵便です」冷やし麦茶を先ずどうぞ 秘境暮らしのお付き合い
> ‥秘境暮らしの郵便配達に
> 今やボランティアが向き合っていたりする
(郵政民営化‥約款で宣告指定されている)
理由としては
話し相手の欲しい老人が多くなりがちで、仕事に差し支えるからなんてところだろうか‥
> なんだかんだと、もてなされては、引き留められちまうって次第らしい
|喉越しの馳走一瞬麦茶かな 沼津市・潮音みどり句会(8-17)
|喉ごしを麦茶で終えてあと一軒 この先とくに炎天の坂
> ‥「じゃまた後ほど、まだ一軒有りますので」
結局、コンビニも自販機も無いに等しいので、帰りにも寄らざるを得ない
(秘境の夏の配達は、とくに大変だろうなぁ)
‥どうせそのほとんどが役所からの通知なんだろうけど
‥通信インフラを未だに競争させて、ボロ儲けさせているからこうなる
‥只同然になれば、この手の労苦は、次第に消えて無くなるよ
‥ただし、役所通知をすべて電子化するには、当然、お馬鹿なナンバーが大前提にもなる
‥日本の社会では、なぜか、常に、そこには二択が絡むのだ
(どうせだから、行政と組んで)
‥秘境指定地の住人になると通信料金0になる実験的長期キャンペーンでもやれば良い
‥暗に人口増加策だけど、ほとんど見向きもされないだろう
‥なんだかんだと、秘境地の通話料無償化という形に成る
(秘境の婆ちゃんら話し放題で大喜びだぜ)
‥使い勝手が覚えられるかどうかがポイントだけど
‥そこはしょうがないので、ボランティアを募って送り込むしかない
‥住むと通信料が掛からないという点にのるかそるかになるだろうけど
(役所絡みの増加策なら当然、家賃優遇を期待したい)
1-4)2
|裏山は木々静かなり遠郭公 静岡市・潮音木曜句会(8-21)
|裏山の竹静かなり遠郭公 どっこら眺めよっこら歩き
*郭公(かっこう > ほととぎす)
> ‥裏山の竹の手入れに訪れた
> 静かで涼しげだし、郭公の声も聞こえてくる
(密集し過ぎている場所だとそれ程でもないかな)
> しかし、どれから間引こうかと始めるも、どこから手を付けて良いやらもはや解らない
それこそ先祖のノウハウとやらが正しいと思い始めれば、間違いをやらかしたくはない
> そうは思うも、そんなことをいっていては、手入れがますます延びるだけだ
> とりあえず、山全体の把握が欠かせないだろうと思い、一通り歩いたさ
(まぁ普通に考えても、古そうな区分から間引くしか無いよなぁ‥まずはバッサリと)
|緑陰や憩ふ如くに六地蔵 静岡市・潮音木曜句会(8-21)
|野ざらしや木陰まほしき六地蔵 西日のさして峠夕の貌
*峠夕(ふるさと)‥創作当て字。
> ‥日本の風景として、六地蔵を当然のように見かける
> 日陰があったり無かったり、まぁ様々だけど
> 野ざらしの上に、西日にガンガンに照らされているのがほとんどだろう
> ‥峠の安全を祈願して置かれていたりすることもある
> 地場の民と共に、その土地を見取ってきたんだなぁと思わざるを得ない
> 今どきの自由にかぶれたアートオブジェとは、別次元の存在感を思わざるを得ない
‥お地蔵さまに飽きちゃいましたの空気も有るかも知れないが
それはそれで、峠夕からの眺めをよく解っていないと言うことだろうなぁ
1-4)3
|夏座敷いづこへ座すも遺影かな 焼津市・宇宙蕗の薹句会(8-17)
|夏座敷いづこへ座すも遺影かな 似たる貌ありゃしみじみ笑い
> ‥古民家風情な屋敷ほどになくても
> 代々に受け継いできた農家なら、大抵、先祖の遺影を居間に並べていたりする
そんな親戚の家に上がって、見比べ出せば、似た貌を見つけることもある
そりゃもう、しみじみと笑うしかねぇんだけどよ
|遠花火我が来し方の幾山河 沼津市・片浜松風句会(8-21)
|遠花火我が来し方の幾山河 急ぎの脚を引き留めており
> ‥遠花火が追いかけてくる
> 私が今しがた旅して来た方からだ
> 振り返れば、山と川が連なっていて、どこで催されているのかは定かにならない
> されど、どうにも、急ぎの脚を引き留められているようだよなぁ
(すこしは、ゆるりと歩くのもありという事かもなぁ)
1-4)4
|川面より湧き出す花火咲き競う 静岡市・わらしな渓流句会(8-17)
|大花火しだるる光屋根に消ゆ 静岡市・わらしな渓流句会(8-17)
|万発の花火のしづくに若返り 静岡市・わらしな渓流句会(8-17)
|湧きに湧き花火のしづく消へに消へ 夜空に馳せし栄枯盛衰
> ‥日本人はなぜ、こうにも花火好きなのだろうか?
> 思うに、夜空に栄枯盛衰を思い重ねて眺め入るのだろう
> 決して、中国人の爆竹好きのように、派手しさを楽しんでいると言うことではあるまい
> 「甦る」という一連の風情こそを、惜しみ、愛しむのだろうなぁ
|星月夜何時か止みゐる子守唄 富士宮市・早蕨句会(8-17)
|涼の月いつか鎮まる子守唄 寝息の音に誘われており
> ‥寝苦しさにぐずっている幼(おさな)を寝かしつけるのは、大変だが
> すんなり寝ちまってくれると、今度は、その寝息に誘われて寝ちまってる事もある
> 涼の月の晩なんかは、ほんと魔法に掛かったみたいだからなぁ
> うた詠み終わります、ありがとうございました。
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