2019年09月01日

【勝手句帳】r018(01-8-31)静岡新聞掲載分から


↓ 5)1 向宜詠吟.2019/09/01

|喫茶店の大窓に見る雨の街足早なる人ら輪郭のこさず
藤枝市・文化協会短歌会(8-31)

|コーヒーの輪郭を消す警報雨 街に寄らせぬ足早の闇


 ‥ネタの首の「輪郭」の語句が目を惹きました
 でも上の句が平凡すぎです
 「雨だから急いでいるのは当然でしょう」とした解釈は面白くありません
 「喫茶店の大窓」がどうのとか、そんなのはどうでも良いことです
 そりゃ印象的だったんでしょうけど、それはあくまで個人の視界です

 ということでアレンジしてみれば、無季俳句のお手本のような上の句になりましたz


> ‥参ったなあ、警報予想の範囲この近辺も入っちゃってるよ
> 折角のコーヒーの香りなんて無いも同然だよ、これでは商売上がったりだ
> それじゃ、こちらも切りの良いところで上がらせてもらうとするかな


5)2


|蓮花寺の道の辺に咲くあじさいの走る目線にかもす色合い
藤枝市・文化協会短歌会(8-31)

|チャリ飛ばし瞳に透ける七変化 梅雨映えそれて目指す校門


*七変化(しちへんげ)‥ここでは紫陽花の異名のうちの一つ。

 ‥ネタの首の下の句の着想が、なにやら面白いのですが
 言葉の選びとしては、不十分で宜しくありません
 そもそも「走る」って何?
 ランニング?、自転車?、バイク?、マイカー?、お仕事中の運転?
 今やそこをすっ飛ばせる時代ではありません

 ‥どこを優先させて盛るかです
 そこの判断が覚束ないようでは現代短歌としてのエッジは立ちません


> ‥今朝は雨足が引いており、道ゆく紫陽花が一段と目を惹くように思えた
> しかし、そんな悠長に鑑賞している暇などない
> チャリを飛ばしてなんとなく飛び込んでくる鮮やかさを愉しむだけだ
> そんな景色が視界から消えて見えなくなれば、後はもう校門までの退屈な距離だけである
> どう考えたって、学校たる習慣は朝の大切さがまるでわかっていない忙しなさだなあ
> まぁ無ければ無いで、寝坊が相場だろうから機会は与えられていると言わざるを得ない


5)3


|むれなして曇天を突くむらさきのアガパンサスに暑さやわらぐ
藤枝市・文化協会短歌会(8-31)  *アガパンサスで検索

|恋すれば青空に立つアガパンサス 可憐な瞳に勇気が集う


 ‥アガパンサスという花を始めて知りましたが、とても感じの好い印象です
 というところでアレンジは、それの印象を詠んでみました

 ‥しかしまぁ見慣れてくるとそんな印象なんてどうでもよく
 ただの言葉として盛られちまうのも横文字花の詠みがてらの定めです

 ネタの首は、そういう感覚が混ざり合っておるわけですが
 そのような詠み方は中途半端になりがちでーす
 どちらかと言えば第一発想としてはありでも、声に出して読み返して整理すべきです


 ‥ということで「曇天を突く(どんてんをくつ)」が
 どうにも紛らわしい盛り方に置かれちまっております

 ‥良いですか、例文を挙げるとこうなります
 「今や政治と経済の‥曇天を突く‥ような山本太郎の消費税ゼロの訴え」

 要はどう考えたって、「曇天を突く」を可憐な花に盛ろうだなんてお門違いということです

 ‥しかもそれのオチが「暑さやわらぐ」という詠み手勝手な感想です
 ここでは山本太郎の発言を「アガパンサス」に想いを重ねるくだり想定にもなりえますが


 どう考えたって印象違いは拭えません
 どう考えたって印象違いは拭えません
 どう考えたって印象違いは拭えません


 しかも詠み自体の印象は、ただの見た目です
 「暑さやわらぐ」程度は、ほとんど個人勝手なメシウマ程度でしょう
 そもそもの期待すべきはその先です、着目としては早計に扱われるばかりでしょう

 ‥というところで

 アガパンサスの花期が6〜7月頃ですので
 「夏至」「小暑」「大暑」とした時節のわかる言葉を「曇天」を置き換えて盛るか
 「昊天」と夏の空だとわかる言葉をはっきりと添えるかでしょう

(思いついたその日の天気が曇っていたからなんて着目は、ここでは釣り合いません)


|曇天を突けど投機の闇は巻く 誰ぞに負わすカラクリゆえに
|逃るるまい甘い蜜ほど舐めにくる 限りを以て姑息でつなげ
|いつの間に貴重は財ともてはやし 秘することこそ徳と思うらむ
|明かさずば誰も凡才鈍学問 開いてやらねば科学ほど毒



5)4


|登校後の学園の門閉ざされて夾竹桃の白きが覗く
藤枝市・文化協会短歌会(8-31)

|学問を貧困ゆえに閉ざされて 渡る世間を履歴が覗く
|大学は支払ゆえにバイト漬け 学ぶ機会をローンが覗く
|人生を現場のズレで閉ざされて 否定の判が私を覗く
|信用もバイトテロにて更地ざれ 倫理の問いがネットに覗く 


 ‥ネタの首の「閉ざされて」〜「覗く」の構成が目を惹きました

 でもなんでまた「夾竹桃(きょうちくとう)」なんですかね??

 毒にもなれば、見映えにもなるとでも‥比喩がてらに引っかけているのでしょうか?

 ‥まぁ多分、見たまんまの光景があったんだと思います
 それはそれで、毒物を校庭に植えてあるなんて、それはそれで炎上ネタに成りえそうです
 葉を燃やせば煙にも含まれるそうですので、トリカブトが咲いてる意味に近いと思います

 (薬用にもなるそうですが、火事で燃えたときのことを考慮していないでしょう)
 (今や生徒が、こいつでテロを試してみるか‥なんてやりかねない時代色ですから)


> アレンジは、時代の経過を踏んで詠んでおりまーす



|期限経ち遠吠えがする旧バージョン 正門入れば虎が居り


 ‥こちらは、「閉ざされて」〜「覗く」ではありませんが
 仕組みとしては同じニュアンスでーす

 それにさらに「前門の虎、後門の狼」に引っかけて
 Windowsのガクブル糞アップデート事情を詠んでみました


> ‥冗談じゃねーよ、CPUのバグとかリーコールだろうがよ!!!
> どうしてそうじゃねーんだよ、あまえてんなぁ!!!
> 稼いだ分全部ゲロしろや!!!インテル!!!

 というしわ寄せまでがOSに降りかかり、速度低下などという沙汰はありえん
 というしわ寄せまでがOSに降りかかり、速度低下などという沙汰はありえん
 というしわ寄せまでがOSに降りかかり、速度低下などという沙汰はありえん

> リコール代替キャンペーンとかやれよ(ふざけんな!!!)
> で、それの前提がアップデート地獄の「Windows10」では、どうにもうんざりな話だ


 ‥いつもそうだ、あの手この手で買い換えせざるを得ぬ題目尽くしの見事な連係プレイ
 もとい、買い換えるのが面倒くさくなる見事な連携
 というか業界の本気がDDR5照準なんだろう
 それまでの間を保たせるための回りくどい演出
 多分それは、Windows10のアップグレード嵐が終わる頃合いなのだろう
 で、問題は、それの裏を牛耳る顧客という奴なんだが
 どこかが大量に切り替えで買付けるから全体としておこぼれに預かれるという構造としか思えない
 GOサインになると随分と円高になるという辻褄が潜んでいるように思うのだが(分からん)


5)5


はぐれ雲この山と決め手をつなぐ富士の真上で心ひとつに
焼津市・「菩提樹」小川短歌会支部(8-31)

 ‥それにしても、ネタの首の下の句はただの願望・妄想・思い込み・やっつけの類でしょう
 はっきり言って、やりすぎでーす(そんなのはいかん)


|はぐれ雲この風と決め秋新た 残照惜しむ「ああ宿題」


> ‥ピークと比べれば多少涼しくなってきたし
> そろそろ篭もって宿題やらないとなあ
> しかし、息苦しい夏という奴は、どうにも遊んだ気がしないのはどうしてだろうか?



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 22:41 | Comment(0) | 名句にポン/2019中途から | 更新情報をチェックする
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