2022年10月05日

【ネタ文学】異世界における奴隷概念の盲点と整理

↓3)記稿.2022/10/05

> 私たち有史の奴隷は、同族を奴隷として扱うだけだが
> 異世界では他種族諸々なので、独自の魔法で拘束することで成り立つように表現される
> だが、大抵の呪いは、術者が死ねば効力を失うのだから
> 奴隷の呪いとて、魔法なんだし、それと同じであるのは述べるまでも無い


 ‥其は異世界の奴隷商が、なんだかんだと奴隷の呪いを掛けようと奴隷に期限が有るも同然だ
 だから、異世界の奴隷商には、術者の代替えありきで描かれなければならない

 さらに、獣魔契約には魔力量の限界が付きまとうのだから
 奴隷に落として拘束する魔法にしたとて、魔力量の限界を突きつけられる

 なので、術者の魔力量を代替する魔力の源泉転換を、買い手に要求する処とならん

 だが、それの転換とて完全に満たせないなら、奴隷商術者が死ねば奴隷の拘束も解かれる事になる
 それは結局の所、魔力量を代替できるだけの魔力が買い手の主に有ったかどうかになるだろう
 もし不足だったなら、奴隷自身の魔力からなんて事にもなりかねない(料金追加オプション)


> そのような欠点を社会に気取られないようにする為には
> 「主人が死んだら奴隷も死ぬ」類の呪いを付加しておく用向きになっていそうだな
> 仮にそれがハッタリだったとしても、用途を満たしていたならば負い目は無い


 ‥だが、この手の魔法には必ず
 術に掛かりやすいタイプと掛かりにくいタイプとが有り、術者側の必要魔力量も違ってきたりする
 結果、奴隷商側の手持ち商品に奴隷術の掛け直しともなると
 数次第では早急にやりこなせなかったりすることになる

 そういう場合は、奴隷商同士での奴隷の交換やら差額売買も有りうる話になってくる
 (その様な状況を加味すれば、あらかじめ、掛かりにくいタイプの投げ売りなんかありそう)
 (逆に問えば、エルフやドワーフを奴隷にするには、それだけ魔力に長けている必要がある)


 ‥ならば、普通に考えても、エルフやドワーフが奴隷に落ちてくるのは余程のことだ
 ツッコんで言えば、奴隷として大量に出回っているなんて有り得るわけがない
 それならそれで、相当に治安が悪い状況だ
 強力な魔法使いと貴族が組んで、暴走やらかしてる社会構造を模索しなければ釣り合わない

 ‥創作の思いつきで、子供の内から掠ってくれば簡単だと言っても
 大人になるにつれて能力に目覚めるなら
 能力に目覚めないような魔法を追加する用向きになるわけだから、術者のレベルも相当を要する

 (普通に考えても呪いを掛ければ、呪いを掛けている間は、その分の魔力が減るわけだから)
 (安請けあいするような魔法使いなど、ほとんどいないだろう)
 (魔力が減った分、其を負荷に思うなら、どっちが奴隷なのだろうと思うばかりだ)



1-3)1

> 人類は同種を平然と奴隷にしていた
> その基本的なパターンは、金策での身売り、借金、犯罪、捕虜の四つで
> それらがエスカレートして、市場が大きく高度になると
> お約束のように登場するのが、性奴隷や護衛奴隷のランク分けだ


 ‥同種間での奴隷市場の初期段階は、圧倒的に、労働力としての使い潰しである
 領主が重税を課すことで、貧しい者が堪えられずに犯罪に走る
 すると、吸い上げた税でしょっ引いて、奴隷に落とす

 真面目に、商売をやろうと思って金策して金を借りても
 市場のパイを広げられる程の新規需要開拓にでも無い限り
 返せなくなるのが流れだったりするので、借金の肩代わりに奴隷に落ちる

 (特定市場×産地を牛耳っているのが領主だったりするわけで、にべもなし)
 (初期段階での是は、割の合わない仕事をただ働きやらせたいからに他ならない)


 ‥だが、感覚の麻痺した領主ともなると
 奴隷を得たからには、大いに有効利用しようとするし
 予算が一杯一杯だからこそ、奴隷に偏重するわけであり、そもそもがカツカツでもある
 結果的に使い潰してしまう流れだ

 その手の感覚に慣れてしまえば、奴隷は在り続けなければならないとなり
 政治と経済は、怪しく空回りし続ける事になる

 とくに一番に奴隷を確保できるのが戦争での捕虜ともなれば
 権威高揚を兼ねてやらかすことにもなりそうだが
 それはそれで、負ければ大量の奴隷を失うも同然なのだから
 負けた国家は一気に衰退することになる
 (なので中世欧州の戦争は、領主が相当に支払いに追い詰められた結果だったかも)


> なので奴隷市場が活性化して行くには、勝ち続ける国家が求められる
> (これが帝国制度の本質なのだから、皇帝に憧れるなんてのは人としての人外だ)


 これの流れがエスカレートすると(帝国の存在感が確かになればなる程)
 奴隷は売れるという事で、余所から掠って来るようになるわけだが
 奴隷を運ぶにしたって金は掛かってくる

 そこでコストを落とすためにも、小さな商人の荷馬車を襲うことを繰り返す
 荷馬車の数が用意できたなら、今度は村を襲う段階だろう
 (手下の数が多くなればなる程、まぁそういう事っすね)

 (それはそれで、大商人並の組織力が無いとできないわけでーす)
 (そこまでになると情報網が達者なので、網に引っ掛からないとも言えまーす)


 ‥だが実態は、犯罪奴隷の値段などただ同然だ
 だから、掠ってこようと、高く買い取ってくれるわけが無い(二束三文)

 (日本であった花一匁なんてのは)
 (娘の買い取り代金と借金の差し引きとしてのお釣りを実感させる程度のもの)


 そこで、盗賊の大抵は、金の横取りと性欲を満たすことしか頭に無い
 そして、飽きたら売る事になる
 だが、大抵の盗賊は勢いだけのコネ無しなのだから、顔を知られたくないと思えばヤリ殺す
 (それこそ、盗賊どもの金と酒の切れ目が縁の切れ目だったかも知れない)
 (売り飛ばされて奴隷に落ちたなら、よっぽど扱いがマシな盗賊だったとも言えるだろう)


 ‥中には、そんな奴らを手懐けられれば、お目当ての女が手に入り放題とも思いつく
 そんなこんなで有力貴族とて、盗賊に依頼をやらかすことも有りそうだ

 だが、閥が悪くなれば、お互いに、切り捨てて黙殺される目に遭いかねない
 なので、実入りは良くとも、どちらともにまともな形で接触したりなどしない
 (深入りしてしまうなんて尚更だ)

 (なので、深入りするような貴族は素人判定されて逆に食われる)
 (そもそもが、頼み事を依頼できるような盗賊なんて、大人数を抱え持つ盗賊団前提だし‥)
 (敢えて規模が小さいところに依頼したとて)
 (そこの頭目が、出世のチャンスとばかりにバックが無ければやってられないと知恵を巡らせば)
 (名の通った盗賊団に話を持ちかけることにもなるだろう)
 (これを見て、どうするかは盗賊団のお頭次第‥罠かチャンスか‥)



1-3)2

> 本来なら異世界の奴隷ともなると、人間同士のそれとはちょっと雲行きが異なってくる
> それは魔法があると言う事と、獣魔を操るという事だ


 魔法を駆使すれば、生産効率を上げることができる
 獣魔を操れるなら、人の苦手な労働を代替させる事も可能かも知れない

 だから、至上主義が目論むとすれば、そのような者らを優遇しないことだ

 だが戦争には使える
 つまり、生活力の向上を試みる者には魔女狩りをし、戦争に協力する者には勲章を与える

 (だから、魔法を使える者が少なかったり、貴族だけの特権だったりしていそう)
 (賢者が貴族嫌いなら隠棲するのが当然とも言えそう)
 (逆に、貴族に仕えることを厭わないなら、攻撃魔法傾倒の脳筋くさそう)



1-3)3

> 異世界モノには、至上主義になくても、奴隷制を容認している場合も見られる
> 多種族尊重なのに奴隷制がある場合は、奴隷市場の初期段階で止まっているのだろう


 ‥その場合は、一が借金奴隷で、二が身売り奴隷で、三が犯罪奴隷だ
 (身売り奴隷が認められていると、抜け道になって人攫いが横行する)
 (その場には、犯罪奴隷が二に繰り上がる)


 だが、犯罪者が出所したのに塀に戻りたいなんて言う事情を加味すれば
 じゃ、「奴隷」でという感じだろうか‥

 (少なくとも、首にならずに済む点が、当人達には大きいに違いないとした空気だろうか‥)
 (同じ者が、食うに困って繰り返し犯罪に手を染めるなら、奴隷も有りとした解釈にもなる)


> だが、それはそれで実に奇妙に見える


 ‥一番に奇妙なのは、獣人族を獣魔契約できるなんて魔法の都合だったり(逆はなぜ無い?)
 獣人の王が、ヒト族を従えているとするパターンを見かけないことだったり
 ヒト族がなぜ獣人族より優位なのかを説明せずに、貴族を描いていることだったりだ

 結局は、魔族と獣人族の区別が付かないし

 ヒト族VS魔族として表現してきた流れで、お約束になってしまっているからだろう


 ‥共和制とした国家体制を敷くと
 当然として、貴族の中にも色々とした獣人が混ざり込んでくる(何ら問題なし) 

 これが表現されてこないのは
 帝国制ばかり描いて、共和制とした考えが作家の側で疎いせいだろう

 単に多様性の流れの一環でしか扱っていないから、貴族は人間というルールにハマるのだ
 まぁいいとこ、獣人の商人が、ヒトを雇っています程度である


 ‥だが、共和制と言ったって、すべての種族で仲が好いわけでは無い
 中核となる国家群から誘われたから参加しているだけだったりだろう
 そりゃまぁ、敵対同然の関係を持ち込んでいる民族同士のケースもあるはずだ
 (昔ながらのエルフとドアーフの不仲説みたいな)


 そういった関係が入り組んでいると、平等概念とは別に、ケジメとしての扱いを
 希求する意味合いも十分にありそう(偏見の延長線と言えば、それまでだけど)


> 結果的に、一番の罰が「死刑」に非ず「奴隷」という事にもなる
> (共和制ともなれば、死刑になる者らの民族比に、大きな隔たりがあると大問題になる)


 ‥そこで、死刑>終身刑>奴隷という事になりそうだが
 終身刑は、中世感覚としては、コスト的にまず成り立たない

 それこそ、税予算から面倒を見てやるなんて有り得ない話だ(とくにトイレ)

 だから、労働罰奴隷として扱われるのがもっぱらに思われる
 それもこれも、教育と衛生概念が普及しているか否かの差と言えそうだ



posted by 木田舎滝ゆる里 at 20:01 | Comment(0) | ネタ文学 | 更新情報をチェックする
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