2019年11月30日

【勝手句帳】r056(01-11-26)其の3静岡新聞掲載分から


↓ 5)1 向宜詠吟.2019/11/30

コスモスのコスモス色や風の中
浜松市天竜区水窪町

|こ田舎のコスモス尽くし風小道 あたちのロマンス地球盛り


*こ田舎(こいなか)→恋仲

 ‥恋仲での恋路には、コスモスの野道がよく似合う
 そんな感じのコスモスの野道を、田舎暮らしながらに歩いていると
 どうしたって、あたちのロマンスは地球盛りにテンションが上がっちゃうのら

 でも田舎だから、なかなか叶った男はいないのら(地球盛りに残念っ)


↓ 5)2


|秋だねと言われてみれば秋の風
浜松市中区萩丘

|秋だねと言われてみれば秋の谷 いつの間にやら紅葉に黄嶺


 ‥家族旅行の車中、ぼくはスマホ画面をずっと眺めていた
 気が付けば、みんなの口から「秋だね」と聞こえてきた
 そんなの当たり前だろうと思うも騒がしいので画面から目を離して外を見た
 そしたら、目に入ってきた風景に驚いた

 ‥思わず見いっていた
 秋の谷に、紅葉に黄葉がいっぱいの山並みがひろがっていた

 気が付けば、セーブするのを忘れていたz


↓ 5)3


秋草の囲むドクターヘリポート
藤枝市・時ヶ谷

|秋草やドクターヘリに手を振れず 茫茫しとる息災らしき


 ‥おやおやなんだねこのヘリポートは
 草ぼうぼうじゃないかね
 こんなんじゃ離発着が煩わしいだろうに
 それほどに出動が無いのだろうか(まぁ息災と云うことなのだろう)

 それにしたって、予算無さげで危ういばかりだなあ


↓ 5)4


|妹へ最後の化粧鳳仙花
富士宮市外神東町

|妹へ最後の化粧鳳仙花 多き濃きおもいで種となり


 ‥今時の時代、死に装束は白で無くても好いのでは?
 などと妹の死に化粧に、そう思ってしまったよ

 棺桶にしたって、プリントしたって好いのでは?

 王族貴族にしたって、かつては豪勢な贈り物と共に葬られたらしいし
 今の時代に、庶民が少しぐらい色を付けたって問題なかろう
 (べらぼうに高くなってた葬式代代わりのせめてもの気持ちということでもある)


> ということで、妹の好きだった鳳仙花の柄を着物と棺桶にプリントしてみたよ(なーんてな)
> 終活の意味にしても、発想を変えれば、是に帰結せざるを得ないz


↓ 5)5


|大空に誰描きし鰯雲
磐田市上新屋  *描きしか(かきしか)

 ‥ネタの句の「か」は疑問詞なんだろうけど
 過去助動詞「き」の連体形「し」のあとに盛る傾向はあまり見られない
 なぜなら已然形の「しか」と混同してしまうからだ

 それでいて、描くを(かく)読みさせるのも苦しいばかりだろう

 ここはやはり「ぞ」を盛って
 「だれぞえがきし」の七音でまとめるのが筋である


|大空に誰描きし鰯雲 移ろうできの無限を語る


 ‥それにしても鰯雲ってほんとすげーよなあ
 どうして風に吹かれて動いているだけなのに
 あんな器用にバランスを保っていられるんだ?

 人間技ではあんなになんてとても無理だぜ

 きっと、空にも空気にも神が宿っているのだろう

(そうでもなけりゃ納得できるほどの見映えなど有り得ない)
(プログラムにしたって、ただのランダムに美学なんて無いからな)



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 00:39 | Comment(0) | 名句にポン/2019中途から | 更新情報をチェックする
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