2021年11月22日

【勝手句帳】r092(21’1119-21'1120)静岡新聞掲載分から

↓(14)向宜詠吟.2021/11/22

令和3'11'19
沼津市・片浜松風句会
露けし馬齢重ねてゆくばかり

※露けし:(季、秋)露にぬれて湿っぽい。和歌などで、涙にぬれている意。
※馬齢:馬の年齢。自分の年齢を謙遜する意。
人生、成果にたるものがなかったとして自己を卑下もしくは謙遜の意。
※馬齢を重ねる:たいしたこともせず、ただ無駄に年をとることの喩え。
上五「露けし」は「や」で句切ってるので、まぁ季語なのだろう
だがしかし、「や」で切らないなら、馬齢に引きずられて景色観よりは心情観が強くなる
その場合の季語感は随分と薄れて怪しくなってくる‥


|露けしき馬齢を誘う手に木の実 愚直の種を食めども播かじ


> 見かけた木の実を拾い上げてみれば、私の人生もそれに似て見えなくもないなあ
> それは少しばかりの何かを得る為の人生だった、涙のような人生を送ってきたようなものだった

> でも、食べてきたのだから、愚直にこなしてきたのだろう
> でも、この木の実だって、食べる目的ばかりになく、播くこともできるのだ
> でも、私の人生に、播くだけのアクションは無かった(無いに等しい)

> ならば、手にしたこの木の実のままのようなのだろう
> 大樹とは差のある歩みだった、大樹を見て良いなあとしか思えない人生だった
> でも、大樹のように木の実を落とせる何かなんて、とても思いつきやしない

1

令和3'11'19
島田市・口語俳句勉強会
いきいきと鬼の貌して大焚火


|いきいきと鬼の貌して餅分配 ケチが付こうとよっこら自公


> 首のつながった自公与党が、早速に分配概要を提示した
> でもまぁいつもの辛口の予算盛りに変わりがない(どこが新しいのだろうか?)
> どうにも、よっこらしょとした空気のままの勘違いを貫き通している鬼の貌だよなあ

2

令和3'11'19
島田市・口語俳句勉強会
|芋の秋ひとつくらい転げてもいい
墓は要らぬ 風が背を押した


|ひとつくらい転げてもいい‥墓要らぬ‥語りに落ちし仏滅祈願


> 弱者切り捨て上等ってのは、仏滅祈願と同じだな
> だって、今や墓は建てられねぇし、葬式を出すにしたってあやしいご時世だ
> 仕舞いには真に受けて、残された方は、自分の墓を‥もとい、葬式を諦める空気らしい

 (それはそれで、仏滅を祈願したが如しで虚しいだけだろうに)

 ‥だがしかし、誰だって長生きこそが本願だ
 ならばこそ、不老不死だったなら、それこそ仏滅上等という事になるわけで
 無駄に科学が進んで不老不死くさくともなれば、それこそ仏滅するに相違ない

 (それはそれで、私たちの信仰心なんざ随分とチャランポランでご都合だけの糞に見えるなあ)


> 自分に必要ないからと、すべてに不要と断ずる極端は、慈悲ではない
> (資本科学に浮かれてきた連中は、随分とした仏滅勢力だったという事だよなあ)

3

令和3'11'19
島田市・口語俳句勉強会
|石蕗の花点して待つ母もういない

※石蕗(つわぶき)、石蕗の花(つわのはな)


|攻め好きは灯し待つなど他人事 地味待ち嫌と外向き贔屓
|「陽キャ内、陰キャ外」のカースト制 無残なザマを撒きし時世
|おもてなし灯し待つ国もう死んだ なんせカツカツ連れにガラガラ
|日本の母はいつでも灯し待つ 担い手失する多性脳群


> 「攻撃は最大の防御なり」とした格言は、今や、随分とした勘違いをやらかしている
> それは護るべき土地があっての話で、敵に里を荒らされたくないとした心理が付いていた
> だがしかし、今どきの経済にはそれが無く、社員どころか社長ですら切り捨てられだ
> 護るべきは、オーナー利権としたすり替えになっている

 (待ち姿勢では、オーナーに首を斬られるのだから、無理をしてでも攻めに出ないとならない)

> そんな時代の風潮だからだろう、家で待っているだけの主婦姿勢を誰も肯定しなくなってきた
> 好きにやりゃ良いだろうにしても、そのような思考は子に影響を確実に及ぼしている
> 「陽キャ内、陰キャ外」とした空気は、まさにそれだろう

> この国のおもてなし文化は、コロナ禍に非ずともすでに死んだのだ(死に体)
> だってそうだろう、それが格差社会の歪みという奴なのだから
> それでなくても人口減にある、その時が来るまで、気長に待つだなんてお手上げも同然だよ

 (国がした対策らしきといえば、海外からの観光客誘導にGoToだった)
 (だが、それらは見せかけだった‥日本人同士でのお互いの評価値は低かったのだ)
 (「都市は内、地方は外」「ホテルは上、民宿は下」なんて‥張り合ってるお国柄だからな)
 (どれだけお前ら、格付け止まりの思考形態からの格差上等だったんだよ)


> 旦那の帰宅を待つような、日本の母のイメージなどもはや無い
> それでなくても、グローバル化&多様化&多性脳化で
> あーだこーだを勝手気ままに撒き散らすことが正義だ人権だと言わんばかりだ
> それの中身のほとんどが、攻めの姿勢で、面倒はすべて誰か頼みにある

 (家で待っているだけなんて‥とてもできそうになき連中の芋洗い状態だ)
 (克己意識が随分とすり替わっている)


> 仏陀がお手本だった時代は、誰しもが超えるのは無理と思って謙虚さを表にしていたのに
> 唯物思想の資本経済になった途端に、欲のツラが表になって、俺にもできるとした自信過剰だよ
> そこからなし崩しに、自由に振る舞うことに容赦が無い

 ‥道を譲り合う気が無いなら、渋滞にしかならないのは明らかだ
 そういう混雑を脳内でやらかしていれば、世間様でもそうなるに決まっている
 (スローモーションのように、見事にそうなって来たんだよ)

 ‥仏陀が説いてきたのは、そうならないようにとした戒めもとい慈悲だったわけである
 それはまぁ、家で待つ母の立場に近き視界だったに相違ないわけである
 (母親を知らずも、釈迦は、母としての心の大切さを悟ったという事かも知れないなあ)

> でも男だったので、女性ほどに粘りたる慈愛モチベーションは持ち合わせていなかったくさっ

4

令和3'11'19
島田市・口語俳句勉強会
|トンネル抜けた 又前へ歩く


|コロナ禍を抜けても前へ競う群 やすまる余暇に幸は在らねと
|疲弊しきトンネル抜けて駆けにけり 逃げ出すように前に歩まむ
|攻めにこそ幸福ありと突っ走る 過去形踏襲そのままに
|「進んだか?」実は逃げてる雪の日々 しあわせなんざ朝置きのゴミ
|シェア争い戻らぬ雇用国境 吾は問う者「リスクとは?」
|ばらまけどあざとき息で疲弊分け 財政負担と吐きつ捨つつ
|縄張りに踏み込むことなく春を待て 為政の呑気と人口減
|継続は一次産業からの春 内向きシェアに「革命を!」
|古き術失うばかり人の息 それで新たを築けるなんぞ
|「受け継がね」逃げの自由に損得観 改善せずんば滅ぶのみ


> ‥要するに、コロナ禍で安い労働力は里帰りしたまま戻らない
> ワクチンパスポートはそれの壁でもあり、回数増を要求すれば尚更だろう
> なんだかんだで、一次産業での収穫が遅れて、生産にツケが回り物価高に推移する
> 陰謀でも何でも無くて、只の心理現象
> 陰謀が在るとすれば、一次産業を安く買い叩いてきた習わしに尽きる
> そういった縄張りを解かないと国内雇用での一次産業は回らない
> 仕事が無いとかミスマッチとか言い分はあると思うが、相に仕向けてきた要素は否めない
> 一次産業を十二分に廻せない国家なんか、あっという間に滅びる
> 残った者同士で、縄文からの足取りを踏襲するざまになろうなら‥千年程度の無駄になると‥

5

令和3'11'19
静岡市・虎渓俳壇
|柿落葉パレットの絵の具すべてのせ

※下五「すべてのせ」では、描いている勢い感が足りないように思われる


|柿落葉パレット絵の具 全部盛り 描いて分かる朽ちの輝き


> ‥柿の落葉の光景を画用紙に描いてみたよ
> そしたら、パレットに置いた絵の具の総動員になったよ
> こんなにも多くの色を使うなんて思ってもいなかったよ
> 朽ちていく様にも「輝き」があるんだなあって思ったよ

6

令和3'11'19
静岡市・虎渓俳壇
|小春日の潮騒と居るレストラン


|小春日の潮騒と居るレストラン 未だコロナ禍貸し切りの如


> 小春日陽気に誘われて、以前に行きつけのレストランにやって来た
> したら、まだまだコロナ禍警戒が薄れていないのか、貸し切り状態だったなあ
> 潮騒の妙に良く聞こえていたのが、印象的だったよ

7

令和3'11'19
静岡市・虎渓俳壇
|本を閉ぢもどる日常庭小春

※中七「もどる日常」では、本の世界観とのギャップが足りてないように思われる
折角の着目としてのわくわく感が、さらりとしていて新聞でも良さげな空気だ‥


|スマホ置きもどる凡日庭小春 しごく息災なれど堅忍


> 小春日和の陽気に日向ぼっこをしようと思い、縁側に座った
> 日向ぼっこの暇つぶしついでに、スマホで小説でも読もうと思ったのだが
> 画面が反射しまくりで見づらくてしょうがない
> しかたなく庭でも眺めるかと‥スマホを置いた‥
> つつがなく好い陽気である‥何の不問もない‥

> だがしかし、どうしてこんなにも我慢しないと成らないんだ、理不尽すぎる

 (ああ、スマホしてえ‥でも日向ぼっこも捨てがたい‥)
 (そうか、こうなるともう紙の本なんだなあ)
 (無料で読めるのに、今更、コロナだし、古本で買うなんてのもなあ‥)

8

令和3'11'19
浜松市・浜松川柳社いしころ会
|捨て切れぬ想いを仕舞う衣更え

※中七「想い」が、その夏着のどの辺りに愛着があるのかは一切不明


|捨てきれぬ想いを仕舞う衣更え 高い買い物して居らずとも


> ‥この夏服、そろそろ買い換えても良いと思っている
> でも愛着があって、そこそこのお値段だった奴だけど、着やすいのが好きで
> 今どきはこの手のデザインを見かけないし

> いやぁダメだわ、予算も厳しいし
> まぁ取っておくだけなら無料だから‥(来夏になったら考えようっと)

9

令和3'11'19
浜松市・浜松川柳社いしころ会
ただ晴れただけでうれしい朝の庭


|ただ生きしだけでうれしき大往生 相応しからずとはなんぞ?


> ただ生きてきた、それも、糞のように生きて居ただけ‥
> でも、それでさえ、かけがえのない命だった‥
> 役立たずだろうと、生きてるだけでも喜びであったなら、大往生したって不思議はねぇ

> どうしてちみたちは、そうまで意固地にも、成果らないと往生できないなどと不安がるのだろう?
> どう考えたって、ちみたちのそれはバイアスだよ
> どうして誰もに大往生への余地があると‥そうに思えるような静けさを抱けないのかねえ‥

10

令和3'11'19
浜松市・浜松川柳社いしころ会
しのつく雨行くはずの遠くなる


|篠突ク雨征クハズノ海遠ザカリ 然レド特攻晴レタレバ刻


> ‥ああ、マジ助かった
> 今日が雨で良かった、明日も、明後日も、ずっと雨なら好い
> そうすれば出撃は中止だ、アメ公だってやって来ない

 (でも、この篠突く雨は、俺の慟哭、俺の涙だ、ならばいずれ‥‥上がるのだろう)
 (死ぬ覚悟はあっても、一機で轟沈出来もせずに「死んで来い」って何なんだよ、糞が‥)
 (聞いた話では、敵空母に辿り着くことすら困難だという‥犬死にかぁ‥)

> 負けず嫌いで志願してきてるのに、そりゃねぇぜ‥奴らに負けるなんて絶対に許すまじ‥

11

令和3'11'19
浜松市・浜松川柳社いしころ会
|歳重ね厄介払いする庭木

※歳を重ねたのが庭木にも見えてしまうのが、詠み方としてスッキリせず


|庭落ち葉厄介払い負いし老い 核家族なら庭より畑


> 昔は景気が良かった、家を持つ、庭を持つがステータスだったなあ
> でも、どこでどう違っちまったのか(子も孫も向こうだし)
> お陰でこの歳になっても庭掃除をてめえでやらにゃならねぇ
> 健康の為って‥思えていた時分には良かったけど、もうくたくたでしょうがねぇ
> こうなったら、もう伐っちまおうかなあ

 (ああ、こうなるとせめて実の生る木にしとけきゃ良かったなあ)
 (そうすれば近所の子らを案内して、どうぞどうぞとついでに掃いてもらう手もあっただろう)
 (だがどうだ、ソメイヨシノに紅葉だし、掃除方用意の面倒ばかりだもんなあ)
 (見栄なんて張るもんじゃねぇなあ、どうせなら畑にしときゃ良かったんだよ)
 (そうすりゃ、てめえのペースに無理ねーし、お裾分け自慢になったろうって)

> 長生きの先にぼっち暮らしさなるんだったら、庭木に、桜も紅葉も要らねがっただよwww!

12

令和3'11'20
沼津市・花水木短歌会
|もういやだ小言言いわれて食べるのは時間をずらし帰宅を決意

※どのような状況・要素に悩ましくあるのか、ちんぷんかんぷんです


|育ち出のうんちく沙汰を膳にまで 文句述べたきゃ自分で作れ


> 無駄に良いところ育ち相手だと、食事の際の会話が、常に厚かましく感じられたりする
> 黙って食うのが礼儀だろうに
> だがそうじゃ無い‥食事は楽しく‥
> だがそうじゃ無い‥味のうんちくをひたすらに述べたりする‥
> それって失礼千万なんだよ、だから黙って食えや
> 育ちの差によっては、食事の際の会話はとてもナイーブになる

 (どちらともにそれの理解に疎いなら‥クソッタレ同士なら‥どうしようもない)

> そんなにも文句を並べ立てるなら、自分で作れ、まずは私に感心させろや
> その気も無いのに、毎日毎日文句を言うな!!!

 (世間の無駄に誉めてもらいたい・誉めよう症候群も、すぎたればなんとやらなのである)


 ‥レストランでデートして、味のうんちくしか垂れないようなら捨てておけ
 (一番の厄介は、そいつの親 or どちらかの家系がそのパターンだと言うことだ)
 (その垂れ口の相手が家事を仕切るなら、尚更に、自分好みの味やメニューは無視されると思え)

> 挙げ句に、家族で別々のものを食うようになり、姓についても別々が良いと言い出すに違いない
> (はい、統計を取ってみよう‥だいたい割合的にそんな感じなのではないかと‥)

13

令和3'11'20
焼津市・さつき短歌会
|日捲りの一枚毎に秋深みめぐりの稲田の黄の色ふかむ


|日捲りの一枚毎に秋深む 恵みの稲田 黄金(こがね)の見映え


> 秋の実りもいよいよだな
> 始めての試みに待ち遠しくて、日捲りカレンダーがこうもわくわくだとは知らなかった
> 進むほどに、すっかりと、うちの稲田も見事な黄金色に染まりましたとさ(さぁ稲刈りだぁ)

14



> うた詠み終わります、ありがとうございました。



posted by 木田舎滝ゆる里 at 23:19 | Comment(0) | 名句にポン/2021中途から不定期分 | 更新情報をチェックする
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