2017年07月12日

【勝手句帳】127 29-7-11 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/07/12

聲はもうとどかず振れり夏帽子      沼津市・七草句会

|聲はもうとどかず振れり夏帽子 永久の別れを神風などと


 *永遠(とわ)

> ‥これでもう‥これが今生の別れ‥
> そう思うといたたまれなく特別攻撃隊が見えなくなっても、空に向かって
> 夏ざれの陽ざしの中、帽子を振っていました
> (もうこれで、あいつらとは二度と会えなくなるというのに‥なにが神風かッ)
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2017年07月10日

【勝手句帳】126 29-7-8 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/07/10

|梅雨晴れ間空色うつす葉の雫      静岡市・浅間神社句会

|葉のしずく梅雨晴間うつし青や赤 ひたぶる四片打たれて清し


 *ひたぶる‥ひたむきながらも向こう見ずな気骨。
 *四片(よひら)‥アジサイの異名。

> 今日は日曜、今はちょうど雨上がり所謂梅雨の晴れ間だ
> 暇つぶしにもアジサイを見やっていると
> 無駄に葉のしずくが気になって近寄って観察することにした
> 見ればどうか、葉のしずくには梅雨の晴れ間が映っているかのようだ
> いやいや、よく見ればアジサイの花だって透け込んでいる
> これほどに頼もしいしずくもあるまい‥どうにもアジサイという花は‥
> 雨に打たれて散りへこたれるどころか、尚、ひたぶる如く磨きが掛かるのだな
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2017年07月09日

【勝手句帳】125 29-7-7 静岡新聞掲載分から

↓8)向宜詠吟.2017/07/09

八幡堀小舟とどまる花菖蒲       掛川市・いちご句会

|夏透かす八幡堀を押しぬ舟 花菖蒲の影ぞ澪曳く


 *澪曳く(みおひく)‥A船の通った跡の波の続く趣。
 *八幡堀(はちまんぼり)‥戦国時代に造られた滋賀県近江八幡市にある人工の水路。
 *花菖蒲(はなしょうぶ)‥開花時期6月頃。参考写真

> 陽気はすっかり夏の趣で、八幡堀の水面には周りの景色が透け込んでいる
> 舟が往こうなら、逆さに映った景色ごと押しての出発だ
> もう少しゆっくりお願いしたいところなのに、見頃の花菖蒲を尻目に
> どんどん行ってしまうとは、実に納得しがたいが、
> こうも陽ざしが良すぎては、景色の流れるままを味わうよりほかないようだ
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2017年07月04日

【勝手句帳】124 29-7-4 静岡新聞掲載分から

↓6)向宜詠吟.2017/07/04

|ストレス脳の酸素を持ってかれ    富士宮市・川柳芙蓉会

|ストレス脳の酸素を持ち出され 予定が変わる午後三時すぎ


> え、そんなに大幅にプロセスを変更するんですか?
> それじゃ始めからプログラムの作り直しじゃないですかッ
> しょうがないだろう、先方からの要望なんだから
> で、納期と料金の方はどうなるんですか?
> 決まってんだろう、だからこれから交渉すんだよ今時間もらって話してんだよ
> え、それって踏み倒されかねないって意味っすよね‥
> ‥ばか、大きな声で言うな、聞かれるだろうが
> ‥ということなんで、みんなにはうまいこと言っといてくれ(ガチャ)
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2017年07月03日

【勝手句帳】123 29-7-1 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/07/03

|晴れわたる空に綿雲流れゆくさやかに見上げる待ち合わせのとき    御前崎市・もくせい短歌会

|苦を問われ荷を問われたる木下闇 承りたくも汗ばかり


> キミねだいぶ(冷や)汗欠いてるようだけど大丈夫?
> え、は、はい、体調には問題ありません
> そうじゃなくてだね、殺し文句を用意してきているのかを聞いているのだけどね‥
> 「ええ☆殺し文句ですか?」
> そうだよ、殺し文句だよ、どんなに良い商品を納めようとだね
> 日々の気遣いたる「殺し文句」まで行き届いているかどうかの方がずっと大事だ
> 何しろこの世界、良いものばかりじゃない、時にはババをつかまされて思案に暮れる時もある
> ‥とくに在庫の山がそうだ‥
> そういう時にこそ、殺し文句の才能が求められてくる
> 引き取る側としては、そこまでのコンセプトがセットだと助かるんだけどね
> 「えええ☆ッ」
> えええって‥キミ、今日のところは出直してはどうかね?
> 売った先の在庫を抱え込んだのを見て、ざまあはありえないだろう‥お互い様なんだし
> 殺し文句も浮かんでこない商品なんて、端から迷惑なだけだよ
> そちらは殺し文句までを考える、こちらはそれに見合っているかをチェックする
> そのぐらいでないと、業者間取引なんて釣り合わないと思うけどね
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2017年07月02日

【勝手句帳】122 29-6-30 静岡新聞掲載分から

↓5)向宜詠吟.2017/07/02

|田植機の苗に如雨露の水をかく      静岡市・満点句会

|田植機の苗に如雨露の水をかく 大事のはずも余せばほっぽ


 *如雨露(じょうろ)


> 苗はな、植えるまではこうして大事に扱うものよ
> ふーん、でも田植えの終わった後の余った奴のあの扱いようは何?
> あ、あれか‥あれはまぁ、捨てるのも何だし、田んぼに置いておくのが供養ってわけよ
> ふーん、まるでおじいちゃんの先行きそのものの暗示だよね
> もっと友好に扱わないと、田んぼだってがっかりだと思うよ




|田の水にひとかたまりの夏の鴨      静岡市・満点句会

|田の水にひとかたまりの夏の鴨 まるで儂らぞ最後の代


> ‥最近目立ってよく見るの、田植えの頃の残り鴨の夫婦連れ
> まるで、減って行く田の行き先が気になって仕方がない儂らのようだなぁ
> 懇願したいのはこちらとて同じこと
> 儂らが居なくなるとお前らを見ることも無くなるんだのう‥さみしいのう‥




|田植機は老いの友なり蛙鳴く       静岡市・虹の環句会

|田植機は老いの友なり早苗泥 とぎれ去ろうと青空しょって


 *早苗泥(さなえどろ)


> どうにも手伝ってくれる者も居らんからのう
> この歳になると、新型買うのも引けてのう使い慣れたお前だけが頼みよ
> 跡継ぎに恵まれんでも、わしゃ最後まで踏ん張って青空背負うでェ
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posted by 木田舎滝ゆる里 at 17:04 | Comment(0) | 名句にポン/2017後半 | 更新情報をチェックする