↓3)向宜詠吟.2016/10/22
|竹林の風さやさやとほととぎす鳴き渡る声頭上に降り来 焼津市・さつき短歌会
|竹林に鳴き渡る風ほととぎす 佇まふ青かげさやさやと
> ‥よく詠めています。大した詠みです。
ほととぎすの鳴き声を主役にして、概ね竹林の外からの光景が見えてきます。
‥しかしながら、詠み手がどの位置から句作したのかは曖昧です。
竹林が道沿いの上にあるのかも知れませんし、
丁度、竹林の入り口に差し掛かって、ほととぎすの鳴き声が涼しげに聞こえ来たのかも知れません。
‥どうせなら、竹林の小径を歩いている情景を以て、堪能したいのです。(暑いんですから)
それこそ、ほととぎすの鳴き声に誘われたからとしてもおかしくありません。
|道添ひに連なり咲けるたんぽぽの風にほどけて旅立つ冠毛 静岡市・城東短歌会
|たんぽぽや連なりほどけ風になる 見送りてもう青空何処
「道沿い」が「道添い」なっとります。(文字化けですか?)
短歌の場合、どっちでもいい所もありますが、
‥どちらがより妥当かは「たんぽぽ」に聞いてみるよりほかありません。
とはいえ
たんぽぽが道に寄り添ったように擬人化されてるだけに、
それは同時に、道の方もまた擬人化の扱いになってしまってもいるんですよね。
‥それはそれでどうかという話です。(やり過ぎかと思います)
> あと気になったのが「冠毛【かんもう】」です。
先に「たんぽぽ」と提示があるのだから「種」でも十分に通じます。
‥流れとしても、お堅い音読みでくくっては、せっかくの訓読み調子が台無しです。
(ここで二音浮きます。)
さらにツッコみますと「咲ける」です。
‥咲くの活用は、「咲かる、咲きける‥」ですので
活用がそもそも変です。ここは「咲くる」です。
又、たんぽぽの花部が一様にまっ白とは限りませんが、種の状態を「咲いている」とは考え所です。
前に「連なる」と表していますからそれで十分です。複合動詞にする必要は必ずしもございません。
(併せて五音浮くわけです。)
|道沿いに連なるたんぽぽの風にほどけて旅立つ種ら
まぁこれだけでも一行詩としては、まずまず整ってます。
‥短歌としてここから先を埋めるには、詠み手自身の気持ちを乗せなければ届かないのです。
‥自身がその光景を見てどう思ったかです。あらすじだけでは句作は完成致しません。
尤も
ベタにこう思いましたと言い切る必要もありませんから
いつの間にやら、言葉に、ちぐはぐが付いて回ってドツボに嵌まることになるわけです。
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 16:17
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名句にポン/2016
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