2019年11月13日

【勝手句帳】r047(01-11-9)静岡新聞掲載分から


↓ 12)1 向宜詠吟.2019/11/13

|秋ふかみ畔にそよげる猫じゃらしグラスに挿して手酌楽しむ
焼津市・はまゆふ短歌会(11-9)  *畔(あぜ、ほとり)、畦(あぜ)

|猫じゃらし淡細く照る畦の風 グラスに活けて手酌のお伴


 ‥あ、好いこと思いついちゃった
 猫じゃらしを手酌のお伴にするとしよう、月見というほどでは無いにしろ
 秋を楽しみながら一杯やるってのも乙なもんだよきっと


↓ 12)2


|薩摩切子のくれなゐの猪口に潤びつつ亡き面影を飲みほしてゐる
焼津市・はまゆふ短歌会(11-9)  *猪口(ちょこ)‥盃。

潤びる(ほとびる)‥
 @水分を含んでふくれる。ふやける。
 潤ばす(ほとばす)‥「水に物をひたし、ふくれさせる。ふやかす。」とほぼ同じ。
 Aながく湯などにひたる。
 B大きな顔をする。増長する。

 ‥つまり、自慢げな顔に見られるにんまりと自己満に浸りきって
 ふやけたようなツラの「どや顔」の漢字の当てに、まさにどんぴしゃだった(へぇ〜)


潤顔の薩摩切子が誘う秋 形見と酌まむくれなゐの猪口


 ‥ふと、夫の形見の薩摩切子の猪口が目に止まった
 そういえば、最近全然飲んでなかったっけ
 たまには、当時のお気に入りの自慢の一品様で、思い出ネタに一杯やってやるとしんぜよう


↓ 12)3


|夕焼けの空を見上げて人思う淋しさこみあぐ秋風の吹く
掛川市・風の会短歌会(11-9)

|秋風の空を見上げて里憂う 泥びる家の度々となれば


 ‥ああ、秋空だなあ
 ここのところ晴れて助かる
 ああ、今頃は秋日和の中、後楽に足を運ぶのがお楽しみなのに
 どうすんだよ、この泥びたわが家の有り様はよう

 ‥どう考えたって、今後とも未曾有台風の脅威からは免れまい
 このままここに住むと云うことは、そういう事だ
 それでなくても、列島のどこが「空襲台風」に襲われるかなど分からないのだ
 郷里を離れて住まうったって、怯えなぁならん


 ‥夏には、陽射しのビーム攻撃に遭い
 ‥秋には、台風の洪水空襲に遭い
 ‥冬には、大雪で家が潰れるかも知れない不安に駆られ
 ‥春には花粉症という生物兵器におののかなければならない

(今まさに私たちは、そういう脅威の中に住んでいる‥どうしてこうなったん?‥)
(理由が解らないなら、現代科学も又迷信のレベルって事だもんなあ)


↓ 12)4

三階の窓より見えるわが家も自由に行かれる距離にはあらず
掛川市・風の会短歌会(11-9)

 ‥ネタの首の「三階の窓‥」の盛りっぷりの荒削り感が好い
 とんちのようでもあり、考え抜いたようでもあり、妥協したようでもあり
 疲労困憊感を誘うようでもあり、素直になれない雰囲気を誘うようでもあり好い


|わが屋根を入院より見つつども 自由に行ける距離にはあらず


 ‥ああ入院沙汰だよ
 病室からわが家の屋根が見えるというのは実にもどかしい
 即行帰れそうでそれが叶わないというなんとももどかしい
 (ああ早く退院したいなあ)


> 手慣れた感で直すとこんなところだが、なぜか何かが物足りない
> やはり患者の精神状態のリアルという奴は、少しはずしてた方が味が出るのだろう
>(ネタの首は単に、送り向かい前提の何かしらのビルの教室で疲れ果てた模様だったりしてな)


↓ 12)5


|草むしる手にいのち思うカタバミの花の一輪ひたすら咲けば
焼津市・はまゆふ短歌会(11-9)
カタバミで検索

|カタバミをむしり一輪命乞い「お役に立ちたき」聞こえはすれど


> ‥君の代わりなんていくらでも居るんだよ
> ‥そんな大それた口を軽々しく吐くなんて、大した位置になかったんですね、この会社ッ
> 所長の代わりだっていくらでも居るって自分から吐いてるようなもんですから
> 社会のお役に立つどうより、根っこがブラックだったてんなら、こっちから辞めてやりますよッ
> (え、こいつそんなキャラだったっけ???‥見立て誤ったかも‥でもまぁ好っか)


↓ 12)6


涼風にレースのカーテンゆれている誰がすわるや奥の籐椅子
掛川市・風の会短歌会(11-9)

|風入れば涼のカーテン手招いて 誰ぞすわれと奥の籐椅子


 ‥なんと贅沢な籐椅子が俺を呼んでいる
 窓際のカーテンがなんと涼しげに舞っているのだろう、否、待っているのだ

 しかしそこは俺んちじゃない、ネット動画の中のワン・シーンだ

 ああ、好いなぁ‥俺も籐椅子の座り心地を味わえる暮らしに有りつきてぇ


↓ 12)7


朝五時のゴミ出しも楽し頬に秋土手はあかあか彼岸花盛り
焼津市・はまゆふ短歌会(11-9)

|朝五時の土手は射し込む彼岸花 赤朱紅と頬に風透く


 ‥夏に日課にし出した早朝散歩はまだ続いていた
 残暑の時節も過ぎると、時折うすら寒く感じる事もあるが、まだまだ張り切っていた
 そんな頃合いのその日の秋の朝五時は格別だった
 昨日までには見られなかった彼岸花の群れが土手一面に咲いていたのだ
 朝日に照らされていて、実に素晴らしい
 朝日の赤、彼岸花の照らされた朱、そして私の高揚としただろう頬の紅を
 少しひんやりとした風が透け抜けて行く

 (やっぱり早起きの散歩は、好いもんだなあ) 


↓ 12)8


|夕市にならぶ魚・さかな駿河湾一の太刀魚のかがやきを買う
焼津市・はまゆふ短歌会(11-9)

|夕市に並ぶ魚に秋憂う 秋刀魚の遠く太刀魚を買う


 ‥秋だというのに秋刀魚が不漁で残念だ
 仕方がないので太刀魚を買ったよ(やっぱ刀でしょ)


↓ 12)9


夕ぐれて駅より家路へ急ぐ背を虫の音は追う 秋深むらし
焼津市・はまゆふ短歌会(11-9)

|秋暮れや駅より家路急ぐ影 虫の音もまたゲームの中でと


 ‥駅の改札を出ると昏くなっていた
 秋も深まると虫の音が所々で聞こえていて、ますます秋だなあと思うも
 頭の中はゲームをやりたい気持ちで一杯だった
 夕日も虫の音も赤とんぼも、ゲームの中でも堪能できる
 なんだかよくわからない言い訳を自分にして、家路を急いでいたっけ

(あの頃の僕を振り返ると、なんて勿体ないとひたすらに思うばかりだよ)


↓ 12)10


|葉を落とし赤き実残す庭の柿しみじみ秋の深みゆくなり
焼津市・はまゆふ短歌会(11-9)

|葉を落とし赤き実残す庭の柿 いよいよ冬と吊るし柿のでき


 ‥庭の柿の木が葉を落として木守りを見せておる、いよいよ冬か
 そして軒には、吊し柿のできが美味しそうである、そろそろ頃合いか


↓ 12)11


柿の朱ふと歩み止め見やる時いずこともなくいにしえの風
焼津市・はまゆふ短歌会(11-9)

 ‥妄想にもネタの首の下の句はありえない(宇宙人か未来人か超能力者か異世界人か)
 どうしたらそんなにも調子を外してまで格好を付けて詠もうと思うのだろうか?

(謎だな、謎だよ‥で閃いちゃったと‥ごちそうさまでした)


|いにしえの風は柿の色に染み 冬の暮らしに寄り添うスイーツ


 ‥柿は古来より日本の地に根付いてきた
 その古(いにしえ)からの冬の保存食、もといスイーツとして生きものの暮らしを支えてきた
 なんと日本らしい願いをその色に刻み込んであるのだろう
 そしてその味は「うめぇ!!」

 ‥これぞ日本の心である‥


|秋のあかもいだり飛んだり広ごりて 散り振る舞うや「また遊ぼうね」


 ‥秋は柿、赤とんぼ、夕日、紅葉と、どれもあか尽くしだ
 まさに日本の秋が「また遊ぼうね」と語りかけているかのようだなあ


↓ 12)12


秋に吹けばオカリナの音も秋に染むこころのすき間しばし埋めつつ
焼津市・はまゆふ短歌会(11-9)

|オカリナの音色も今が秋の声 拓け夕暮れ芒照る里


 ‥音楽の秋もといオカリナの秋
 否否、秋の夕暮れこそオカリナの響きがよく似合う

 だからこそ、この瞬間にインスピレーションを爆発させたい
 ススキ照る里の郷愁を語り響かせたい

(ああ、秋よ共に演奏しよう)



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 21:21 | Comment(0) | 名句にポン/2019中途から | 更新情報をチェックする
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