2019年11月26日

【勝手句帳】r053(01-11-23)静岡新聞掲載分から


↓ 5)1 向宜詠吟.2019/11/26

コスモスは揺れあい触れあいしなやかにするように今を咲きつぐ
三島市・銀杏樹の会(11-23)

|コスモスの恋に吹かれつ微笑みつ 何を掴まむ秘めたる果てに


 ‥恋という奴は、手に入れようとするほどに無理がつきまとう
 夢中になって居られる間が花なら、形はどうあれそれはそれ
 なのに、選り好み(粗探し)に流されているのが大方の悩ましきところなのだろう

 そもそもは、手に入れようとしている有り様が嘘くさいのだ

 ‥だから、矛盾に見えようとも、気持ち半分半分がお互いの都合だろう
 それで誰かに摘まれて消え去ったなら、それはそれである
 想定外の沙汰に巻き込まれたとしても、有り難い結論だったとして受けとめざるを得ぬ


 (だがしかし、その程度の空気を恋と呼ぶだろうか?‥その手の疑問はつきまとうだろう‥)


 ‥せっかちなのも恋だが、のんびりなのも恋である
 お互いにどちらに比重があったかということでもある
 横並びに無くても良いはずだったのに、いつの間にか横並びを目指していたりする
 それは社会の子育てシステムがそうだからに過ぎないが、社会あっての暮らしでもある

 されど、途中で苦しくなっても誰も面倒など見てはくれまい
 それが自由恋愛の果てという奴だ、自由恋愛上等とした連鎖だろう

 社会の基本単位が自由恋愛に傾倒したことで、誰も面倒を見てくれなくなっている
 相談するにしてもまずはお金ありきだろう
 お金に困っているから多くの破綻が訪れるのに、相談からしてお金ありきだ
 どうして長続きする上での期待を他者に頼れるだろうか?
 せいぜいが裁判所か探偵頼みで、ご破算確定コースでしかない

 「盛り返しましょう」なんてサービスは聞いた例しがない

 行政からしてそこはノンタッチのままだ
 離婚が多い方がうれしそうなぐらいに、勝手にしろの空気なのだ
 私たちの恋愛に向けた応援なんて、所詮その程度だ
(どうにも‥自由恋愛上等から生まれ経た世代の空気そのままか?)


 一方で、自由の原点とは孤立だよ、孤高だよ

 それがいつの間にやら、ぼっちは嫌だになっている
(それが自由恋愛上等から生まれ経た世代の傾向だ)
 何を言っているんだ、自由の原点は孤独だよ
 其を拒絶した性根でうまく行くわけが無い
 自由からして拒絶しているのだからな

 それを愛などとおためごかしの言葉で自分をわざわざ拐かしている
 まったく以てどうしようもない

 だったら始めから自由恋愛なんざ辞めておけ
 所詮は宗教観ありきの程度だったと思い知るべきである


 ‥それはつまり、同じお祈りのできる相手を選べって事だから‥
 ‥それはつまり、同じ食事のできる相手を選べって事だから‥
 ‥それはつまり、同じ掟を背負える相手を選べって事だから‥


 恋愛において行き着くところ、普通にそういう事らしい
 其は、自由恋愛とした遺伝性が、それほどにポピュラーとは限らない辻褄なのだろう
 恋人などでは無く、家族としての空気を求めるスタイルに置き替わるのだ


↓ 5)2


|世の動き知らせる新聞配達のバイクの前へ有明けの月
御前崎市・浜岡短歌会(11-23)
*参考:お月様の満ち欠けと呼び名

|有明の月へまっすぐ新聞路 朝の田舎の貸し切りのごと


*新聞路(しんぶんろ、しんぶんじ)‥新聞配達のコース。

 ‥おや今朝は有明の月か
 新聞配達冥利にちょっと距離のある道のりでのタイミングって奴は、特にありがたい
 これが細々と入り組んだ配達区域だったりすると、目にする暇も無いからな
 それにしたって、距離のある道のりって奴は、田舎だからの事情だもんなあ

(たまの朝の景色の丸ごと貸し切り感が、どこかうれしい)

 それがスマートな距離になってくれるとこちらとしても楽になるんだろうけど
 それはそれで、こんな有明の月を見られるような優雅な一時なんて、それこそ有り得なくなる

 ‥そう考えると
 世の中ってのは、天に注目せよと言わんばかりにできているように思えなくもないんだなあこれが


↓ 5)3


|土手沿いに今年も咲ける彼岸花 遠き日の亡母と見た
三島市・銀杏樹の会(11-23)

|遠き日と変わる事なき彼岸花 妣と見た頃のままの土手の道


 ‥いつもと変わらない土手の道なのに
 彼岸花が咲いたと言うだけで、久しき風景に帰ってきた気持ちになる(なぜだろう?)
 母とよく歩いた思い出の風景だからと言えばそうなのだろうけど
 彼岸だからと言うこともあるのだろうけれど

 (兎に角、いつまでもあの頃のままをお願いしますね)


↓ 5)4


|秋空に付かず離れず母子雲やがて抱かれて一つになりぬ
三島市・銀杏樹の会(11-23)  *母子雲(ははこぐも)

|「見つけたぜ」付かず離れず雪兎 舌ずり舐めて今狙わむ

|夢追えば即かず離れず里頼み 良くも悪くも謝意の日々


 ‥お願いをするのもされるのも、面倒な事だ
 誰だって断るのが通例だよ
 理解が有るとか無いとか、そういう事では無い
 儲かるとか儲からないとかそういう事では無い


 「お願いを聞き入れて貰って、本当にそれで良いのか?」


 とした‥己を問いただす気持ちが吹き出てきているというそれだけのこと
 其の問いが、浅ければ浅いだけ、まずは断られる空気になっている

 ‥考え抜いた言葉には無駄が無い、届かないわけが無い
 それこそが気持ちの表れと言うことになるが、決まり文句というのもある
 決まり文句に乗っかるだけの相手を選んでも後悔することにもなろう
 決まり文句しか吐かない奴と組んでも後悔するばかりだからだ


 ならば、下手でも根気勝負ということにもなる
 そこの根気をどこの誰が見ているのかというと「汝自身」であるッ


 ‥不足がどこかにあるなら補えば良い
 補えるかどうかでもある、補うべきの用に気が付くかどうかでもある
 一人一人の知など高が知れている(そこに自覚があるかどうかだ)
 お願いするだけで済ましていると学ぶことをせずにスルーのままだ


 中身が空っぽ(粗雑)を相手にしないのは、お互いに心理なんだからしょうがない


↓ 5)5


支払いは機械で願います 何でも電化老いは戸惑う
御前崎市・浜岡短歌会(11-23)

|支払は貴方の顔で願います すべて認証「誰が為に?」


 ‥顔パス認証一元化
 個人的に、考え方は嫌じゃない

 ただし、技術的に細かきを問えば
 バリバリの競争社会にそれはありえない
 なぜなら、盗まれるから、盗むことに価値があり続けるから

 盗む意味を無くしてからで無いとまぁ無理、無謀、無茶

 そうでないと、行政自ら「脅迫して下さい」の論理に堕ちる
 まぁせいぜい特定企業の特徴的なサービスの範囲が適当だろう


 ‥だからザックリと
 この顔情報やら預金やらの個人のそれを盗む意味を無くしてしまう方策が欠かせない
 もっとも、個人のプライバシーへの趣味的な関心までは無くせないので
 あくまで支払いにおいての裏狙いの用途を無効化してしまおうとの心理作戦だ


> そのような社会づくりへの挑戦には、まず要求に応えられるアイデアもとい革命が求められる


 でもまぁ電子化の延長とした焦点になるだろうことに差は無いわけで
 その顔情報は支払い以外でも利用されるわけで、そこがまた厄介な罠だ
 結局の所、顔パス払いも何らかのカードでの払いも選択と言うことにならざるを得ない

 そういうステップは当然としてあるべき方向にある

 なのに効率一点張りの経済観という奴が邪魔をするわけだから
 そこからして改善もとい革命する必要がある


 ‥どうしてそこに話をツッコむのかというと
 支配が気に入らんからだ、泥棒ありきが気に入らんからだ



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 16:39 | Comment(0) | 名句にポン/2019中途から | 更新情報をチェックする
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