【勝手句帳】r015（01-8-24）静岡新聞掲載分から

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↓ 12）1 向宜詠吟.2019/08/27

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｜長梅雨にさつま育てば空襲にさつま畑を逃げし遠き日
静岡市・長田寿短歌同好会（8-24）

｜警報や雲の峰より焼夷弾 焼き尽くされて焼け原に哭く
｜煤けたる蟻のポツポツ焼け野原 警報聞けばパッと散り消ゆ
｜良く出来た壕に埋まれる楓とは 墓になりたる逃げ場の多し
｜終戦の報はよく晴れ渡る空 まさに真っ白この断腸

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↓ 12）2

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｜泥臭き吾を目標と笑みくるる一人農継ぐ友の親しも
静岡市・長田寿短歌同好会（8-24）

｜泥臭き儂を師と説く米の花 継ぐ若者ぞ一人とてうれし

　‥ネタの首の解釈は、単に友人からお前は俺の目標だからと常に言われているだけ
　なんでしょうかね？？、その辺わかりにくいのが課題でしょう

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↓ 12）3

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｜水無月の強き陽射しに咲く四葩雨雲恋しと花びら揺れて
静岡市・長田寿短歌同好会（8-24）　　＊四葩（よひら）

｜なびかれど小刻む四葩の慎ましさ 日にて健やか雨に可憐

　‥紫陽花は風に吹かれても、印象あまり揺れていない
　ということは、耐強風構造なりに応用できるのでは‥などと思っちまいました
　（空気力学的にどうなんでしょうね？）

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↓ 12）4

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｜色よしと見入りし花も早や散りてうるわしかりき花の絨毯
静岡市・長田寿短歌同好会（8-24）

｜青春や麗しかりき花吹雪 コレも失恋 キミは何処か

　‥ネタの首の「散りてうるわしかりき」の接続がしっくり来ないので考えてみたところ
　日本語の「麗しい」は、「個」に盛る言葉に無く、「群」に盛る言葉に思われます
　とくに過去形からの印象はそのように思われます

　しかし、ネタの首の「花」が、何を指しているのかが不明確にある為
　「うるわし」たる響きに反して、どこか間が抜けたようにしか感じられません

（同じ字でも芝桜は桜とは違います、それに擬えて花と盛ってもブーイングでしょう）

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↓ 12）5

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｜背を曲げて庭の草取り玉の汗氷みず飲み天仰ぎ見る
静岡市・長田寿短歌同好会（8-24）

｜「負けるまい」草引く度のたらたらと腰伸ばす度じりじりの空

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↓ 12）6

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｜天満の神も見るらむ花を手に幼き巫女の揃ひの舞を
静岡市・長田寿短歌同好会（8-24）

｜花を手に幼き巫女の揃ひ舞 天神様もしげに見るらむ

　‥助動詞「らむ」の盛り方が気になったので
　上の句から下の句に動かしたら、ここで詠まれている舞が
　稽古から本番に様変わったように感じられる‥（この差におどろいた）

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↓ 12）7

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｜補聴器の電池新たにせしのちはさくさく聞こゆ夕餉の支度
焼津市・さつき短歌会（8-24）

｜補聴器の聞こえ澄みたる電池替え さくさく舞える夕餉の手際

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↓ 12）8

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｜一日終え寝静まりたる病棟にわが胸よりの心電計の鳴る
焼津市・さつき短歌会（8-24）

｜澄み向かうわが胸よりの心電譜 図音と語る寝静まる淵

　‥ググってみたら、「心電音」なる用い方はされていない
　それは、ペースメーカとの差を織り込めないからに思われる
　ということで「心電譜」を盛るに至った

　‥また、図音（ずおん）の言葉も用いられてはいないが敢えて盛った
　現場では「心電計の確認」「心電計が止まりました」の一本調子なんすかね？

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↓ 12）9

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｜おはようの声も聞かせず来たる児の何を背おいしまいまいつぶり
焼津市・さつき短歌会（8-24）

｜声かけど「あなたのことは嫌いです」何を背負いしその迷い牛

　‥八九寺真宵（はちくじまよい）で検索

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↓ 12）10

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｜食卓にぴんく、むらさきのスイトピー今朝活け替えて高級食材のやう
焼津市・さつき短歌会（8-24）

｜食卓に色かぐわしきスイトピー 外カフェ気取りの朝餉かも

　‥あんたね「高級食材」って、活けてんの普段からかぶりついてんの？
　そこはどう考えたって「レストラン」だろう
　とはいえレストランなら香りの強すぎる花など論外（店の味を判らなくするからな）

　あと、誰かさん受けにもただ色を盛れば良いわけでは無い（多種多彩な色前提の花なら尚更）

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↓ 12）11

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｜たんぽぽは風をおだてて遠く飛ぶわれもとびたや風を頼りに
焼津市・さつき短歌会（8-24）

｜巻かれたく風をおだてる出世欲 過半数おりゃ毒裁化

　‥「風をおだてる」はじめて聞いたフレーズに萌えちまいました
　ということで気が付いちまいました

　‥出世欲過剰群が国民のもとい官僚の過半数を超えると、都合が良ければ長期政権になりがち
　長期政権の役職ともなると尚更に出世できたような錯覚を味わえる（川下でも同様だろう）
　なるほどなるほど‥そうだったのか‥興味ゼロっすから見落としてましたｚ

　なので、民主社会からすると、いがみ合ってまとまらない方向性の方が都合が良いということに！
　ということは野党のあのザマこそが、ある意味での正解？？？（まじかよ）

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↓ 12）12

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｜草むらに赤紫の際立ちてスッと一本グラジオラス
焼津市・高草短歌会（8-24）
｜草むらにスッと一本グラジオラス　　＊グラジオラスの花言葉や意味、品種
↓（変換連想）

｜月影にスッと一太刀仕事人 グラジオラスらし飛沫を払う

　‥（やれやれ）ネタの短歌を俳句変化させるにいくつか方向性があるかもですが
　それにしても、どうしてこんなに惚けたようにだらだらと飾り立てているのかとイラッときます
　文学的にはそりゃ問題ありません、いくらでも好きなように飾り立ててもらって結構です

　ただし、文学にしたところで、対象以外に中身がまったく得られないのでは凡作です

　‥このような詠みは女子の思考パターンらしい
　どうみたって化粧の盛りすぎから来る鏡似性としか言いようが無い

（素材を活かそうだなんてこれっぽちもないというか錯誤がある）
（まさに素材が気にくわなければ、いびり倒してダメにする裏返しパターンなのれーす）


　‥ぶっちゃけた物言いをすれば、今時のＡＩ解析の関連付けに近しいのだろう
　その平面的な関連付けの順繰り程度に盛り付けているだけ

　それを女子型として扱うなら、男子型とはなんだろうか？

　‥そりゃ、自分なりの見方をぶちこみたい関連付けと言う事に成るだろう
　それは見方からのフラクタルな様相でもある
　その人の見方では、アレとアレは似ているとした相似な感性である

　ただし整理が不十分だとすっきりとうまく行くことが無い
　大抵は個人の世界でしか通用し得ないフラクタルな様相だったりする


＞　其は、詠みながら心の中に何かを発見しようと試みる貪欲さでもある
＞　（写し取って満足だったら、現物に優ることなど無い）


　‥詠み手の姿勢が、まんま日記であろうとなんら間違いなどない
　されど、産み落とす行為が、日記だけでは通らないそもそもは創造の本懐が付いて回るからである
　ゆえに、誕生とは謎解きであり、社会とは仕組まれた謎解きに置かれる

　‥これを教育としたテーマに置き換えるなら
　世代がコピーされることを以て、安堵しようなどとの発想は、教育上の癌でしかないのである
　にもかかわらず、「踏襲」こそ教育だと勘違いしている向きがあるｚ

　それは、曽ての「論語」を始めとしたビッグタイトルからの流れでもあろうけれど
　今時、その時代に戻す用はあるのか無いのかを論ずるよりも、まずは現実に沿うかどうかだろう

　‥欧米化しちゃってんだから、そのままでは通らないのは当然
　さらに、欧米人の見方からして私たちのそれとは解釈の差は大きい
　その最たる言葉が「忖度」に裏付けされている
　知らなくても聞けばなんとなく理解できるのが、ネイティブと言う事である
　その反面、すっかり欧米化してしまいニュアンスを見失っているよすがも見られる

　私たちはすでに先祖とは文化色が違うのだ
　それは日本語からしてそうだろう


　‥それにしても、当時に無かった外来の花がしっくりきてしまうのには驚きだ
（マンガ、アニメ、ゲームからの影響はまぬがれない、否、むしろ知らないのでは大損）


　ちなみに、和風に盛るなら「タチアオイ」でしょう
　‥うむ・・葵だけに、役人殺し前提の詠みに据えおかれてしまうでしょう（没）
　‥その解釈でグラジオラスなら、斬っちゃったのは当時で言う毛唐？？
　‥まぁ沖縄辺りだと盗賊船はわんさかしてたらしい（空手誕生伝説‥でも徒手空拳だからな）
　‥やはり、マンガ、アニメ、ゲームのノリでしょう



＞　うた詠み終わります、ありがとうございました。