2017年08月10日

【勝手句帳】137 29-8-8 静岡新聞掲載分から

↓7)向宜詠吟.2017/08/10

|バラの香が人の渦よりあふれ出る       牧之原市・相良田沼塾俳句部

|バラの香が渋谷交差点より溢れでる 誰が為にここを行くらむ


 


 *誰が為に(たがために)

> おや?、どこからかバラの香りがしてくるぞ
> 誰かがバラの花束でも抱えているのかな?
> まぁ、こんなスクランブル交差点だし(そんな変わり者が一人ぐらい居ても不思議はない)
> ‥それにしても、毎日毎日誰の為にここを行くんだろうな‥
> そりゃ、こんな都会のど真ん中の象徴ともなれば
> 自分の暮らしを薔薇色に染めてみたいからだろうよ
> でも、実際は、他者の薔薇色にケチを付けんが為に奔走しているようなもんだからな
> (今だってそうだ、このバラの香りに対して、すでに攻撃的な構えだし‥)
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2017年08月09日

【勝手句帳】136 29-8-5 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/08/09

|鳥一羽低空飛行に目の前を飛び去り行けりその名は知らず    静岡市・長田寿短歌同好会

|万緑や水面すれすれ鳥の影 飛び去り行くも彼の名を知らず


 *水面(みなも)、彼の名(かのな)

> 水辺でのキャンプは気持ちが好い
> とくに水面(すいめん)すれすれを滑空する鳥の姿が最高だ
> その割には、調べてないから、未だにその鳥々の名前は知らないままなんだけどね
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2017年08月08日

【勝手句帳】135 29-8-4 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/08/08

|若き棋士扇子に「大志」祈り込め      沼津市・千本プラザ俳句教室


|風吹けと扇たためるこの一手 勝負手放ちツキ来たれしか


 *勝負手(しょうぶて)

> もはやこうなってしまっては、対戦相手のしくじりに期待するしかない
> 思いつく手としては、是しかない
> ここは一つ‥自信たっぷりの奇手に見せかけるべく‥精悍に駒を打ち放つべし





|信長の野望に「大志」と踏み込めば 魔王がわらう欲しさのみゆえ




> 「痛ぁぁああ」信長の野望の次回作に変な言葉が繋がってるよ
> 奇しくも「魔王」を自ら名乗った信長だぜ、「大志」は変だろう
> そりゃまぁ初心な時期もあったかも知れねえけどよ
> そこに甘んじなかったのが信長の野望だろうが
> 他の大名も絡むからってさぁ‥もう少し主役のキャラ気にしてくださいよ


 ついでに、楽市楽座の省略一字が「楽」って変でしょ
 当時の感覚で言えば、そこは「座」だと思うんですけどね‥
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2017年08月03日

【勝手句帳】134 29-7-29/8-1 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/08/03

|滴りのしづかに太る岩洞         SBS学苑パルシェ教室俳句(8-1)
石筍やしずかに太り柱へと        チョイ直し



|石筍や幾万年もそこに居り 垂涎のごと弛みなき日々


 *石筍(せきじゅん)‥鍾乳洞にて滴下の果て、床下に成分が沈殿・堆積して生じた筍状の堆積物。
 *垂涎(すいぜん)‥Aあるものを非常に強くほしがること。
 *弛み無い(たゆみない)‥気持ちがゆるまない。とだえる所がない。

> 石筍を見てご覧よ
> あすこまで堆積するのに何万年の月日を経ている
> 人に例えれば、彫刻家が洞穴に籠もり作業を始めて未だに未完と言うことだな
> 完成度を求めて目指すと言うことは、気がついてみればそれぐらいの根気が必要ってことさ
> ‥妥協なんて無い‥
> 否、妥協をする必要も無いのが宇宙の悠久ということのありのままの手本だよね
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2017年08月01日

【勝手句帳】133 29-7-28 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/08/01

|楽しみがこみ上げてくる朝の靴      袋井市・どまん中川柳

|楽しみがこみ上げてくるおろしたて いのちの産声 耳き入るような


> 何でもそうだけど、おろしたては好いよね
> 新しさの中に産声を耳(き)くような感動がある
> (だから、その感動が裏切られてあったともなると、不愉快甚だしくもなるということだな‥)




|白百合の群生暁に開く          長泉町・ながいずみ俳句会

|白百合の次々開く夜明け前 かんばしきかな風下の道


> ‥その昔なんかは、夜明け前の朝早くの行商の道を通っていますと
> ひっそりと群生している白百合が咲き始めて
> 風下の道沿いに、その咲き立ての芳香が漂ってくることがありました
> 「早起きは三文の得」とは言いますけどね、あれほどのお得に出くわしたことはございませんよ
> 今時の都市環境を見るに‥「随分と貧相になったなぁ」ってほんと思いますよ
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2017年07月29日

【勝手句帳】132 29-7-25 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/07/29

黒南風や吹奏楽部音合わせ                    島田市中河町


 <評>「黒南風(くろはえ)」は、梅雨どきの南風のため、天が暗くなるのをいう。
    そんな中で、吹奏楽部の面々が、演奏前の「音合わせ」をしているのである。
    「黒南風」という季語がよく利いている。
    これに対し、梅雨明け後の南風は天が明るくなるので、白南風(しろはえ)という。by選者


|黒南風や吹奏楽部音合わせ 今は未熟を乗り越えたれと


> ‥この頃、先生の指導がなんだか急に厳しくなって
> 今、私たちの吹奏楽部では、部員同士の呼吸に不協和音が雑じってしまってます
> (未熟なんだから、音合わせすれば下手な音も混じりますけどね)
> 頑張りの歩調が合わないのではダメということなんだと思います


 

 *↑舞台の京都では、黒南風なる言葉は使わないと思う。




風鈴売りのリヤカー揺れて陽を弾く昭和の音の蘇りくる       浜松市中区元魚町

|リヤカーに鈴なる風鈴 日を弾く 昭和の余韻 響き交ふ風


> めずらしく風鈴売りを見かけた
> リヤカーに鈴なりに飾られた風鈴が、道端で日を弾いていた
> ‥ああ、なんと懐かしい‥
> 昭和の頃を思い出させる一陣の風に、しばし聴き入っていたよ
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2017年07月27日

【勝手句帳】131 29-7-22 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/07/27

|うす紅のふくよかに咲く八重桜散るをいそがず夕光に映ゆ  静岡市・SBS学苑パルシェ教室短歌会

|うす紅と夕光に映ゆ八重桜 散るを急がずまるく添いけり


*夕光(ゆうこう)

> 桜と言ったらソメイヨシノで、八重桜が好いという割合は下がるだろう
> でも私は、八重桜の散り急がずに丸まると寄り添ってある趣が大好きだ
> しかもそれら濃いめのピンクが、春の夕日に照らされて
> うす紅へと変わる様が、なんともそろい微笑んだようで、それがまたたまらないのだよ




|現実に飽きて変えたき法なりや七十年の平和にも馴れ            静岡市・駿府短歌会
|戦争の「放棄」仰ぎて七十年徐々に九条不都合のこゑ            静岡市・駿府短歌会

|七十年 放棄御輿の色直し「独り善がりはダメ」担ぎ出し


> 思えば(今年は)日本国憲法施行からちょうど七十年である
> これまでの目玉と云えば戦争放棄の「放棄御輿」だったわけだが
> ここに来て、世界情勢に都合が宜しくないとして、お色直ししようって気運らしいけど
> 「戦争反対」をだな、例え独りになっても貫き通さずしてどうするんだって話さ
> 「戦争放棄」のお題目なら尚更さね
> ‥「独り善がりはダメ」とか、ほんとお門違いも甚だしい‥
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2017年07月26日

【勝手句帳】130 29-7-21 静岡新聞掲載分から

↓7)向宜詠吟.2017/07/26

|朝焼の七面がれ場赤燃ゆる       沼津市・裸子駿河句会

|尽きぬのかナナイタガレや夏至来光 赤く腫れたるナミダのような


> キミは知っているかね?、日本三大崩れに匹敵する七面山(ナナイタガレ)
> その七面山は太陽の通り道と糸魚川・静岡構造線とがクロスする希に見る霊場だという
> その姿は朝日を浴びて赤く染まるまでも無く
> 赤くはだけた山肌が、いつの頃からかずっと崩れ続けているという
> まさに流し続けた涙の見せる赤くはれ上がった表情そのものに見えて来る
> (なにゆえに‥そこまでの悲しみに打ちひしがれているのだろう‥)
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2017年07月21日

【勝手句帳】129 29-7-15 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/07/21

つづら坂紫陽花の色しっとりと      掛川市・草の実俳句会

|つづら沿うずっと紫陽花グラデーション 小雨降るたび毬のあで道


> いいね、色とりどりの紫陽花がずっと続いているようだぞ
> これは好い、小雨の時の暇つぶしに持って来いのデートコースだ
> ‥とはいえ、梅雨の季節だけだからな、思い切りのつくろいが如何にも紫陽花好きだよね




雑踏は都会の匂ひ夏帽子         沼津市・片浜松風句会

|雑踏のすき間に夕日 夏帽子 人のなぜに切なく渡るらめ


> ビル群のすき間を縫って、夕日が顔を見せている
> そんな夕日を麦わら帽の人影が、俺と同じくずっと見入っているなぁ
> ‥あの麦藁帽の人影、俺の若い頃を思い出すなぁ‥
> なぜにこんなにも多くの人が居るのに、誰もが他人行儀をまっとうしているのだろうかと‥
> 密集すれば密集するほどに、そうやって切ない暮らしぶりにハマるのも人間の一面だって
> 当時はまだ、素で受け入れられなかったわけだけど、
> そんなことを悩ましく思う奴ほど、ただ一人で居たいだけかと思いきや、そうでも無いと‥
> (未だに答えなんか出てないけどね)



 (*7/19の水曜日分は新聞の投句欄がお休みでした、あしからず)
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 14:53 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする

2017年07月17日

【勝手句帳】128 29-7-14 静岡新聞掲載分から

↓7)向宜詠吟.2017/07/17

旅まさに終る列車や花うつぎ       掛川市・鴟尾の会

|旅まさに終えた列車と影法師 姿を廃す夕闇濃くて


> 今年で消える鉄道車両が毎年のようにある
> 疲弊廃棄・モデルチェンジ・お役目廃止・廃線
> 中でも涙を誘うのが、お役目廃止と廃線だ
> まさにその日、最後の旅を終えた列車との影法師の光景は、
> これが最後だと思えば思うほど、その夕闇が重くのし掛かり‥切ない


 (*これの上の句は俳句の見立てとしては無季です‥今回は無季風がいくつか見られます)
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 12:43 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする