2017年04月07日

【勝手句帳】092 29-3-31/4-4 静岡新聞掲載分から

↓7)向宜詠吟.2017/04/07

|春荒れの果て綺羅星置ひてゆく           静岡市・清風俳句会(4-4)

|春荒れの果て綺羅星だれぞ散る 政界花吹雪ヨーソロー


 *綺羅星(きらぼし)‥「綺羅、星の如し」からの縮語。
 @闇夜にきらきらと光る無数の星。A地位の高い人や明るいものが多く並ぶようすのたとえ。
 *ヨーソロー‥進路そのままの意。(ここでは、時代の抗意にのまれて散れぐらいの意)


 ‥ネタの解釈は、春嵐のあとの夜空の綺麗を詠んでいます
 ポイントになるのが、「置ひてゆく」までのまとめ方です。

 この時

 中七を七音に収めるべく
 「に」を盛るか「を」を盛るかで、雰囲気が随分と変わるのがここでの「綺羅星」です。

 十七音での整えがネタの句で
 三十一音に仕立たのがリスペクトです。

 ‥見れば分かると思いますが

 「を」を盛った方は、どうにも詰まったような余韻にならざるを得ません。
 俳句ではそれも味になりますが、
 短歌でとなると‥どうにも主体が曖昧になりかねないのです。


> ‥それにしてもなかなか
> 「森友疑惑」&「今年の桜遅し」‥雰囲気ありありです(こんな詠みようがあったのか!)




|ああ平和平和を忘れてる平和             焼津市・焼津川柳同好会(3-31)

|ああ平和、ひっくり返さん芝居ゆえ狼少年騒ぎ出す
|ああ平和、其を忘れ居て平和なく 平和の信念かつぐも軍事
|ああ平和、正直棚にくぶ火元 乱るる根っこ嘘まく政治
|ああ平和、気付く頃には屋根ぞ無し 爆弾降って九条ぞ在り


 ‥ネタは、同じ言葉の繰り返しこそを十七音ながらの特性とした例になります。
 短歌になりますと、もう少し具体的に細かい表現が求められてきます。

 思うに、

 ネタの句の詠みようは、モザイク風でしかなく、いろんな角度からツッコめるということです。
 ‥ゆえに、平和について考えさせるには、もってこいの教材らし風体をしていると。
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2017年04月05日

【勝手句帳】091 29-4-1 静岡新聞掲載分から

↓7)向宜詠吟.2017/04/05

|春の陽の光集めて川の土手菜の花ゆれて黄の色匂う          三島市・銀杏樹の会

|春の日や光り誘われ川の土手 菜の花ゆるる黄の色満面


 ‥「黄の色匂う」に納得できず、手直しにてこうなりました

 それにしても今年の春は遅いっす。
 江戸時代の春もこんな感じだったのかなと考えると
 江戸の春はもっぱら「菜の花」だったのではと思いました。
 繁殖力もそれなりにたくましく、食えるし

 終わる頃には、綿花栽培が待っていたと‥

 油で儲けて、綿花で儲けて
 江戸の商人たちは、土地活用にさほど困らなかったと言うことです。

 ‥そのアブク銭が、ソメイヨシノの誕生に繋がったのかも知れません
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2017年04月02日

【勝手句帳】090 29-3-28 静岡新聞掲載分から

↓11)向宜詠吟.2017/04/02

|横綱の力の限り豆撒きぬ         静岡市清水区港町

|横綱力の限り豆まきぬ 鳳凰降り 春 稀勢の里


 ‥相撲詠みか、まぁあって然るべきか
 それにしても、器用に詠み込んでますな。
 ということで、酉年に引っかけて引っ張りました。

 「豆まき」はさしずめ、「福は内」叶ったりって所でしょうかね。

 (ちなみに著生は、角界とて芸能スポーツ同じくさほど興味なし)


> ‥ここでの技法的には、「降りき」終止形か「降りし」連体形かになりますが


 「降りし春」では、春だけの印象は否めません。
 この年の間ぐらいは‥との思いでくくろうなら、願いを込めて「降りき」で句切ります。

 また、「春、鳳凰降りき」とすると
 ‥詩情としては、だからなんなのとツッコみたくなる印象が痛いところです。

 「是からですよ」との印象を誘うには、キャッチコピー風に盛る方が気分出るかなと。




木の芽吹くほのかに聴こゆの音     長泉町・ながいずみ俳句会

|風吹けと伝わる希望木の芽から 解縮したる命のふしぎ


 *解縮(かいしゅく)‥参考:【提案熟語】解凍×→解縮(かいしゅく)

 開縮の方が良さげな気もしますが、開閉と同じに扱われては心外です。
 ここでは、見ている側の気持ちを含めた解放の意を兼ねて「解縮」です。


 ‥「木の芽」ネタの句が、時節柄目に付くようになりまして
 是はイケるんじゃないかなと、ネタの句と目が合いましたが
 すっかりリスペクトしちまっております。

 ‥何が気に入らなかったのかというと
 「ほのかに聴こゆ」‥どこか静岡の句会に有りがちな感性に思えてきました。
 「風の音」‥木の芽と何の関係があるのかが今ひとつ足りていません。
 「吹く」はですね‥「吹いてない木の芽があったらもってこい」の印象です。


> ということで、全然イケてなかったのですが
> リスペクトと比べてみると、「木の芽」×「風」の掴みがポイント高かったようです。


 (夏休み等も含め、ガキの頃から日曜といったら寝坊にも夢見にしか関心がなく)
 (それゆえ出歩かないから、木の芽に注目してみたことなんてねぇ!)
 (今だってさほど変わらんよ、排気ガス吸いたくねぇし!)


> ‥圧縮した空気を解縮しながら走る車の技術があるんだってな
> (まんま「空気解縮車」やん)


 「ガソリン車」等‥液体燃料系には、さっさと寝入って頂くしかありませんな。

 ‥燃料の重さが超絶に軽いっす。(液体燃料を積んで走るなんざ論外の世界)

 タンクローリーもガソリンスタンドも不要。
 もはや、空気圧縮車をその辺に配置しときゃ良いだけの話です。
 その圧縮燃料づくりにしたって、太陽&風&水でイケるんじゃねぇの。

 つまり震災時対応としても、空気圧縮車を、広場に置いておけば良いと言うことです。
 (そいつがさらに飛行装置付きともなれば、世界市場でもブレーク間違いなし)
 (でもなぁ空に上がると気圧が変わるからな‥その辺、技術力で差が出るところだろうな)
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2017年03月29日

【勝手句帳】089 29-3-24/3-25 静岡新聞掲載分から

↓9)向宜詠吟.2017/03/29

|川面はふの薄らぎ早桜           浜松市・三ヶ日俳句研究会水鳥発行所(3-25)

|桃林やうすらぐ靄から現れき ここはいずこか夢見たる里


 ‥ネタの句は、靄の薄らぐ光景の中に早桜があったと・・
 この早桜が、どうにも「川面」とあるので河津桜のことらしい。

 ‥「ほう」「へぇ」と、早起きしてみた甲斐の着目は悪くない

 ただ、「靄」と「桜」ではまったく以てピンと来ない。
 河津桜とあれば濃き印象にもなろうが、ただ桜では、靄同然に薄き印象だ。
 そこで、桃にして引っ張ってみた。所謂、桃源郷の趣である。




|日を背なに垂るる釣糸日永し         沼津市・潮音波光句会(3-25)

|日をせなに垂るる釣り糸春の海 わらう桟橋ポーズ次々


 ‥「日永し」でくくっては、そこが海なのか川なのか池なのかすら分からない
 そんな案配になろうなら、ざっくり「春の○」と盛ってしまえというものだ。

 また

 周りの様子の一つも無しに、自分の背中一つだけ見せて「日永し」のくくりでは、
 自分一人だけで釣りをしているとした雰囲気盛り盛りで
 ‥句としては、どうにもつまらん。

 (如何にもマニアながらのポイントで釣りをしていますと、語りたいかのようでもある)




|碧天へ相輪の風光る            浜松市・三ヶ日俳句研究会水鳥発行所(3-25)

|碧天へ相輪の風光る道 仏に学び仏を擱かむ


 *碧天(あおぞら)‥とでも読むのだろうか?
 *相輪(そうりん)‥仏教で、塔の上に飾る輪を束ねた飾りのこと。
 *擱く(おく)‥D途中でやめる。中止する。中断する。
         ここでは、自分の道を選んで進みはじめるぐらいの意。


 ‥ネタの句の「塔」の二音には、何の気持ちも意図も無い。(音数埋め)
 しかしまぁ着目はなかなかどうして‥「風光る」にピッタリか。

 学び学びといっても、何も専門家になるために学ぶわけではない。
 仏教だろうと同じことで、学んで何処を目指すかは自由である。
 ‥もっとも仏教の場合、「悟り」の言葉に惑わされて、挫折&居残り組も多いわけだが


> 「挫折上等!」‥其もまた仏教、もとい人生ということです。
> ‥挫折してみないとね、掴めないこともあるわけですな。


 (そもそもの仏教が、挫折の賜みたいなもんだし)
 (‥集まってきた弟子たちにしたって同じだったろうさ)
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 23:03 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする

2017年03月25日

【勝手句帳】088 29-3-17/3-18/3-21 静岡新聞掲載分から

↓9)向宜詠吟.2017/03/25

木洩日の木々に遊びて鳥の恋    掛川市・かざぐるま句会(3-18)

|春こしか木々に鳥な戯るもピーチクパーチク花ありてこそ


 ‥ネタの句は無季ですが、季節感としては春のつもりなんでしょうかね??
 ‥でも「木もれ日」の印象は、どちらかというと初夏頃からです。

 通常、葉と葉の間からもれてくる光を木もれ日といい、花と花の間からもれてくる光を指しません。
 そもそも春をよく観察してみると、うす曇りの日の方が多いので、木もれ日ほどの印象には無いかと。
 (初夏の装いを以て、鳥の恋の詠みというのも変です。卵を産める時節は変わりませんから)


> もう春が来たかのように木々に集まる鳥らが恋に盛り上がろうにも
> やはり、ピーチクパーチク語り合うには桜が満開に咲いてないとなあ
> (人の暮らし向きにしたって同じだろうに‥要となるべき土台が疎かでは始まらないのだよ)




霊峰の源兵衛川よ桜の芽      三島市・炎環三島富士句会(3-17)

|見上げれば源兵衛川に桜の芽 たけなわ近し春ぞいとけし


 ‥どうして近隣の小川の桜の芽を詠むのに、「霊峰」を盛らにゃならんのよ??
 富士の湧き水を意図させるにせよ、それが「桜の芽」と何の関係があるんだか‥

 「主役は季語なんだよ、分かってますか?」

 ‥ここでの源兵衛川は脇役だし
 そのまた霊峰の湧き水なんか‥それこそちょい役だよ。
 それでどうして「桜の芽」の風情が伝わるよ。
 キャスト揃って写真撮るにしたってさ、それだけだよ。


> 「桜の芽」に関した様子は何にもない


 ‥ちなみに
 「芽」と表現した途端に、「花芽」と「葉芽」の区別が意識され
 必ずしも「蕾」を意図しているかどうかは定かには無く、何らかの説明足しが欠かせません。

 手直し&引っ張りのような雰囲気が揃ってようやく‥「蕾」らしいと判断される程度かなと。
 (「桜」とあるので、桜の場合は、花芽が先なのは当然ちゃ当然ですけどね)


> ふと何気なく源兵衛側の散歩がてら、桜の木を見上げたら
> 桜の芽が膨らみはじめて来ていたよ
> この辺りが開花するのももうじきか、ああ春ってほんとこちらまでが無邪気になるよ




|青空が好きで見上げる春帽子    静岡市・虹の環句会(3-17)

|青空が好きで見上げる春帽子 たんぽぽラッシュの風に乗り


 ‥ネタの句の着想は、どうしたって詩であって、俳句としてはざっくりです。
 そもそも自分のことを指しているようにも見えないのが、ここでの「春帽子」です。

 どちらかというと、印象的に添えられている感じが強いのです。
 つまり、客観的な向きが前に出てしまい、主観には成りがたいのです。

 たしかに上五・中七と主観の言い回しにはあるのですが
 ‥その勢いも、季語にすっかり食われてリセットしちまっています。


> その意味において、実に不思議な余韻です。


 ‥ということで、空想的に引っ張ってみました。


> ああ、タンポポがすっかり綿帽子になっている
> まるで青空が好きで待ち焦がれているかのようだ
> そんな時分に吹く春風に、次から次へと綿帽子が飛んでいく
> まさに、この風に乗るべきと焦がれた青空へと飛んでいくのだなあ
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 12:37 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする

2017年03月20日

【日記】俳句や川柳から+七七引っ張るのはただの手直しよりずっと難しい

記稿.2017/03/20

 俳句や川柳から
 +七七引っ張る短歌への詠み足しは、面白入っちゃ面白いのですが

 俳句や川柳をただ手直しするだけより、かなりハードな着目が要求されてきます。

 ハッキリ言って、非常に疲れるっす。
 しかし、自分一人で細々と一から十まで詠むよりは
 圧倒的に、ポテンシャルの高い短歌に仕上がるのには、毎回驚かされてしまうのでーす。


> そんな驚きに慣れてしまったのか


 俳句や川柳の間違いや指摘という作業が
 如何に中途で、平凡で、単細胞な作業だったかという事実に
 「あれ?」と気がつかされてしまうのです。


> されど


 「引っ張れる詠みとそうでない詠みとの違いとは??」

 ‥ここが重要で
 俳句や川柳として整っているように見えても、引っ張れないでいると
 どうにも、じれったい時間だけが過ぎていき、引っ張る必要が果たしてあるのかどうかに
 自問自答してしまいます。

 この違いが何なのかが‥よく分からず‥

 とりあえず‥詠めてても「名句にポン」として成立しない引っ張りは弾いてしまえと思うこの頃です。


> まぁあれですよ。男と女の関係みたいな物で


 俳句や川柳の完成度を、男として女としての完成度としてみるなら
 +七七への引っ張りは、とくに完成度が高くなくても引っ張り合わさることで
 輝きを増すという見方になるように思います。

 まぁそう考えますと

 「俺の歌風との相性が絡むのか??」‥まぁ、まだ何とも申し上げられませんな。
 ‥知識の制限は確実にあるだろうな。(苦手や知らんことははまったく引っ張れんからね)
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2017年03月17日

【勝手句帳】087 29-3-10/3-11/3-14 静岡新聞掲載分から

↓7)向宜詠吟.2017/03/17

|小春日や歩幅合せて児散歩       掛川市・句会あさかぜ(3-14)

|春の日や歩幅合わせて吾子と土手 はな見て笑ふ てふ見て笑ふ


 ‥着目は好いんですけど、ネタの詠み方では、言語としての主体がおかしいのです。

 「歩幅を合わせているのは誰ですか?」
 「『児の散歩』とした言葉の響きの持つ主体はだれですか?」

 ‥どうしたって、「子と散歩」と表現しないのでは、さっぱりです。
 どうせなら、どこら辺を歩いているのかという方向を示した方が
 映像としては、よりしっかりしてきます。


> その時、季語との兼ね合いが気になるところです。


 「小春日」では、まだ肌寒い感触は拭えません。
 そこで「春の日」としてしまえば、のんびり感が増してくるわけです。

 ‥引っ張りを歴史的仮名遣いにしたのは、思い出して微笑んでいる味わいとした所です。
 (悩ましいのは、花が桜に限定されてしまう点です。漢字では強すぎるので、かなにしてみました)




|真青なる高みめざして揚雲雀       伊豆の国市・田方野俳句会(3-10)

|真青なる高みめざして揚雲雀 元気爛漫うたう春風


 


 ‥揚雲雀(あげひばり)とは、所謂、オスによる縄張り宣言行動。
 ということなので、ネタの句はかなり踏み込んだ着想かと‥

 ‥どこが踏み込んでいるかというと
 人間ごとのように、好き好んでしているかどうかの定かになき行動風景を
 敢えて志の向きに置き換えている点です。

 (まぁ繁殖行動の一つですから、好きも嫌いも無いと思いますけどね)


> 詩情という奴は、実際がどうかと言うよりも
> どう思ったかという点も欠かせないわけですから
> ‥是は、実際と描写のバランスとして好いと思います。
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 15:24 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする

2017年03月12日

【勝手句帳】086 29-3-3/3-4/3-7 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/03/12

小さき風に濯ぎものゆったり揺れている隣りの白壁に溶け入るように  藤枝市・合歓短歌会(3-4)


 ‥ネタの句は実に面白い着眼です。
 でも、もったいない‥平凡に詠んでしまっています。

 ということで、詠みの印象は

 「春すぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」‥持統天皇
 ですので、同じように枕詞を盛って、なぞらえてみましょう。


> ここで、面白きは、白物が二点あることです。
> 枕詞が句の中で二箇所に掛かるなんて見ませんからね。使わないという手はありません。


 *白妙の(しろたえの)‥枕詞の一つ。
 (ここでは、白を意味する「小さき洗濯」と「隣の壁」に掛かる)


白妙の小さき洗濯そよぐ春 隣の壁に透け入るよう



 ‥お気に入りの白のスケスケパンティーを、存分に春の日差しに干していると
 ‥隣の白壁に透け入るように、うまい具合に風がそよいでいましたよ
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2017年03月06日

【勝手句帳】085 29-2-28 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/03/06

|寒空に身震ひひとつ月歪む         浜松市中区萩丘

|寒空や咳が絡んで月歪む 寝付けず鼻垂るマイコプラズマ


 ‥「寒空」「身震い」「月歪む」、攻めてる感触が面白い。
 でも、「身震い」では月が歪んで見えるまでには不足しています。

 ということで、マイコプラズマの登場です。
 ‥あのもどかしき風邪をこのように表現できるとは!(驚いた)


> ‥にしても「寒空」では、外で寝ているような雰囲気もありますな‥


 (やべぇ‥マイコプラズマなんて風邪があると、外に放り出されたら地獄度増大じゃねぇかよ)
 (待てよ、アレは乾燥が苦手そうなんだから、外ではそうでも無いのかな?)
 (その手の暮らしの実態調査をすれば、真実判明だな)




|ハイヒールつと来て買ふや泥大根      沼津市・潮音水曜句会

|ハイヒールつと来て買ふや泥大根 舌は確かだこのピン札は


 ‥なかなの着目に、思わず引っ張ってみた。(おもしろい)

 ハイヒールのイメージにも色々あるが、偏らず腐らずに引っ張ってこうなりましたとさ。
 チャッカリ自分所の商売も自慢しちゃうと‥まぁそういう流れだったと。
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2017年03月03日

【勝手句帳】084 29-2-24/2-25 静岡新聞掲載分から

↓8)向宜詠吟.2017/03/03

|春たつや木々の芽ゆるむ音を聴く    静岡市・あけぼの句会(2-24)
|待っていた春風頬をほころばせ     静岡市・静岡川柳社(2-24)

|待ちにけり頬に春風ほころばせ 木々の芽ゆるむ音のきこゆらむ


 ‥面白いもので、二つの句を合体してみたところ、斯様に整いました。
 この攻め方は、紀友則の「ひさかたの‥」にだって負けてねぇべ。

 ‥斯様な攻めがあったとは

 あと十年生きても、ひとりでは気がつきようが無かったな。
 いやはや、他者から学ぶべきもまだまだごまんとあると‥

 (他者から何を学び取るかこそが、その人の創造性&人生を左右する次第に変わりはない)
 (見方によっては、この世はお宝だらけと言うことだ)
 (そこを知る程に欲張りはじめても、どうにもゴミ屋敷にも成りかねないんだけど‥)
 (地球の大きさの中に、オーム宇宙を詰め込んでありますって、まさにそれだからな)


 *ちなみに、「木々の芽ゆるむ音(ね)のきこゆらむ」と読めば三十一音。


> ‥待ちに待っていた春風が今吹いているのだなぁ。頬を伝いくる風がどうにも心地よい。
> まるで心の内から、芽がポンと弾けて二〜三分咲きしたかのようにうれしい。
> (きっと近隣の木々たちも同じように思って、音を立てて咲き始めることだろうよ)


 それにしても‥去年とのギャップがほんとありすぎて、まさに早う来て下さいの日々っす。
 (去年は二月の中頃に小夏日陽気になったのに、今年はまったく違うじゃねぇか!)
 
 ‥日向ぼっこできないと、ほんと句なんてやる気にならねぇし
 日向ぼっこのできない環境で、詩人とか、馬鹿丸出しだって最近ようやく分かるようになりました。
 思えば、句を詠むようになったのは20の頃で、学校通うのに部屋を借りたのがきっかけだった。
 余りに日当たりが良すぎて、布団にダニが湧いちまったっすけどね。

 要するに、小学校に上がる前に越した先が、外れにも日当たり最悪で
 その間の十数年間、詩人の魂的に大損こいてたって事のようです。
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 21:09 | Comment(0) | 名句にポン/2017前半 | 更新情報をチェックする