2021年11月07日

【勝手句帳】r089(21’1105-21’1106)静岡新聞掲載分から

↓(12)向宜詠吟.2021/11/07

令和3’11’05
富士市・湧本部句会
母の影ふと遠き日の稲架襖

※稲架(はさ)、襖(ふすま)
なぜに母の影だけなんだ?
(そういう家庭だったならそういう事なのだろうけど‥)
(知り合いの手伝いに呼ばれてついてった記憶とか‥)
(それにしたって、風景を見て詠むのが定番なのであって‥それだけで短歌視点すぎる‥)


|稲架襖(はざぶすま)今や遠けき総出づく あの声あの影あの満面


> ほぼ仕上げ作業の稲架掛けともなると、和気藹藹の空気になってくる
> 打ち上げ前の五時間前ぐらいで、ヒトとはそういうものらしい
> 一家総出に親戚総出ともなれば尚そうなのだろう

 (だが今や、核家族化の果てに何を見ているのかというと、時代の先に無く後ろなんだからなあ)


> それにしたってそれは、土地のある人たちの風景で、そうで無いなら知らん話さなあ
> だがら、持つ側が手放したら二度と戻らない光景と化するのは、問うまでもない

 (そこで、農家が弟子を得たら固定資産税免除ぐらいの政策はどうだろうか?)
 (企業経営しているところにはメリット無いけど‥社員の出向などで協力すると同じ扱いに)
 (田畑の手入れしたくても高齢化、弟子を教えながら諸々管理できりゃ後継に期待を見出せる)
 (最低でも、てめえの目の黒い内は、荒れさせずに済むという狙い‥)

(今更ながらのアイデアだが、農家高齢化=資産税無理=農地売却という図式のままは宜しくない)
 (企業経営しているところとしては、農地を総轄していける流れが欲しいはず‥)
 (農家が大工の知り合ツテで、潰すことしか頭にねぇから、そこに別選択支を設けないと‥)

> 夢と云ったらマイホームしかねぇ思考形態そのものが洗脳的屑
> 人口減に向かっているのに、田畑潰してまで建てる意味が不明

1

令和3’11’05
富士市・湧本部句会
|庭の木の月の光に縁どられ


|庭の木や月の光に縁どられ 妖精ごっこと吾も出で浴ぶ


> 今日は満月、庭の木に目をやると、月光に縁どられて輝いているように見えた
> 思わずテンションが上がってしまい、自分も月光浴とばかりに庭に出た
> そんなこんなで、うきうきしだし、妖精が舞い降りた気分さながらに踊りたくなったよ

2

令和3’11’05
焼津市・矢車俳句会
|神の留守祠に小さきかかる


|神の留守 祠に小さなかたし カウントダウンへ人類史


> 人類が無神論に目覚めてから、やりたい放題の早100年程度
> 早くも人類滅亡へのカウントダウンの責を擦りつけあう始末になりましたん
> この世は、科学だろうと何だろうと、どこまでも、錠前で管理された祠の如きだったのでーす

 (何と云うことでしょう、自然とも手を組み、手に手を取り合う心こそが神の鍵だったのでーす)
 (無神論とは、まさに「神の留守を守るべし」とした哲学だったのでーす)
(何でもかんでもありき自由なんざ哲学に無く、それこそが、まったくの誇大妄想だったのでーす)


> 日本共産党もそのぐらいの論を飛ばさないと、いつまで経ってもイメチェンできねぇ
> でも頭から神を否定しちまってる無神論だと、そのままではずっと無理と‥

3

令和3’11’05
藤枝市・桑の実俳句会
|秋気澄む降り立つ天竜無人駅


|降り立てば秋気に満ちて奥の駅 天竜遊山の一歩かな


> 街中も秋めいてきて、これならばと思い
> 天竜の奥くんだりまで足を伸ばしにやってきた
> どうだい、無人駅に降り立ったと同時に期待通りの澄んだ感、最高ッ

 (では、まだまだ紅葉前の下見と兼ねて、ぶらぶらと行きますか)

4

令和3’11’05
牧之原市・相良田沼塾俳句部
|湯あがり露天風呂


|今やもう我慢を競う人類史 湯あたり前に風に当たれよ


> 誰がどう思い込もうと、地球温暖化待った無し
> 部屋の中で回す扇風機が台風で、気分涼しくなっても
> 追いやられた熱気は散らばるだけで涼しくなるとは限らない

> 今や人類はぬるま湯に浸かったままに、商い駆け引きを頑張ろうとしている
> 誰がどう見たって、湯あたりになる前に風に当たるべきだが
> 風に当たって休むなんてありえないとばかりに、稼ごう大会を中止にできないらしい

 (スローライフに戻れない不器用はもはやどうしようもなく)
 (人類総ゆで蛙をめざした我慢大会な未来を望んでいるかのようで、開いた口が塞がらねぇ)

5

令和3’11’05
牧之原市・相良田沼塾俳句部
|スーパーの野菜売り場に四季はなし


|スーパーの野菜売り場に四季ぞなし これぞまさしく温暖化様(ざま)


> 思えばスーパーの四季感の喪失は、それ自体を温暖化と表現していて糞

 (おまえらの食卓からして、温暖化大歓迎なんやで)
 (ビフテキ食いながら、下を見つつ「ザマァ」ゆうってられへんねんやで)

6

令和3’11’05
袋井市・静岡ふあうすとこもれび
|濡れながら傾きながら一輪車

※通称「ねこ」の方の一輪車にあるようです


|泥ながら皹ながらわが稲田 この里と在りこの月と在り


> どれだけの泥にまみれただろう
> どれだけの皹(あかぎれ)をこしらえてきただろう
> 今年もまた精魂込めた稲田に仕上がると、惚れ直したようにわが里とわが妻を好きになる

7

令和3’11’05
袋井市・静岡ふあうすとこもれび
円卓の笑顔パクパク栗ごはん


|円卓の口パクの如COP26 グレタ節とて目パチかな


> COP19、COP21、COP26と温暖化対策の関心だけは増しているらしい
> だがしかし、所詮は口パク会議で、なにも決まらない
> それに切れまくっているグレタ・トゥーンベリの弁舌は、一人ぐらい居て当然とは思うも
> どうしたって目パチをするばかりに中身が無く、拍手を送るまでには程遠い

 (おめえもあと10年すりゃ、同じ側に回るって下りをまったく解ってねぇくさっ)
 (まずはプラスチックを纏うのを止めませう、お菓子の包装から何から何まで見直しませう)
 (スローライフ推奨とか‥そういう愚直な台詞の翻訳語意が見あたらねぇんだけど‥)

> 「私も農業を始めました」の一言と体験談だけで会場から拍手喝采で迎えられると云うのにな
> それこそがムードメーカーへの期待と空気っつうはずなのだが‥

 (尊敬なくば改善を得ず)
 (誰か、グレタ・トゥーンベリに、二宮尊徳紹介してやれや)

8

令和3’11’06
裾野市・石蕗歌会
コスモスの咲きたる庭を散歩する優雅にゆられ身をゆだねおり


|コスモスの身をゆだね居る優雅かな 格差のすぎてかわゆくなけれ


> コスモスの風に揺られているのは優雅でいいなあ
> だが今や、どうみたって、その様なご身分は格差のなぞらえにしか見えてこない
> この不可解な空気の変わり様は、一向にシラけるばかりで
> ヒトらしい感情を保てるわけもねぇ

 (貧乏人がお嬢様に憧れる時代は終わった、今や吊し上げる時代だべ)

9

令和3’11’06
裾野市・石蕗歌会
|変わり目が思う以上の温度差で昨日は半袖今日こたつ出す


|今朝の冬昨日半袖今日炬燵 時雨の雲間ガードぞかたし


> 晩秋の日差しが暖かかったので
> 今朝の冬は、時雨の雲間と重なってずいぶんと寒い(気温差ありすぎ)
> それにしても‥日差しが少しも差してるところが見えず、雲が盾すぎて悩ましいなあ

10

令和3’11’06
富士市・富士川短歌会
|色づきし稲穂の上を渡りくるみ寺の朝の鐘の音しずか

※上の句と下の句の境目がどうにも朧、もう少しどうにかならなかったのだろうか?


|朝の鐘稲田の上を渡り来る 仏の加護の「加護米」ならむ


> そうだ、うちらの米のブランド名さ「加護の里」にすんべ
> 毎朝毎夕にお寺の鐘さ聴いて育つんだべに


11

令和3’11’06
御前崎市・もくせい短歌会
|地引網船首に立ちて漕ぎ出る亡父の雄姿目の裏に


|目の裏に雄姿の船首大漁旗 焦がれし夢も今や過疎
|糸を垂れ見つめし過疎や秋の海 澪曳く泡は船か負い目か
|食らいつく魚に堕ちしガス欠船 黒潮蛇行は垂らし糸
|入れ食いは理想か期待か冬の海 持続してこそ感謝のカタチ


> ガキの頃は大漁旗に憧れて自分も漁師と思ったものだった
> でも、浦人は離れ、今や浦里は過疎に瀕している

> こうして昔を思い出しながら糸を垂らしていると
> 時より見える船の澪曳く泡が、自分らの負い目にも見えてくる
> なにが間違っていたのだろうか?

> 聞けば、地球の変異からか、黒潮は蛇行し
> ガス代に割の合わない船が無理に追いかけるのは、餌に食らいつく魚の如しで地団駄だそうだ

> 漁師にとって、理想とは、入れ食いでも無ければ、魚が丸々と脂を乗せてることでもねえ
> どうしたって末永く続けていけることだ
> それこそが里浦暮らしをする側の感謝だったはずである


> ‥そうでなくなったというのだから、甘かったのだろう
> そもそもおれらが食えなくなれば
> まず他の船を探して乗り込んで、それでもダメなら陸に上がって水産加工あたりだろう
> そうなっちまうのも、競争だからだ
> そんな無理を推し進める国側が、持続可能なルールにねぇから、足を引っ張られてこのザマだ

 (ふざけんじゃねぇよ‥と常々思ってきたが、具体的な言葉は誰も持っちゃいなかった)
 (津波にしたって、教わらなければ想像もしようがねえ頭なんだからよう)
 (山から養分を含んだ流れが滞ると、海にも影響するというのも現代の知恵だしな)
 (席にふんぞり返ったインテリに付き合えば付き合うほど、現場を知らんとこっちが馬鹿を見る)


> 魚が捕れなくなってきた、棲まなくなってきた‥これが今の現実じゃありませんか‥
> そこで注目されるようになってきたのが深海魚ですよ
> なんかちょっと魔界の魚って趣が、どうしたって見た目で落ちて値段も落ちると
> 加工しちまえばわかんないって云ったって、日本は刺身文化なんですからね
> ならば、しっかりとカーボンニュートラルしていこうじゃありませんか‥

 (‥という言い回しにしときゃ今回選挙の自民票もまんざらに見えなくも無いわけだが)
 (麻生太郎は、ステーキ&ライス派なんだろうね)
(だから閣僚会議の段階で、フクシマからじゃんじゃん処理水を流せ云々って話にもなってそう)

12



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 17:31 | Comment(0) | 名句にポン/2021中途から不定期分 | 更新情報をチェックする
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