2020年09月03日

【マンガ】人間牧場‥協力し合えない症候群‥

記稿.2020/09/03

> 修学旅行バスがトンネルを抜けるとそこは人間牧場だった
> というような出だしから始まるのが人間牧場のお話です


 ‥そこでは少人数のエルフがまとめて連れ込んだ人間どもを
 連れ込んだ人間どもに管理させる方式で人間牧場を運営しています

 (現場のエルフの間にも、上下の立場に厳しい管理体制があります)

 ‥で、人間同士を管理する上で取られているのが班分けです
 班長は出荷を先延ばせるだけでなく、班員よりは多少マシな程度に優遇されています
(所謂、班長命令は絶対みたいな口ぶりをふっかけてもエルフは肉に損害が及ばないなら放任です)

 ‥ここ絶望的な環境において、班長になれるかどうかは生き延びる上での最低限の選択肢です
 ‥当然、このマンガは脱出がテーマです
 ‥当然、脱走をチクると高評価となり、班長への道が開ける仕組みです


> 兎にも角にも、脱出できるかどうかは自分の班長が脱出を諦めていないかどうかが欠かせません
> その点、このマンガでは、班長を選ぶのは早い者勝ちです(定員あり)


 さて、あなたは始めにおいて、逆らえば、より酷い環境に置かれるだけでなく
 暴力を振るいがちな班長もいる次第を目の当たりにしてしまいました
 どのようなタイプの班長を選びますか?

 ‥まぁ人間の思い込みとして、とりあえずの場当たりで
 当たり障りの無さそうな班長を選びがちです

 ‥ところが、このような管理システムに採用されている班長はどうしたって普通とは言い難い
 当たり障りが無さそうな班長に見えたとしても、それが偽りの仮面である可能性は高いでしょう
 当たり障りの無い様子の裏側には、リスクを嫌う性質が見え隠れしています
 なにしろ、ヘマをやらかせば自分から先に出荷されかねないわけですから
 リスクは全部、班員に押し付ける豹変ぶりを見せるかもしれません

 それでなくても、脱出を諦めきっていれば

 長く班長の座に留まるための得点稼ぎをやらかすはずです
 つまり、目障りと思われれば、当たり障りの無いヘマを仕掛けられるかも知れません
 そして有りもしない言いがかりをふっかけて自分の得点を稼ぐ上での空気を作る事でしょう
 (そしてまたそれに便乗する班員がチラホラと)


> 競争社会においても、自分の立ち位置にこだわるタイプに、似た空気はありありです


 マンガ「人間牧場」の主人公は、幸運な事に脱出派の班長を選んでいました
 ですが、その班長は、早急な脱出計画を自分たちの仲間とやらかして失敗しました
 やる気のある有能な班員を手にしていながら活用する事もせずに失敗したのです


 ‥なぜ、班長は、新しい班員を味方に取り込もうとしなかったのでしょうか?
 (一致協力こそ必勝のパワーです)
 理由はざっくり二つあるようです

 まず、自分が班長になった経緯です
 ただの人員不足からお鉢が回ってくるとは言い難いのがここでの班長であり、出荷の要素です
 どうしたってエルフ側に有益に働いて見せますとした結果を得ていないと成れそうにありません
 つまり、班員を信用する・しない以前としての負い目があった
 また、それがゆえに裏切られる事を警戒していた


 ‥そして次が重要です

 脱出には、綿密な調査とそれに伴うリスクを背負わざるを得ません
 主人公の行動を見ていても驚きですが、かなりの冒険です
 それを自分もしてきたと思えばどうでしょう

 「お前ちょっと下見に行って来い」とした命令でさえ恐ろしいでしょう
 (そいつがヘマをしてチクりでもしたらどうしよう)
 そんなストレスを四六時中抱え込むわけです

 それでなくとも

 新しく入ってきた班員の性質を見極めるのを待っていては、出荷で居なくなる事もありえます
 悠長に観察してから打ち明けて‥などという段取りもままならないのです
 まぁどうしたって、「組む」選択肢を持てないのが流れでしょう


> 競争社会においても
> 自分や仲間との性急なチャレンジにこだわるタイプに、似た空気はありありです


 ‥それにしても
 脱走したいのは誰もが望んで一致しているのに、恐怖と立ち位置にそそのかされて
 団結できずに好きかってやる自由に奔るのって、それが一番に惨めでしかないらしい

(それって、脱出に到るまでのどうしようもない犠牲に、面と立ち向かえない弱さなんでしょうね)
(まぁでも誰だって、目先の死の選択を遅らせたいわけですから、なるようにしかならないらしい)
(ならば一番に分け隔てなく供養できる才覚にある者ほど強運だったりするのかもしれませんね)


 ‥このマンガ
 ネタも構成も大ざっぱだし、絵柄も普通だし、てなわけで注目されづらい作品だけど
 まぁ結構、見えてこない心理表現の嗅覚は面白いらしい



posted by 木田舎滝ゆる里 at 20:38 | Comment(0) | 日記/2020 | 更新情報をチェックする
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