2019年08月08日

【勝手句帳】かじりよみ010


↓ 10)1 向宜詠吟.2019/08/08


|向日葵を咲かせ富士山かがやかす
富士宮市・早蕨句会(2019-8-6)

|向日葵を追えば富士山かくれんぼ 見つけた先の無双夏空


 ‥ネタの句の中七「咲かせ」の意図が曖昧でよろしくありません
 気持ちと狙いは伝わりますが、自慢げにも伝わります
 そりゃ自画自賛句にも汲み取れちまうっす

 そもそも

 ‥季語としての主役は「向日葵」であるべきなのに
 わざわざ脇役主張を頭からやらかしては、俳句として「駄目」の着目でーす

 複数要素で輝かそうなら、渾然一体を狙いましょう


↓ 10)2


|釣船の進水式や雲の峰
富士宮市・早蕨句会(2019-8-6)
|冷房車駿河の海を一望に
富士宮市・早蕨句会(2019-8-6)

|雲の峰 駿河の海を一望に 進水祝いの大漁旗


 ‥ネタの句の着目には無理がありすぎです
 近年の傾向としては、進水式に予算なんて盛らんでしょうから地味なのはわかります
 しかし、詠み映えを狙えば嘘も方便です(想定内での空想ありきも句づくりです)

 それにしても

 主体が季語に無き着目を17音にまとめるには無理が生じます
 仮に、|雲の峰 進水祝いの大漁旗 ‥に縮めるにしても、二音の字余りです
 その上、どうにもわかりにくい

 (雲からの連想で、皮肉や自虐にだって取られかねません‥不漁空気だし)

 そこを避けるには、景色としての清涼感に置き換えるべき用が生じるわけです
 (まぁ丁度うまいこと、答えとすべき言い回しが示されておりましてサクッと用立てました)


↓ 10)3


|奥へまだつづく酒蔵梅雨湿り
富士宮市・早蕨句会(2019-8-6)

|喉奥へ白き吟醸すっきりと 酒蔵栓のかぐわしき枡


 ‥「酒樽栓」ではパンチが弱く、「酒元栓」では飲み屋との境が曖昧です
 ということで「酒蔵栓」としました

 と言っても、蔵のタンクから直接やる試飲酒は調合されてはいないので
 当人の口に合うかどうかで言えば当たり外れはあると思います

(又、白き吟醸たるどぶろく状態で出てくるとは限りません)


 ‥ネタの句からすると試飲は無かった‥のかもと思わざるを得ません
 単に保存物件の見学だったとか‥
(梅雨に湿るほどの発酵環境とは如何に?)


↓ 10)4


|海の日や路地から路地へ風の道
富士宮市・早蕨句会(2019-8-6)

|笑い声路地から路地へ「ああ昭和」 すっかり剥離「美しき国」



↓ 10)5


ひとり居やそっと揺れてる釣忍
静岡市・長田寿俳句同好会(2019-8-6)

|ひとり居の居留守はとくに釣忍 涼には遠き「二度手間便」


 *釣忍(つるしのぶ)‥「落とし文」と似たような感度の季語。ともに三夏。

 ‥「一人居」とすべきと思うも
 玄関前に「ひとり」で居る側の気持ちを汲めば「ひとり居」の方が仕事途中感ありに思った
 というより「ひとり居」と「ひらがな」攻めであるのを見て、こちらも並べてみたくなった


↓ 10)63


|夏帽子姿見の吾若がえり
静岡市・長田寿俳句同好会(2019-8-6)

|夏帽子姿見越しの若返り 登り歩けばもとい御年


 *御年(おんとし)


↓ 10)7


|月見草夕べの花はいづこかな
静岡市・長田寿俳句同好会(2019-8-6)

|暖簾咲き月見草たる娘を見つけ つまみ見やるに「また注文」
|梯子やめ明日も来るぜ月見草 切り替え集中宵の銭
|昨日今日まずはあの娘だ月見草 飲むも飲まぬもお目当て居りき
|「まず一杯」飲めば飲むほど月見草 お代を払いスッカラカン


 ‥ネタの句の着目が痛々しい
 夕べの花はどこら辺かなって、物理的に動くわけが無い
 且つ、自分のうろ覚えほどしか無い余韻で、詠むべからずだろうよ

(そう思ったら、まずは季語の複数傾向から見直すのが筋、そのままで言い訳が無い)


↓ 10)8


|哀しみをまとひたゆたう水中花
静岡市・青葉句会(2019-8-6)

|悲しみをまとひたゆたふ月の道 これからずっと一本の松


 *水中花‥金魚鉢のお花版。

 ‥ネタの句の上五中七に続く詠みっぷりが見事なのに
 どうしてそこで下五が「水中花」なんだよ‥という不満からこうなりましたん

 (「月の道」と「一本松」の場所をとくに限定しないなら、読みようは色々)


↓ 10)9


|夕立のあと相合いのままで行き
静岡市・青葉句会(2019-8-6)

|夕立や相合い傘のうふふふふドキドキ高まりゃ虹ささし


 ‥ネタの句から連想できることはいくらでもあるっす
 読みようがいくらでもありすぎるにも程があるべきだが、方向性を示すべきワードがまるで無い
 仮に相合い傘なら、「傘」を省いた時点で解釈は∞(句作判断としては痛ましい)


↓ 10)10


|ふと仰ぐ雲のまにまに見ゆる月兄の笑顔に想い変わりて
牧之原市・浜木綿短歌会(2019-8-3)


 ‥静岡新聞の句作ひろばでは
 亡き母詠みがとくに多く、父を始めとしたその他家族への詠みは少ない
 全国的にその傾向なら、女子ほど男子の母には敵対というか思い入れはか細いのだろう
 それを偏見として扱うか本能として扱うかで言えば、「本能」だろう

 そこの問題を鑑みるに

 男子の母と馬が合わないのは、女子が子供なのか、相性なのかは
 旦那とすべき男子とのその後を見れば明らかだ


 ‥「恋愛結婚」云々にしたって、女子の側にはすでに大前提おおありなのだ
 そこを男子に「台所紛争に参加せよ」としたご時世を思うに
 そこらの繋がりが覚束なくなったがゆえのスタイルの変化だろう

 それを大人に成ったとはとても言い難いのも‥欧米化の流れなんだからどうしようもない

 自分らの生活の醜態部分を見せられないとした「本能」そのものでもあるだろう
 その手の割り切り方は、どう考えたって「お子様」なんだよ
 (協力してもらうにしても、慣れた方が良いとした勝手都合だろうしな)


> だったら始めから母系半々でやれっての、どうしてそうじゃないんだ?
> まるでロボット化を推し進めたい空気だよ


 ‥ここでは所謂ブラコン詠みであるに違いは無いのだが
 妹どころか姉を含めたシスコン詠み自体にお目に掛かった憶えがまるで無い

 男子の側にその手の空気が乏しくてどうして萌えが成立するだろうか?
 もとい、恋愛詠みに発芽する訳がニャー

 ‥ネタの首みたく、素直さをプッシュして、萌えに詠んでもらいたいものだニャー



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 13:52 | Comment(0) | 名句にポン/2019中途から | 更新情報をチェックする
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