↓8)向宜詠吟.2017/01/26
|奥入瀬の清冽さ増す秋の旅 静岡市・青葉句会
|奥入瀬の秋なす飛沫清冽と 押し出す流れ色掻き染まれ
‥「清冽さ増す」は「澄む」と同系列の秋の印象です
そのあとに「秋の旅」と季語を盛っては、
奥入瀬の何たるを詠まんとしているのかに乏しくなるばかりでピンボケです。
「秋の旅」で見て来ました程度にあれば、あまり難しい言葉を盛らない方が適切に思います。
でもまぁここでの持ち味は「清冽さ」に有りますから、整えてみました。
> 風合いを為した言葉を盛れば格好が付くわけでもなく‥対象とのバランスが欠かせません。
> 言葉にもまた人格のような個性があり、合う合わないにうるさいのです。
|万緑の奥入瀬なのに個個の水 一句に盛るなど溢れしか
*奥入瀬(おいらせ)‥十和田湖・奥入瀬渓流
奥入瀬には景勝地が沢山あり、是を詠んだら奥入瀬を詠んだ‥なんて次第には及びません。
ただし共通しているのは水辺である点かと(よく知らねぇけど)
‥とまぁそんなところで、ざっと詠んでみました。
(この句はユーチューブ映像を見る前で、グーグル画像検索からの感想です)
(画像は検索で見かけてはいましたが、奥入瀬の名称までは知りませんでした)
|落葉松や霧に溶け込む風の音 静岡市・青葉句会
‥霧がこめてきました、風の音がしています‥???
(それじゃ霧が立ちこめませんよね、全部流れて行っちまいまーす)
(海霧のケースは、規模が大きく強風も想定されますが、カラマツの森程度ではどうでしょう?)
(山の霧は概ね忍び寄る影の如しかと‥音がする程の風が伴うなら雨も混ざっていると)
> 「吹かない風があったらもってこい!」by 夏井いつき
‥おおこれは、ついに見つけちゃいました。
風が無い状態を「凪」と言い。吹いてる状態を「風」という。
そのどちらでも無い状態がここにあったのでーす。
|霧こめて落葉松からまる音もなく 風のあるらしわずかに揺るる
‥いつの間にか、カラマツの林に霧がたちこめている
‥視界がどうにも覚束ない
‥風が多少あるのか、かすかに葉の揺れる音が聞こえてくる
‥(不思議なものだ‥風が吹いている様子もないのに、風が有るのだなぁ)
‥(まぁ吹いていなければ、霧がこんなにも立ちこめることも無いのだろうけど)
「そのような『風らし』を何というのか?」
‥それこそが、「霧」>「靄」>「霞」の勢いの度合いの差という事になるかと。
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