2019年08月17日

【勝手句帳】r012(01-8-10,16)静岡新聞掲載分から


↓ 17)1 向宜詠吟.2019/08/17


|隔たりの夢と現実青簾
沼津市・潮音波光句会(8-16)

|隔たりの夢と現実青簾 格差育差の日和見時代



↓ 17)2


得意気や蟹を捕へし手を空に
沼津市・潮音波光句会(8-16)

|蟹捕らえそのよろこびや天を指す 「獲ったぞ」響く潮だまりの子ら


 ‥ネタの句の「得意気」に振り回されました
 何かと色を付けて解釈したがる傾向は、迷走の元でした
 (戻ってくる自信が有るなら迷走もありでしょう)


↓ 17)3


百までの余生数へて青田
富士市・ランブル富士句会(8-16)
|ふり返る農ひとすじや青田風
牧之原市・相良田沼塾俳句部(8-16)

|百超えの余力まほしき青田夢 ニュースになりたや「ああ農魂」


 ‥農業で名を馳せるのはそりゃ大変な訳ですが
 地味でも百越えで現役でしかも田んぼを担っていたら、それだけで「英雄」です
 ニュースにならねぇわけがねぇ‥


↓ 17)4


|空と水一枚にして田水張る
富士市・ランブル富士句会(8-16)

|田と空を一枚にせり「いざ水田」ふるさと鏡のパノラマ浪漫


 ‥ドローンを飛ばしての上空からのそれを見てみたいのですが
 地味に誰も注目してねぇのは、そこまで映らないからなんでしょうかね???
 映り込む高さというのも有ると思いますが、普通に山の景色を反射していれば
 絶景に見えないと決めつけるのは早計な気もしますけど‥(わからん)

 (そこまでの広がりを得るには地区を挙げてのイベント然になりますが、是非にっ)


↓ 17)5


|干草のたっぷりの日を束ねけり
富士市・ランブル富士句会(8-16)

|干し草やたっぷりの日を束ねけり ハイジ納得うふふのベッド



↓ 17)6


|下駄電は鬼灯市の鉢ばかり  *鬼灯(ほおずき)
富士市・ランブル富士句会(8-16)

|下駄電は鬼灯市の鉢ばかり 地味に惹かるるあの橙



↓ 17)7


|万緑や生まれて死すまで富士の水
富士市・ランブル富士句会(8-16)

|迷い果てどうにかつなぐ岩清水
|万涼や声を湧かせる富士の水
|木の間から雲やら西日眺めつつ
|「まだ来ない」遭難横にヤモリ居り


 ‥まったくもって困った句ですよ、このネタの着目は
 「万緑」が盛られているのは、夏こそ水の有り難さが分かるという事ですが
 「生まれて死すまで」は謝意を示したいのでしょうが
 それがどうして「富士の水」とした抽象的な言葉に括られるのかです
 物理的にどこを指しているのかの範囲が広すぎて、何に謝意を示したいのかが判りづらいのです
 ‥万緑を支える富士の恵みなのか
 ‥どこぞ富士周辺の地元の水への味わいなのか
 まったく以て、欲張りすぎています
 しかも「死す」までとした想定です
 それはそのままに他の牽制、上から目線にも映るわけですから、謝意と言うよりは自慢です
 (さらに「不死」に掛かっているとすれば、「死す」前提なんておかしい)


↓ 17)8


|もう二度と会うこともないちぎれ雲
牧之原市・相良田沼塾俳句部(8-16)

|ちぎれ雲 児の見つめ座す墓の前 齢重ねど止まった憶い


 *齢(よわい)、憶い(おもい)


↓ 17)9


|母みつめる稚児のまなざし膝の中
牧之原市・相良田沼塾俳句部(8-16)

|母を見る稚児のまなざし腕の中 健やかなれと微笑み返す


 ‥このネタの句もこまった要素を抱えています
 肝心なのは、誰のどこからの視点で詠んでいるのかです

 母と母の膝に居る子とその様子を見ている子ともしくは誰か
 ‥とした4人の目線を浮かべてしまうようでは、困ったモノです

 そもそも基本的に、膝の上の子がふり返って母の顔を覗き込むのは
 不安の心理暗示です
 状況が不明ならば、何かしらの不安を大に解釈せざるを得ないでしょう
 ネタの句では、そこの心理がまったく酌めずに「まなざし」を盛ってしまっています


↓ 17)10


|すててこの気軽さが好き四畳半
静岡市・葵句会(8-16)

|すててこを脱ぎ捨てようと四畳半 水を飲まねば柩白衣装


熱中症で1万2751人搬送 死者、20道府県で23人



↓ 17)11


|夏富士や駿河の海に身を浸す
静岡市・葵句会(8-13)(8-16)



↓ 17)12


|日の落ちて鬼灯市に待ち合わす
浜松市・雄踏俳句会(8-16)

|日の落ちて鬼灯市の人の波 昔縁日 今や風景



↓ 17)13


蜂の巣に構へられたる勝手口
浜松市・雄踏俳句会(8-16)

|蜂の巣の如くはだかる「ああ増税」駆除を求めど未だ見ず



↓ 17)14


|半夏生草雨に洗はれ白冴ゆる  *半夏生(はんげしょう)
浜松市・雄踏俳句会(8-16)

|半夏生 雨に洗はれシロ湧きて 雲ぞ流るるアヲの広がり


 ‥半夏生は、半夏生の時期にその葉に白さを刻む植物です
 ‥「冴ゆる」は冬の季語の扱いですが、現代ではほとんど詠まれていないせいもあり
 やっかいな言葉になっちまっています(どうしてそうなった?)

 (秋の季語の「爽やか」同様に扱いづらいったらありゃしねぇ)


↓ 17)15


雨に濡るる薄紅八重のたち葵花びらうすく雫を落とす
三島市・銀杏樹の会(8-13)

|濡れそぼる薄紅八重の○○○んこ 花びらうすく雫を垂らす


 ‥しかしまぁこの手のエロい変換な詠みの雰囲気を醸すのは女子の詠みです
 男子の詠みでその手は微塵も得られません

 (なんというのか、詠んでて気が付かねぇのかよ)
 (それにしても、なるほどこう詠めばいいのかッと、うなるしかない)


↓ 17)16


|はつなつの青葉の香り浴みもせずたちまち君は逝きてしまへり
富士市・富士川短歌会(8-13)

|初めての若葉の腰を振りもせず たちまち僕は果ててしまえり


 ‥お盆の時節、亡くなられた方への詠みを
 またまたエロ詠み変換してしまいました(とんだ失礼をしました)
 ということで、もう一首


|ああ友よ、決起を秘めて乞いもせず 想いをしまい征ってしまえり


 *乞い(恋)


↓ 17)17


|春雷の遠く聞こゆる昼さがり独りの午睡玄関とじて
富士市・富士川短歌会(8-13)

|「ああ眠い」春雷がてらお布団へ 耳ふさぐより寝るがくわばら




> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 15:41 | Comment(0) | 名句にポン/2019中途から | 更新情報をチェックする
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