2019年12月03日

【勝手句帳】r058(01-11-29)其の2静岡新聞掲載分から


↓ 5)1 向宜詠吟.2019/12/03

|杖付いていっぱいの鰯雲
島田市・さんしょ俳句会(11-29)
|諦めると何故か出てくる探し物
島田市・さんしょ俳句会(11-29)

|杖付いていっぱいの鰯雲 探し物とてそのうち湧くら


 ‥しんどくなった足と腰を杖でだましながら
 探し物を求めて納屋に来てみたものの、どうにも見つからず
 しかたなく諦めて外に出ると、里いっぱいの鰯雲が広がっていた

 「あれ?」今日って、こんなに見事な鰯雲だったけ?

 本当に探していたのは、痛い痛いと出不精気味に成っていた
 何気ない一日の変化への興味関心だったのかも知れないなあ


 ‥なんだか鰯雲を見ているうちに
 探し物なんかそのうち出てくるだろうと、どうでも良くなっていたっけなあ


↓ 5)2


|コスモスのそよぐ向かうに富士の見ゆ
沼津市・さざなみ句会(11-29)

 ‥主役はあくまで季語です、地元の定番ではありません
 どうしたって、ネタの詩点では、脇役宣言なんですよ


|コスモスのにこり寄り添う富士ふもと 歩けば当たる誰も「わが山」


 ‥ああ富士山は静岡の山だから
 皆さん日本の山のように言うけどね、静岡の山だから
 本音言うとね、世界の遺産でも無いよね、静岡の山だから

 (みんな本音ではそうなんだよ、山梨側でも同じこと言ってるから)

 そこを敢えて譲って寄り添っているんですな、コスモスのように(なーんてな)


↓ 5)3


月白の胡弓の音色香貫山
沼津市・さざなみ句会(11-29)  *月白・月代(つきしろ)

|月白に琵琶の透けくる田貫湖畔 富士を背に坐す諸行無常

平家物語 祇園精舎(原文)


 ‥ちょっと肌寒くなってきましたが、いよいよの秋です
 秋と言えば月見でしょう
 富士に登りくる月白の空に合わせて、琵琶を弾いていきたいと思います

 ベンベンベンベンベンベンベンベンベンベンベンベン
 祗園〜精舎の〜鐘の声〜
 諸行〜無常の〜響きあり〜


> ねぇママ、あの人、富士山とお月さんバックに琵琶弾いてるよ
> あらカメラの前じゃないユーチューバーかしら?
> まぁどう見てもユーチューバーだなアレは、それにしても面白い規格立ててきたなあ
> にしても、まさかの平家物語を聞きながらの晩飯が「カレー」かよ
> できれば予告しておいて貰いたかったなあ、そしたら‥
> あら、「そしたらって」何か見合ったメニューでも思いついたの?
> そりゃ、ながら飯なら、ハフハフずるずるとやれる「カレーうどん」が良かったかなあと


↓ 5)4


|枯芝にごろりごろりと猫撓む
浜松市・白魚火梧桐句会(11-29)  *撓る(しなる)

|うらら路地ごろりごろりと猫撓む かまいたくなるここを一枚


 ‥どうして猫ってヤツは
 ごろりとしているだけで画になる扱いなんだよ

(何故なんだ、何故なんだよ、極端に偏見も差別も凌駕しすぎだろうがッ)

 などという疑問は後にして、まずはそのポーズを一枚(パシャリ)
 何としてでも写真に収めないことには、踵を返せないのだから悩ましすぎるz


↓ 5)5


|きらきらと灯りに当り小夜時雨
静岡市・虎渓俳壇(11-29)

 ‥写実的に詠むか?
 ‥生活感を求めて詠むか?

 ネタの句がどうにも物足りないと思えたら
 そこをどう詠まんとしているか否かの差でしょうな(そういうのはかなりある)


|キラキラと迎えのライト小夜時雨 車のドアを開ける「おつかれ」


 ‥塾が終わって迎えの車待ちの間、時雨が降っていた
 迎えに来た車のライトに照らされた雨粒が、それとなく綺麗に見えてお待たせを盛り上げる
 こんな時、いつもながらわが家では、お互いに「おつかれ」を言うのが定番だ

 「おつかれ〜」
 「おつかれ〜」



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 17:47 | Comment(0) | 名句にポン/2019中途から | 更新情報をチェックする
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